【もくじ】

知らないと怖い便秘薬の選び方・使い方

女性にとって、ありふれたトラブルともいえる便秘。あまり深く考えないで、市販の薬に頼っている人も多いのではないでしょうか?

薬を飲めばスッキリ便が出ると安心しているうちに、薬の量がだんだん増えたり、薬を飲まなければ便が出ない身体になってはいませんか?

「医者にもらった薬だから大丈夫」。そう安心しているうちに、あなたの腸の動きはどんどん悪くなり、健康的なピンク色から黒ずんだ腸に変色してしまっているかもしれません。

医者も知らないことが多いという便秘薬の真実を大竹先生に教えてもらいましょう。

刺激性便秘薬の特徴と注意点

―薬局にはたくさんの便秘薬が並んでいて、どれを選べばいいのかわかりません。正しい便秘薬の選び方を教えてください

「便秘薬には大きくわけて刺激性と非刺激性の2つの種類があります。刺激性便秘薬は、その名の通り、腸そのものを刺激して、ぜんどう運動を促すことで便を出す薬で、市販薬の8割ほどを占めています。お医者さんが出す薬もほとんどが刺激性便秘薬です」

―ということは、刺激性便秘薬の方がいい薬だということですか?

「実は、刺激性の便秘薬はできれば使わない方がいい薬なんです。即効性があるので、つい使いたくなりますが、長期服用していると、腸の動きがどんどん悪くなってしまうという大きなデメリットがあって、半年、一年と飲み続けているうちに、腸本来のきれいなピンク色から真っ黒に変わってしまうこともあるんです。薬を飲まないと便が出せなくなって、しだいに薬の量も増えていきます。私のクリニックに来た患者さんでは、一回40錠飲まないと効かなくなってしまったという方もいました」

ファーストチョイスは非刺激性便秘薬

―では、便秘のときにはどんな薬を選べばいいのですか?

「便秘薬のファーストチョイスは、非刺激性の酸化マグネシウム製剤です。腸内の水分で便を柔らかくすることで、自然な排便をしやすくする働きがあります。刺激性便秘薬のように腹痛が出たり、クセになったりしにくいのが特徴です」

最近話題の非刺激性の便秘薬の特徴は、

〇お腹が痛くなりにくい
〇クセになりにくい
〇妊婦や子供、高齢者にも使える

というもの。優しい便秘薬として注目されています。

―刺激性便秘薬より、非刺激性便秘薬がおすすめということでしょうか?

「はい。2017年に出た『慢性便秘症診療ガイドライン』にも、便秘薬のファーストチョイスは非刺激性のマグネシウム製剤だと明記されています。まずは便を柔らかくして、自然に出しやすい状態にもっていくこと。刺激性便秘薬は、どうしても便が出ない時に、一時的に使う薬だと考えてください」

おすすめはマグネシウム製剤

―市販の薬を買うときには「便を柔らかくする」と書かれているものを選べば大丈夫ですか?

「便を柔らかくすると書いてあっても、メインの成分は刺激性で、便を柔らかくする成分も多少入りましたよという程度のものが多いようです。おすすめは「ミルマグ」などのマグネシウム製剤です」

漢方の便秘薬やお茶は安全?

―漢方の便秘薬はどうでしょうか?

「漢方薬は体に優しいという思い込みがあるようですが、これは大きな間違いです。最近、40代の男性でお義母さんに勧められて、便秘にいいというお茶を飲んでいたら、逆に便秘がひどくなったという方がいました。内視鏡で大腸をみたら真っ黒け になっていました。センナや大黄、アロエといった便秘に使われる生薬はどれも刺激性です。漢方だから、お茶だからといって、安易に飲み続けるのは危険なんです」

ここで筆者の専門である漢方について解説を加えます。センナは便秘薬や便秘に効くお茶としても知られていますが、意外に盲点になりやすいのが大黄です。

大黄は、便通を改善するだけでなく、血行改善や清熱解毒、解熱鎮痛など、多くの作用をもつ生薬です。漢方便秘薬として有名な「大黄甘草湯」以外にも、肥満や更年期障害などに用いられる「防風通聖散」や「桃核承気湯」など、多くの漢方薬に使われています。長期服用や他の薬との併用の際は、必ず専門家に相談してくださいね。

医者も知らない便秘の治療

便が出なくて苦しいときには、薬局でつい即効性のある便秘薬を選びたくなってしまうもの。でもお医者さんでも、デメリットの大きい刺激性便秘薬を出すことが多いというはなぜなのでしょうか?

「残念なことに、便秘治療について正しい知識がない医者が本当に多いんです。多くの医者が処方するプルゼニドやアローゼンは刺激性便秘薬です。とりあえず便が出るので何も知らない患者さんには、よく効く薬を出してくれたと感謝されます。その場しのぎで商売繁盛というか、先にあるデメリットまで考えていないんです」

―刺激性便秘薬を出すお医者さんはダメということですか?

「さきほども言いましたが、便秘薬のファーストチョイスは非刺激性のマグネシウム製剤です。どうしても便が出ない場合は、週一回までなら刺激性を使ってもそれほど問題はないと思いますが、それ以上は危険。薬だけに頼らず、食生活や運動、排便時の姿勢などを工夫することでも便秘は改善できるはずです」

―よいお医者さんに診てもらうにはどうしたらいいですか?

「僕のところに来てくださいと言いたいところですが、そういうわけにもいかないですよね(笑)。便秘が慢性化している人は、ぜひ一度、便秘外来がある病院やクリニックに相談してください」

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