【もくじ】

肥満には「陽の肥満」と「陰の肥満」がある

「肥満には「陽の肥満」と「陰の肥満」があります。自分の体質に合ったダイエットをしなければ、いくら頑張っても痩せることはできません」
というのは、品川の鍼灸院・アキュサリュート高輪の瀬尾院長。

「陽の肥満」は、お腹がつき出たがっちり固太りタイプの肥満。
「陰の肥満」は、肉の柔らかいぽっちゃり水太りタイプの肥満。

「陽の肥満」は“食事の量を減らして痩せる”ことが基本ですが、「陰の肥満」の人は逆に“食べないと痩せない”と瀬尾先生はいいます。

「陽の肥満」って何?

―「陽の肥満」ってなんですか?

「陽の肥満とは、体に“痰濁”が溜まって、排泄のためのパイプが詰まっているタイプの肥満です」

―“痰濁”ってなんですか?

「体を潤す水の巡りが滞ると、水がよどんで濁った“痰濁”となります。“痰濁“は台所のパイプを詰まらせるドロドロの油汚れのようなもの。パイプ汚れがひどくなると、排水が流れなくなって流しにどんどん溜まってしまうでしょ。それと同じように、“痰濁”が溜まると排泄機能が低下して、余分な水分や脂肪が溜まって、太ってしまうんです」

「陽の肥満」になるのはどんな人?

「陽の肥満」になりやすいのは、

・つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまう
・食事の時間が不規則
・甘いものが好き
・油っこいものをよく食べる

といった食生活を続けている人。さらに、

・声が大きくてエネルギッシュ
・赤ら顔でお腹が出ている
・がっちりタイプの固太り
・暑がりで汗っかき

といった特徴があります。

「陽の肥満の人はもともと陽のエネルギーが強く、ポンプを動かす力はあるんだけど、パイプそのものが詰まっているという状態。痩せるためには、パイプのお掃除が必要です」(瀬尾先生)

「陽の肥満」のダイエット法は?

―「陽の肥満」の人はどんなダイエットが効果的ですか?

「陽の肥満は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、脂っこいものや甘いものの摂り過ぎが主な原因。食事の量を減らす、運動をするといった王道のダイエットでちゃんと痩せていきます」(瀬尾先生)

暑がりなのは体の中に余分な熱が溜まっているため。冬瓜やスイカ、きゅうりなど、熱を追い出す作用のある食べ物で、余分な熱を追い出せる体作りをすると、パイプの詰まりもよくなっていくそうです。

「陰の肥満」って何?

―「陰の肥満」ってなんですか?

「陰の肥満は、エネルギー不足による肥満です。パイプの詰まりではなく、ポンプを動かすエネルギーが不足しているために、よけいなものが出せなくなっている状態です」

「陰の肥満」の特徴は?

陰の肥満の特徴は、

・あまり食べないのに太っている
・ぽっちゃりした水太りタイプ
・寒がりで手足が冷える
・暑くないときでも汗をかきやすい
・体が重く、疲れやすい
・動くのが嫌い
・食事を減らしても痩せない
・好き嫌いが多い

といったもの。

では、陰の肥満の人は、どうすれば痩せることができるのでしょうか?

食べないのに太る理由

「陰の肥満の人は、食事の量を減らしたり、肉や油を控えるといった食事制限は役に立たないだけでなく、むしろ逆効果。体調不良の原因になるので注意が必要」という瀬尾先生。

陰の肥満の原因はエネルギー不足。消化吸収力が弱く、食べてもうまくエネルギーが作れなかったり、食欲そのものが落ちてしまうと、水分代謝や脂肪代謝に必要な力が不足。ポンプ機能がうまく働かずに水分や脂肪が体に溜まりやすくなってしまうのだそうです。

「陰の肥満」のダイエット法は?

―「陰の肥満」の人はどんなダイエットが効果的ですか?

「陰の肥満には、まず陽のエネルギーを高める食材で体を温めること。すると、よけいなものを体から追い出すポンプがしっかり働くようになります」(瀬尾先生)

一時期流行した羊肉は、陽のエネルギーがとても強い食べ物。陰の肥満向けの食べて痩せるダイエットにうってつけの食材です。野菜では、ニンニクやニラ、かぼちゃやにんじん、くるみやナツメなどがおすすめです。

サラダは体を冷やしやすいので、なるべく温野菜やスープで摂るのもポイント。体にいいと思っている朝のスムージーが体を冷やす原因になっていることもあるので、材料や飲む温度にも注意してください。

「陰の肥満」を解消するツボ

陰の肥満には“食べて痩せるダイエット”。でも、食欲が出なくて十分に食べられなかったり、食べてもしっかり吸収できなくなってしまっている人も。

そんなときに役に立つのがツボによる治療です。おすすめは消化器系の働きを高める次の3つのツボ。軽く痛みを感じる程度の力加減でそれぞれ1~2分揉みましょう。

① 太白(たいはく)
位置:足の親指の下のふくらみを足首側に越えたところにある凹み。足の裏と甲の境

② 公孫(こうそん)
位置:太白から親指1本分足首寄り

③ 陰陵泉(いんりょうせん)
位置:スネの骨の内側を指で軽く押しながらなで上げ、膝関節のふくらみに当たったところ

夏でも冷えを感じる人は、この3つのツボにお灸をするのもおすすめです。

まとめ

いくらがんばっても痩せなかったのは、自分の体質に合わないダイエットをしていたからかもしれません。

体質に合ったダイエットはきれいに痩せるだけでなく、体調を整えるためにもとても効果的。ぜひ一度、「中医式陰陽ダイエット法」を試してみてください。

瀬尾港二先生プロフィール
アキュサリュート高輪院長。はり師、きゅう師、按摩マッサージ指圧師。日本中医学会事務局長。ICU理学科卒業後、北京中医学院に入学。卒業、帰国後は後藤学園附属はりきゅう臨床施設院長を経て現職。著書共著に『中医食療方~病気に効く薬膳』(東洋学術出版社)、『フローセックスー中医学に学ぶ安らぎと幸福の性愛術』(アスペクト)など。

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