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「よし痩せるぞ!」と思った時、その対策として「走る」ということを選択する人も多いのでは? でもいったいどのように走ればいいの? せっかく走るならきちんと痩せたいし、きれいに痩せたい! そこで今回は「痩せる走り方」をプロトレーナー・ランニングコーチ、StudioBodyLinkオーナー、実業団サンベルクステクニカルコーチの鈴木隆介さんに教えていただきました。

ランニングとジョギングの違い

そもそも、みなさんはランニングとジョギングの違いがどういったものか知っていますか?

「ズバリ、スピードの違いです。時速10キロ以上の速さがランニング。それ以下をジョギングと言います。スロージョギングというものもありますが、時速5キロほど(歩く速度)のゆっくりとしたペースで走ることによって、歩くことと同じ運動量で多くの負荷がかけられるものです」と鈴木さんは言います。

・人と話しながら走れる速さ;スロージョギング・ランニング
・話しかけられて受け答えができる速さ;ランニング
・話しかけられると困る速さ;スピードラン

ダイエット効果があるのはどっち?

「ダイエット効果という意味では、一番は『エネルギー消費を促す』ということが大切になってきます。つまり、脂肪を減らしたい場合は、エネルギー消費をいかに増やすかというところがポイントとなってきます。ランニングは消費を増やすという意味では有効です」

「そして、ダイエットというのは脂肪を燃焼するということです。脂肪を燃焼するサイクルとしては、体の中の脂肪を分解し、血管を通して脂肪を燃焼する工場へと運び、その工場で燃焼するという作業が行われています。この工場が長く動いていたほうが、脂肪燃焼効果が高くなるわけです」

「ジョギングのように、ゆっくり長い時間走るということはその分、脂肪を燃焼する工場が長く稼働するということなので脂肪燃焼効果が高いです。ランニングは走っている時間が短い(工場の稼働時間が短い)ですが、1回あたりの運動量の強度が高いため、エネルギーをたくさん消費するという、それぞれの利点があります」

「そのため、どちらがいいかは自分の性格にもよるので、自分に合ったほうを選ぶことが重要になります」

走るのにおすすめの時間帯

「通常、夕方が一番代謝が高く、朝と夜は低めです。しかし、朝は何も食べておらず、余計なものが溜まっていない状態なので、朝に走るほうがダイエットには効果的。朝、体を動かすことで代謝が高まり、脂肪も燃焼しやすくなるので朝がおすすめです。ただし朝は脱水気味なので水分補給は忘れずに」

痩せるためにどのくらいの時間走ればいいの?

「脂肪をたくさん消費しやすい状態にするには、15分以上走ることです。15分以上走ると糖質だけでなく、脂肪が使われる割合も高くなるため、長く走ることが脂肪燃焼には効果的。ただし、15分以下でも脂肪は使われています」

「ただ、走ることに対して30分単位で考えている人が多いですが、運動が嫌い・苦手という人が急に30分走るというのはハードルが高いので、5分とか、極端なはなし、3分から始めてもいいんです。徐々に時間を増やしていくことがおすすめです」

痩せるための走る頻度

では、頻度としてどのくらい走るのが痩せるには効果的なのでしょうか?

「できれば毎日が理想です。一般的には週5回30分と言われていますが、なかなか難しいと思うので、少なくとも週3回30分以上を目安にするといいでしょう」

走るときのフォーム 

◆リラックスして力を抜いてボールが弾むように走る。(頑張らない)

◆糸で引っ張られているように、背筋を伸ばす。

◆身体はやや前傾姿勢を保ち、上半身から進むイメージ(重心移動)

◆着地は足の裏全体でつく(ベタ脚、赤いマル部分から着地)

◆腕はリズムとるように軽く前に振る。

「ランニングは着地した時に、負荷がかかるので、着地のときにお尻の筋肉を使っているかを意識しましょう。そのためには走るときに、できるだけ足の裏全体をつくようにすることがポイント。かかとやつま先から着地するわけではなく、ベタ足で着地するようにします」

「着地したときにどこの筋肉で衝撃(負荷)を受け止めたかによって、どこの筋肉を使うかが決まります。女性の場合は、ももを太くするよりもヒップアップした方がいいと思うので、着地の瞬間にお尻で衝撃を受け止めているかを感じることが重要です。足の裏全体で着地することで、お尻の下で衝撃を受け止めることになるため、お尻を使っていると感じられればうまく走れています」

「反対に、地面を引っ搔くような(蹴るような)走り方はふくらはぎの筋肉を使うので、ふくらはぎが太くなってしまいます。アキレス腱伸ばしのようなイメージにするとお尻がきゅっと上がります」

走るときのコース選びは?

「消費するということでいえば、段差や坂などの高低差があったほうがいい。階段が入ったりしてもいいですよ」

気になる、走るときの格好は

走るときはどんな格好で走るのがいいのでしょうか?

「厚着をするのは水分が蒸発するだけです。体重を減らす意味では効果がありますが、脂肪を燃焼させるという意味では、厚着をしたからといって効果が高くなることはありません」

「厚着をするというよりも、肩甲骨周りに今の時期だとカイロを貼ることがおすすめです」

肩甲骨周りを刺激する!

「肩甲骨周りは、脂肪を燃焼しやすくする脂肪(褐色脂肪細胞)がたくさんついています。ここに寒暖差をつけると細胞が刺激され、脂肪燃焼効果が高まります」

例えば…
朝シャワーを浴びたら肩甲骨周りを冷やす
今ある状態からさらに熱くする(夏でも温める)
夏は冷やし、冬は温めるなど

寒暖差をつけることがポイント。

ランニングシューズの選び方

◆サイズが合っているものを選ぶ

「まずはサイズが合っているかどうかをみてください。インソールを外し、その上に足を置きます。インソールの中に自分の足が収まっているものを選びましょう」

「特に横幅を気にしてください。横幅が合っていないと、余計な筋肉を使うので足を痛めやすかったり、ふくらはぎが発達しすぎたりします」

「つま先に関しては、一般的には走ると滑り込み現象といって、足が地面につくと前にずれ込む現象が起きます。しかし、きちんと紐を結んでつま先が当たっていなければ問題ありません。つま先より0.5cmくらい余裕があっても大丈夫です」

◆クッション性を過剰に気にしなくても大丈夫

「クッション性は重要ではありますが、1時間以下程度のランニングの場合、クッション性に関してそこまで過剰に考える必要はありません」

◆どちらかというと軽めのシューズがおすすめ

「はじめは手持ちのシューズでも大丈夫。しかし、重すぎると疲れやすいので、続かなくなる可能性が。1時間以下程度のランニングなら、過剰に分厚いシューズで走る必要はありません」

◆自分の好きなデザイン

「かわいいとか、きれいな色、好きなブランドなど、自分の好きなデザインを選ぶといいでしょう」

イメージすることが最も大切

「このことを続けていったら『自分が目指しているものになれるのか』ということを最初にイメージすることが大切です。『私はいつも美しい』と思いながら走ることや、気分が上がるウェアを着ることでもいいのです」

「漠然と『痩せたい』と考えている人が多いですが、どうなりたいかということをイメージし、ゴールを設定することが重要です」

一番簡単なのは“投影”すること

「あの人みたいになりたい、と目標とする人を決めれば自然と近づけたたり、不思議と痩せたりするものです。投影する場合は、ご近所のきれいな人など、身近な人や、自分の全盛期などイメージしやすい人を選ぶのがおすすめ。あまりにもかけ離れている人はイメージしにくいのでNG。イメトレは本当に大切。意識と生活が変わります」

ランニングすると胸が垂れやすいという悩み

走って脂肪を落とせるのは嬉しいけれど、胸が垂れやすくなったり、小さくなってしまっては本末転倒。胸に影響の出ない走り方はあるのでしょうか?

「一般的に脂肪というのは、生命維持の上で重要でないところからどんどん消費されていきます。お腹周りは内臓保護の役割があるので、落ちにくいのですが、胸の脂肪はそんなに必要ではないので、落ちやすいです。振動させると脂肪は落ちやすくなってしまうので、胸が揺れないようにスポーツブラなどフィットする下着を身に着けることが大切です」

体力のない人や初心者はどうしたらいいの?

「疲れたら歩いて、また走って……と、ウォーキングとランニングを繰り返せばいいです。歩くことと走ることを組み合わせると取り組みやすいと思います。そして「エクササイズ」であるということを意識して行うことが重要です」

筋肉痛になったら休む? 休まない?

「筋肉痛になっても毎日走ってOK。肉体的に追い込む程走っている人は休んでもいいですが、単に運動不足による筋肉痛であれば、続けても問題ありません。動く回数が増えた方が痩せるためには効果があります。まずは走るなど、体を動かすことが大切です」

足腰が弱い人は走るよりも歩いたほうがいいの?

「足へのストレスやどこかが痛いといった場合には歩いたほうがいいでしょう。体重に対してかかるストレスが、ウォーキングとランニングで3倍違います。初心者の方はウォーキングの方が安全ではあります。しかし、今まで運動不足だった人が走ることで筋肉痛になるのは当たり前のこと。過剰にリスクを気にすることはありません」

自宅でできるトレーニング方法

雨が降ってランニングができない、帰りが遅くなってしまったのでできないなど、そういう時にランニングの代わりになるおすすめの方法をご紹介します。

「ステップ台に乗ったり、階段の上り下りをすること。あとは、縄跳びは楽しいしおすすめです。環境が許されるのであれば何でもいいです。エクササイズのDVDでもいいですよ」

「みんなハードルを高く設定しすぎています。最初からできないのが普通だと思って取り組んだ方が長続きします。雨が降ったからいけない=意志が弱いと思って、自分を責めるのではなく、行けないことは当たり前と考えるように、アメとムチを使い分けましょう」

お話しを聞いたのは……鈴木隆介さん

鈴木隆介

StudioBodyLinkオーナー/実業団サンベルクステクニカルコーチ
プロトレーナー・ランニングコーチとして、クライアントの身体の特徴、クセなどを理解し、数多くある様々な手法の中から一人ひとりにマッチした内容を提案、効率よく身体を変えられるように指導。プロの実業団から一般市民ランナーまで幅広くランニング指導も行う。特にランニングフォームの改善には定評がある。