
だんだんと気温が高くなる日も多く、春が近づく気配が感じられるこの季節は、ダイエットにも力を入れたい時期。ジムに行ったり、ランニングはハードルが高い……、という方には「ジョギング」がおすすめです。そこで今回は、プロトレーナー・ランニングコーチとして活躍する、StudioBodyLinkオーナー、実業団サンベルクステクニカルコーチの鈴木隆介さんにダイエットに効果の高いジョギングのコツや、ダイエット中の食事で大切なことについてお話をお聞きしました。
体重が減る=ダイエットとは限らない
「ダイエットにおいて一番重要になってくるのは体重ではなく”体脂肪量” と”見た目” 。体重はむしろ増えてもOKなんです。一番大切なことは中身(脂肪)がどう変化したのかと、見た目ということをまずは理解しておいてください。
体を鍛えて骨密度が増えたり筋肉量が増えたりすると、体重も増加する可能性がありますが、脂肪量は減ることも。反対に体重が減ったからといって、脂肪が減ったとは限らないため、ダイエットに成功したとは厳密に言えない場合もあります。
“健康的に美しくなる” ということは骨密度や筋肉量があがることなので、体重が増えることも十分ありえますし、体重が減ったとしても水分が減っただけなので、すぐに減った体重が戻ってしまうということもあります。ダイエットをする上では、体重ではなく脂肪と見た目に着目することが大切です」
ジョギングがダイエットに効果的な理由
「ジョギングは誰でも簡単に取り入れやすく、長時間運動ができるという点において、ダイエットには効果的といえます。人間の身体が動いている時は、脂肪や糖質が使われます。また、一般的には長いジョギングを行う時には、脂肪細胞が優位に使われやすいため、脂肪が燃焼されやすい状態になります。体重ではなく脂肪を減らすという意味では、ダイエットにうってつけの運動ともいえるでしょう」
ジョギングとランニングの違いとは?
「ジョギング、ランニングはどちらも有酸素運動になります。この二つの違いはスピード。時速10キロ以上がランニング、それ以下をジョギングとしています。
脂肪を分解し、燃焼させるためのサイクルは、一般的に長時間動いている方が活発になります。そのため、ジョギングはゆっくり走るという意味では、ランニングに比べて長い時間を走り続けることが可能なため、ダイエットには効果的といえます」
ジョギングのハードルが高いという人は、スロージョギングから取り入れてみるのも
「運動が苦手……、という方はジョギングを始めるのにもハードルが高いと感じる方がいるかと思います。そういう方はウォーキングや、スロージョギングから始めてみるのがおすすめです。
スロージョギングは、時速5km(歩いているスピード)程のペースで走る運動ですが、歩いているのと同じ運動量で身体に多くの負荷をかけることができます。
そして、ジョギングやランニングに比べて、安全性が高いことが一番の魅力。ランニングと走るフォームは同じですが、ジョギングやランニングよりも楽に走ることができます。長時間動くことができるので、脂肪をエネルギーに変える時間も長くなります。
15分以上継続すると、脂肪燃焼効率もあがっていくので、スロージョギングを行う場合には15分以上続けて行うのがおすすめ。スロージョギングは、長時間コツコツと続けることができる人に向いているダイエット方法ですね」
ジョギングやスロージョギングのフォームは体を大きく動かすことを意識して!
「ダイエットのためにジョギング、スロージョギングを行う時には、身体をできるだけ大きく動かすことが大切です。腕や足を大きく動かすことを意識すると、エネルギーの消費も高くなります。そして、きれいに痩せるためには走り方にもコツがあります。
基本的に走るときには、かかとやつま先から入るのではなく、できるだけ足の裏全体をつくように、べた足で着地することがポイントです。
頭から前にでて腕、足がつくという流れが理想的な流れ。前傾姿勢にして、お尻よりも頭をちょっと前に出して、その姿勢をキープしたまま走っていくと美しいラインを作ることができます。
地面を蹴るような走り方は、ふくらはぎの筋肉をたくさん使うことになるので、ふくらはぎがパンパンになってしまう可能性があります。アキレス腱を伸ばすようなイメージで走るとお尻がきゅっとなって、身体が自然と前に行くようになります」
ダイエット効果が出てきたと感じるのはどれ位?
「食事制限をせずに、運動だけでダイエットをしようとする場合には、1ヶ月程経つと身体の変化を感じることができると思います。
1kgの体脂肪は7200kcalです。今までと全く同じ食事量で、30分ジョギングを始めたとすると、おおむね1回の消費量は200kcal前後。毎日続ければその分の消費カロリーが日々マイナスとなっていくので、1ヶ月で1kgちょっと減っていく計算になります。食事と運動のバランス次第ではもっと早く結果が目に見えることもありますし、ジョギングだけでなく、日々の食事を意識することは、ダイエットにおいても重要になってきます」

昼食を制するものがダイエットを制す
「一般的には活動量が少なくなっていく夜に向かって、食事の摂取量も少なくすることがダイエットには効果的といわれています。しかし、家族や子供がいる家庭の方や、会社の同僚や友人と食事をするなど、夜の食事の比重や重要度が高いという方も多いと思います。その場合は昼を少なくすることがおすすめ。朝はきちんと食事をしても、これから活動するということを考えると、ほとんどがエネルギーとして消費されます。そのため、昼食でバランスを調整することが、ダイエット成功の大きなカギとなります」
お肉は積極的に摂取してOK!
「よく、ダイエット中はお肉を控えているという声を聞きますが、タンパク質が豊富に含まれている肉は積極的に摂るべき食材です。もちろん、脂肪が少ない肉の方がダイエットには向いているので “ヒレ・ムネ肉、ささみ”などがおすすめです。あとは肉を食べるときには、何を食べて育っているかということを意識することが大切です。とくに“牧草牛”は栄養価が高いので、ダイエットには効果的です。
肉は1食80gの摂取量がベスト。運動をしている人なら100gくらい摂取しても大丈夫です。魚だとタンパク質の吸収が少なくなるので、100gくらい摂ってもOKです」
ダイエット中には避けたい食べ物や飲み物
「カフェで甘い飲み物とケーキを注文する女性は多いと思いますが、これだけでかなりのカロリーを摂取することになり、体に糖質や脂質を溜め込んでしまいます。甘い飲み物とケーキのセットは1食分のカロリーに匹敵することもあるので、1日4食食べているようなもの。そのため、ダイエット中はなるべく避けた方がいいでしょう。どうしても食べたい時には、前後の食事量を減らすなどして調整することが大切です。
また、ジョギングや運動中にスポーツドリンクを摂取している方も危険信号。現代人は塩分過多といわれていて、適正の約2倍の塩分を摂取しているといわれています。スポーツドリンクには、多量の塩分と糖分が入っているため、そこで栄養を補給する必要はありません。運動中は水を摂取するようにしましょう。
最後に気を付けてほしいのが、ゼロキロカロリーの飲み物です。栄養表示基準で「100gあたり5kcal未満の食品は、0kcalと表示してよい」 という基準があるため、実際は0キロカロリーじゃないものも多いんです。ドリンクもまず、表示を確認することが大切です」
食事は1日ではなく、前後のバランスを考えて調整して
「毎食、栄養価の高い食事をとるというのはなかなか難しいもの。ダイエット中でも、外食が続いてしまったり、甘いものを食べてしまうこともあると思います。そういう時には特に、前後2~3日として食事のバランスを考えることが大切です。
例えば、夜食べ過ぎてしまった時には次の日の朝ご飯を少なくしたり、昼の栄養が偏っていたから、夜は質のいい食事をすることを意識するなどして調整していけば大丈夫です。食べてしまったことを後悔するのではなく、次の食事で対策することが大切です。
そして、自分が何を食べているのかを、少しずつでも把握することも重要なことです。脂肪や脂質を摂りすぎていた、と感じた時には、次の食事で脂肪や脂質の少ない食事を選択したりと調整していけば、体重や体脂肪が急激に増えるといったこともなくなります」
ダイエット成功のポイント
「ダイエットにおいて、運動や食事を意識する前にやってほしいことがあります。
それは「痩せて自分がどうなりたいか、どんな自分になりたいか」ということを意識すること。ダイエットを続けていくことで「自分が目指しているものになれるのかどうか」ということを最初にイメージすることが大切です。
そして、ダイエット成功の近道は、目標の人物を「投影」すること。憧れのあの人みたいになりたいと目標とする人を決めて、その人になりきりながら生活を送ったり、私は美しいと思いながら走ることで、ダイエットのモチベーションも高まって、不思議と痩せることもあります。
投影する時には、イメージをしやすい人を選ぶのもポイントです。あまりにも自分とかけ離れている人はイメージングしにくいので、近くにいるきれいな人や自分の全盛期をイメージするなど、想像しやすいものを選ぶと成功しやすいです。
イメトレはダイエットにおいて、とても重要なもの。まずはイメージングをしてから、運動や食事を意識することが、ダイエット成功のポイントになります」
お話しを聞いたのは……鈴木隆介さん

鈴木隆介
StudioBodyLinkオーナー/実業団サンベルクステクニカルコーチ
プロトレーナー・ランニングコーチとして、クライアントの身体の特徴、クセなどを理解し、数多くある様々な手法の中から一人ひとりにマッチした内容を提案、効率よく身体を変えられるように指導。プロの実業団から一般市民ランナーまで幅広くランニング指導も行う。特にランニングフォームの改善には定評がある。