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日本テレビの人気番組「世界一受けたい授業」でも話題となったのが、川村昌嗣先生が提唱する「川村式腹ペコウォーキング=インアウトダイエット』。歩きながら腹筋を動かすだけ。お金も時間もかけず、我慢も努力も必要ないという理想のダイエット。どうして痩せられるの? リバウンドはしない? 川村先生に伺ってきました。

気になるお腹がみるみる凹む「川村式腹ペコウォーキング

40代、50代になると、それほど太っていない人でも気になってくるのがお腹周り。とくに内臓脂肪は高血圧や糖尿病、動脈硬化や脂肪肝といったさまざまな病気のリスクを高めることがわかっています。

―「川村式腹ペコウォーキング」はどんな運動ですか?

「川村式腹ペコウォーキング」は、歩きながらお腹を出したり引っ込めたりという腹筋運動をするウォーキング法です。お腹に脂肪がつくのは腹筋を動かしていないことが原因です。歩きながら無意識に腹筋運動ができれば、お腹に脂肪がつかなくなるだけでなく、ついてしまった脂肪を減らすことができます。

体を動かすときのエネルギー源となるのは、まず血液中の血糖です。これがなくなると筋肉や肝臓に蓄えられた「グリコーゲン」や脂肪組織に蓄えられた「脂肪」が利用されます。

このとき運動強度が強いと主にグリコーゲン、運動強度が弱いと主に脂肪がエネルギーとして使われます。歩きながら腹筋運動をする「川村式腹ペコウォーキング」は、効率的に脂肪を燃やす運動なんです。

―「部分痩せはできない」という話も聞きますが?

部分痩せは可能です。痩せさせたい部分を持続的に動かし続ければ、そこにたまっている脂肪がエネルギー源として使われ、そこにたまっている脂肪が減ってきます。つまり、お腹を動かし続ければお腹の脂肪が分解されて、お腹周りが減少してくるのです。お腹のダイエットをしたければ、お腹を動かすのがいちばん効率的なんです。

ふだんあまり使っていない腹筋には、霜降りのお肉のように脂肪が溜まっています。腹筋をしっかり動かすことで、腹筋やその周りに溜まっている脂肪を積極的に燃やすことができます。また、歩くときに習慣的にお腹を動かせるようになってしまえば、歩く動作が腹筋体操になるので、リバウンドすることはありません。

「川村式腹ペコウォーキング」の練習法

まずは腹筋を動かす練習をしましょう。ふだん、お腹を引っ込めるときには、腹筋に力が入りますが、お腹を出すときには脱力をしています。お腹を引っ込めるときだけでなく、出すときにも腹筋に力を入れるようにすると、消費カロリーが倍増します。

① 腹筋に力を入れてお腹をゆっくりと引っ込める
② 腹筋に力を入れてお腹をゆっくりと出す
③ ①②を繰り返す。このとき、自然に呼吸に合わせて行うようにすると、息苦しくなることが避けられます。

「腹筋に力を入れてお腹を出す」がうまくできないときは、お腹を手で軽く押さえて、押し戻すようにお腹を出すと感覚がつかみやすくなります。呼吸の動きとは関係なく、腹筋を動かせるように練習しましょう。

「川村式腹ペコウォーキング」実践編

① 一歩目でお腹を出す
② 二歩目でお腹を引っ込める

スピードは疲れない程度。早く動かしすぎると、腰に負担がかかってしまう恐れがあります。また、お腹の動きと呼吸が連動してしまう人は、呼吸が早くなって息苦しさを感じることがあります。その場合は、

① 一二歩目でお腹を出す
② 三四歩目でお腹を引っ込める

など、ムリのないペースで行ってください。呼吸が苦しくないていどの深さとスピードで、無意識に続けられるようになるのが理想です。歩きなが無意識にお腹を動かせるようになれば、毎日の歩行という動作が自然にダイエットになります。

どのくらいで効果が出る?

― どのくらいで効果がでますか?

私自身は1週間ほどでベルトが緩くなりました。3か月で最大17㎝細くなり、リバウンドもしていません。以前「美的」という雑誌で「痩せている女性の部分痩せの」実験したときには「10日間でマイナス4cm」という結果がでました。健康カプセルという健康番組では、食事のとり方も気をつけていただきましたが、12日間で最大11.5㎝持お腹周りが減りました。

最近は『医師がすすめる48歳からの腹凹(はらぺこ)ウォーキングダイエット』で紹介している「スウィング歩行」と行っていて、少し腹筋が割れてきています。もちろん腹筋トレーニングや時間を割いた筋トレなどの運動は、苦手なので一切やっていません。

写真下『医師がすすめる48歳からの腹凹(はらぺこ)ウォーキングダイエット』毎日新聞出版P67より

― 一日中、家にいてあまり歩かないような日は、どうすればいいでしょうか?

「川村式腹ペコウォーキング」は、歩かないでお腹を動かすだけでも効果があります。座ってテレビを見ているときや、パソコン作業をしているとき、寝る前にベッドに横になった状態でやっても構いません。

〇通勤時の歩行中
〇入浴中
〇電車の待ち時間
〇起床時
〇就寝時
〇テレビのCM中
〇エレベーターの中
〇お風呂の中

など、毎日の生活のどのタイミングなら「腹ペコ運動」ができるか、洗い出してみてください。下のような健康チェック表を作って、やったかやらないかのチェックをすると、モチベーションが上がりやすくなります

実際にやり始めてみると、「今日も全然動かしていない」という反省の連続となるでしょう。そこで、お腹を動かしていなかった時には、毎日『あの時間帯におなかを動かしていたらお腹痩せができたのに「痩せる機会を逃すなんて損」をしてしまった』と10回唱えてください。

本気で損をしてしまったと自分自身に思い込ますことができれば、自然と損をしない風に行動が変わっていきます。自分は、その思い込みで『腹ペコウォーキング』を通勤時間帯の歩きの中に取り込み、習慣化することが出来ました。

より効果を高める方法は?

― もっと効果を高めるコツってありますか?

より効果を出したいときには、

① お腹を出す
② お腹を引っ込める
③ 引っ込めたままお腹を引き上げる

という3ステップを試してみてください。歩いているときには難しいので、信号や電車待ちで立ち止まっているときがおすすめです。あるテレビ番組では、『出して、出して、引込め、引込め』⇒『出して、出して、引込め、挙げて』と掛け声をかけながら練習してもらいました。お腹の動きが目立って恥ずかしいという人は、人眼が気にならないところや、家の中でやってください。お腹を引っ込めるだけより、グッとお腹に力が入ります。

また、身体を少しひねった状態でお腹の出し入れをするのもおすすめです。脇腹のあたりがかなり意識されますよね。より部分痩せに効果が出る方法です。

40代50代のダイエットの秘訣

― 川村先生は長年、病院の市民講座でダイエット指導をされていましたよね。40代、50代で、ダイエットに成功する人と失敗する人にはなにか違いがありましたか?

40代、50代の体は、日々の生活においても、瞬発的な動きがなくなるばかりでなく、無駄な動きがなくなり、体が省エネをするようになっています。また、筋肉量も減ってきているので、身体を動かした時に筋肉で消費されるエネルギーが減少してきています。

その上、食べる量を減らしても、収入が減った時に、買い物を控えるように、動かないときに消費している基礎代謝を減少させて、消費カロリーを節約するようになるので、なかなか痩せません。

ダイエットで結果を出すには、いつもと違う動きをしたり、普段使っていない筋肉を動かしたりして消費カロリーを増やすようにしましょう。

例えば、スリッパを履いて速く歩いてみてください。向う脛の筋肉に、いつもの歩きの時には感じない張りを感じると思います。いつものある期とは異なり、スリッパ場脱げないように、少し足の指を上に上げて歩いているから、向う脛の筋肉に張りを感じるのです。

ミドルエイジのダイエットは、これまで使っていなかった筋肉を動かすようにするのが効果的です。

痩せられない本当の理由

― ダイエットの基本は「摂取カロリーを減らして、消費カロリーを増やす」ことが基本ですが、早食いや大食いはどうすればやめることができますか?

早食いをするいいわけとして「忙しくてゆっくり食べる時間がない」という方がいます。「残すともったいないから早食いは仕方がないんだ」というわけです。

しかし、残さないで食べたものが、実際は「味わって食べておらず、太るもとになっている」と考えるとすごく勿体ない食べ方であることに気付けると思います。「残す勿体なさ」よりも「味わわないで胃袋に大好きな食べ物を捨てる勿体なさ」を自覚してもらえると、食べ方が自然に変わるはずです。

― 何をやっても痩せられないという人もいます。

痩せられない“理由=いいわけ”を書き出してみましょう。私の提唱するダイエットは、これまでの見方、考え方を変えて、自分の価値観を変えることで、痩せられない“理由=いいわけ”の対応策を見つけることです。“いいわけ”を克服さえすれば、必ず痩せられるはずです。

これまで多くの方にダイエット指導をしてきましたが、みなさん様々な“いいわけ”を口にします。私の著書にはいろいろな“いいわけ”とその対応策を書いています。いくつかご紹介しますので、応用して自分に合った対応策を見つけてください。

お菓子が好きで止められない場合には

食事のおかずの一つとして取り入れましょう。ジャガリコに少し水を入れてレンジでチンをするとポテトサラダのようになります。ポテトチップを野菜の上に振りかけてサラダのアクセントにしてみるのもよいでしょう。アイスクリームが食べたい方は、食事の前菜として食べてみましょう。

好きな物を早食いして、食べ過ぎてしまう場合には

早食いは味わう前に胃袋に捨てているので勿体ない。好きな食べ物を味わわずに食べ過ぎて気持ち悪くしているのはすごく勿体ないことをしているのだと、繰り返して自分自身に言い聞かせましょう。一口を1万円する高価なものと考え、少しずつ味わって食べてみましょう。

運動するのが面倒くさい場合には

時間を割いて運動するのではなく、日々の生活の動きの中で使っていない筋肉を使わないのがもったいないと考えましょう。使われない筋肉は細くなり、筋力が低下していきます。すると、以前と同じ動きをしても、すぐに疲れるようになり、疲労もなかなか回復しなくなってきます。

筋肉の老化は、年のせいだけではありません。使わないことで筋肉量が減り、筋力が低下するのだと、しっかり認識しましょう。

反動を使った動きは、筋肉に楽をさせる動きです。その習慣が筋肉の老化を招いているのだと自分に言い聞かせ、自分の体重を手や足で受け止めゆっくり動くようにしましょう。

まとめ

お腹痩せに効果的な「川村式腹ペコウォーキング」。その根本は「自分が痩せない本当の理由を知る」「ムリなく続く自分に合った方法を見つける」ということでした。

簡単なようで難しい? 難しいようで簡単?
とにかく大切なのは、やってみること。

お腹に力を入れてペコペコさせるだけとなれば、やれない“いいわけ”はもうできません。ダイエットをしたい人は、いますぐ「腹ペコ」を実践してみてくださいね。

最後に川村先生からのメッセージです。
「私の本を読むときに、自分が過去に行って失敗しているダイエットの仕方と同じことを書いていると無意識に判断しないようにしてください。“自分が行ったダイエット方法とどこが違うのか”ということを念頭に読んで欲しいのです。効果的なダイエットのハウツーではなく、どういった考え方、物の見方をして、価値観を変えるのかを理解し、自分の行動する際の基軸の価値観を変えていただけると幸いです」

川村昌嗣先生 プロフィール

1960年高知県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部内科へ入局。けいゆう病院健診科で副部長を務め、市民講座では「リバウンドしないダイエット」をテーマにダイエット指導を行い、自らも48歳で腹囲マイナス17cmに成功。現在は川村内科診療所理事長。『医師がすすめる48歳からの腹凹(はらぺこ)ウォーキングダイエット』毎日新聞出版、『医師が教える50歳からの超簡単ダイエット』幻冬舎など著書多数