【もくじ】

<体のプロは後ろ姿を意識する>

自分のものなのに、他人の方がよく知っているものは何?

それは後ろ姿です。自分は見えないけれど、他人から見られているのが後ろ姿。あなたは自分の後ろ姿に自信がありますか?

「後ろ姿には、その人の美意識と見た目年齢がはっきり表われます」という中村先生。

きちんと手入れされた肌。気合を入れたメイク。でも振り返った瞬間に、おばさんくささがあふれる人っていますよね。そんな印象を作ってしまうのが、だらしなくたれたお尻や背中のはみ肉です。

今回のターゲットはお尻。人をはっとさせるような後ろ姿美人を目指しましょう。

<たれ尻を作る微妙な違いとは?>

こちらの2枚の写真を見比べてください。

左はすっきり、右はなんとなくもっさりしている印象を受けますね。なぜそうなるのか、少し詳しくみてみましょう。

まずはお尻のトップの高さに注目してください。左はお尻がきゅっと上がってトップの位置が高く、右は少し下がっています。
次に、お尻と太ももの境い目。左はすっとなめらかに上がっているのに対し、右は角度がついて、お尻が少し落ちています。
さらに右ではお腹も出てしまっていますね。

モデルは人気ヨガインストラクターでもある梅澤友里香さん。ムダなお肉がない美しい梅澤さんの美しい体でさえ、こんなに印象が変わってしまう。となれば、たっぷり肉がついた重いお尻をもつ人は、この何倍もの変化が出てしまうということに。

その違いをつくっているのが、骨盤の微妙な角度です。

<お尻の下にしわが寄っていませんか?>

自分のパンツ姿を鏡に映してみてください。後ろから見たときに、パンツの下にしわが溜まっていませんか?

「骨盤が後傾するとお尻がたるんで、だらしない印象になります。お尻の下にも肉がついて、脚も短くなります」(中村先生)

イスに座って、おへそをのぞきこむと、骨盤の角度が平らに近づきます。これが後傾。
反対におへそを突き出し、骨盤を垂直に近づけた状態が、前傾です。

骨盤が後傾している極端な例は、ズボンをずり下げ、膝が曲がり、腰を丸めて歩いている若者のイメージ。だぼだぼのズボンに隠れているお尻は、きっとだらしなくたるんでいるはず。

パンツ姿で後ろをチェックしたときに、お尻の下にしわが寄っている人は、骨盤をちょっと立てること。パンツのしわがスッと消えて、ピップアップしたきれいなお尻になります。

<骨盤の微妙な角度をチェックする>

お尻の印象を大きく変えるのが、ほんのわずかな骨盤の角度。

こんな風にプロに骨盤の角度を調整してもらって、正しい位置を体感で覚えるのがいちばんですが、なかなかそんな機会もありません。

―自分でチェックをするにはどうしたらいいですか?

「脚のつけ根に指を当てて、そけい部の緊張をチェックしてみましょう。前後にゆらゆらしてみると、骨盤の正しい位置をみつけることができます」(中村先生)

<正しい骨盤の角度を探してみよう>

骨盤の正しい角度の探し方です。集中してゆっくりと、正しい位置を探してください。

・手を脚の付け根(そけい部)に当て、軽く押さえる
・腰を前後にゆらしてみる

左の写真は、骨盤が後ろに傾き過ぎている状態です。
つけ根を押さえている指先を押しているのが、そけい部のじん帯です。

右の写真は、骨盤が前に傾き過ぎている状態です。
指先を押していたじん帯がゆるみ、そけい部が引っ込んだ状態です。

前後に何回かゆらゆら動かしていると、後傾から前傾に変わり、そけい部が引き込まれる瞬間がわかります。そこが、骨盤のニュートラルな位置です。

<たれ尻を解消する「イスのポーズ」の極意とは>

そけい部の引き込みスイッチを入れて、たれたお尻をきゅっと引き上げる即効やせヨガ。今回ご紹介するのは「イスのポーズ」です。

・指を揃えてそけい部に当て、軽く押し込みながら膝を曲げる
・イスに座るようなイメージでお尻を後ろに引くこと
・そけい部の引き込みを感じること

・胸を開き、両手を斜め上に伸ばす
・腰は丸めないように

こちらはNGポーズ。そけい部の引き込みができず、腰が丸くなっています。

「骨盤が後傾してお尻が垂れている人は、そけい部を引き込む感覚を体に覚えさせてください」(中村先生)

<まとめ>

忘れていた筋肉の使い方を思い出すだけで、ふだんの姿勢が変わり、その場で見た目が変わります。徐々に凝り固まった体が解放され、心地よさを思い出せば、体はどんどん変わっていきます。

イスのポーズは意識しにくい、そけい部の引き込みの練習に最適のポーズです。骨盤の調整法がよくわからない方も、ぜひ試してみてください。

中村尚人先生
理学療法士として病院、老人保健施設、訪問リハビリなどでの臨床経験を経て、八王子に予防医学を目的としたヨガ・ピラティス・ウォーキングスタジオTAKT EIGHT(タクトエイト)を立ち上げる。豊富な知識をもとに、ヨガインストラクター、ピラティスインストラクター、予防運動アドバイザーとして活動。ヨガの解剖学講師、指導者育成、執筆、講演等に携わる。著書に『ヨガの解剖学』(BABジャパン)など多数。http://www.takt8.com

あわせて読みたい