【もくじ】

お茶の種類とダイエットへの効果

お茶は、一般的にはチャノキ(ツバキ科のCamellia Sinesis)の葉から作られます。もちろん、コーン茶(とうもろこし)、ごぼう茶(ごぼう)、ルイボスティー(マメ科の植物の葉)、マテ茶(モチノキ科の常緑樹の葉や小枝)など、チャノキ以外でその地域でとれるものから作られ、広く親しまれているお茶もたくさんあります。

また、チャノキの葉と一言にいっても、国や地方で、成育する場所や気候によって少しずつ種類が異なり、それぞれの地域に根付いた特徴のあるフレーバーを生み出しているのです。
お茶の作り方にも特徴があり、大まかに言って4つに分けられます。
その4つとは、不発酵茶(緑茶、ほうじ茶など)、半発酵茶(ウーロン茶など:酵素による発酵を途中で止めて作るお茶)、全発酵茶(紅茶:酵素による発酵が完全に進んだお茶)、そして後発酵茶(プーアール茶など:プーアール茶の中でも熟茶は、最後に麹菌による発酵を経ることが多い)です。
不発酵茶である緑茶の体への効果は、お茶の原料、葉や茎の成分が中心となり、後発酵茶であるプーアール茶は、原料のお茶の葉や茎の成分はもちろんのこと、発酵を行う麹菌などによって作られる成分の効果も大切です。

緑茶の成分とダイエットへの効果

カテキン

カテキンは自然界にある、体内の酸化を抑える抗酸化作用を示すポリフェノールの種類のひとつです。お茶の渋み成分として知られています。茶葉の中にはもともと4種類あり、お茶として加熱するとさらに4種類、合計8種類のカテキンが含まれています。カテキンはお茶の葉の部位やどれくらい日に当たったかにより量が変わります。一般的には煎茶には多く、日当たりをコントロールする玉露などではやや少なくなります。日が当たりにくいと、本来葉まで運ばれ日光によりカテキンに変化するテアニンの含有量が多くなるため、渋みが少なく甘みの多いお茶になるのです。カテキンは、食事から取り込まれる脂肪の吸収を抑え、体内では脂肪の燃焼を促すことが期待できます。特にガレート型のカテキンが効果的で、脂肪を腸から吸収するのに必要な消化酵素であるリパーゼの分泌を調整することで脂肪の吸収を抑えます。

また、ある研究では12週間適度な運動を継続しながらカテキンを摂ったところ、腹部の体脂肪や内臓脂肪の減少、中性脂肪の低下が見られました。
(Maki KC, et al., Green Tea Catechin Consumption Enhances Exercise-Induced Abdominal Fat Loss in Overweight and Obese Adults. J Nutr. 2009;139:264-270.)

カフェイン

カフェインは若い葉で多く含まれます。そのため玉露(100gあたり160mg)と多く、煎茶やほうじ茶(100gあたり20mg)と玉露は比べると少なくなります。カフェインには利尿作用があり、むくみ対策に大切です。
また、運動時には脂肪の燃焼を促すのに役立ちますので、ダイエットにも効果が期待できます。ただ、カフェインは取りすぎると最悪中毒となり急激に体調をくずすもととなりえます。適量を摂るようにしましょう。

テアニン

お茶のうまみ成分のひとつとして知られており、玉露や抹茶に多く含まれます。脳波ではリラックスしたときにでるα波をふやしてくれたり、リラックスさせる効果が期待できます。カフェインと一緒にとると、カフェインの覚醒効果を和らげてくれます。

緑茶を入れる温度は?いつ飲めばダイエットに効果的?

実は、カテキンのうち最も多く含まれるガレート型のエピガロカテキンガレートをより高濃度に抽出したい場合、70~80度くらいの高温のお湯がよいとされています。その次に多いとされる、エピガロカテキンをより多く抽出する場合、お湯ではなく水出しがお勧めです。水出しの場合、旨み成分のテアニンも多くなり、渋みの少ない旨みのあるお茶になります。
食事中や食後、また運動前に緑茶を飲むのがおすすめです。ただ、カフェインが入っているので飲みすぎには注意し、適量を飲むようにしましょう。

『生茶』と『熟茶』:プーアール茶について

プーアール茶、というと、独特な風味とダイエットを含めた健康への効果があるお茶、というイメージですね。中国雲南省を中心として標高が高い地域で育てられた雲南大葉樹から作られます。餅茶といわれる固形のお茶や散茶があります。
プーアール茶は後発酵茶という発酵食品ともいえるお茶です。古代から少数民族の間で飲まれていたようですが、『生茶』という種類のプーアール茶は、お茶を作る過程でほんの少しお茶自体に残る酵素をそのまま保存することで、少しずつ発酵が起こることでつくられます。比較的新しいものでは緑茶に似ており、時間が経つにつれプーアール茶の本来の味や香りになっていきます。
一方、プーアール茶を作るのに菌類を利用する方法があります。お茶をつくる過程で、お茶の葉自体にのこる酵素の働きを完全に止め、麹菌や酵母菌などと密閉して保存することで発酵をすすませ、プーアール茶をつくるのです。これは『熟茶』と呼ばれ、現在わたしたちが飲める主なプーアール茶になります。その発酵方法は一説には1000年くらいからある『黒茶』に基づいた製法とも言われます。
後発酵でできるプーアール茶、ではどんな成分にどのような効果が期待できるのでしょうか?

プーアール茶の健康、ダイエットへの期待できる効果とは

プーアール茶には動物で行われた研究では、ダイエット、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを減らす、HDL(善玉)コレステロールを増やす効果が示されています。
プーアール茶にもカテキンは含まれており、これらによる脂肪燃焼効果ももちろん期待できます。プーアール茶の特徴である、発酵を経たお茶、後発酵茶であることから、アミノ酸など特有の成分が存在することが知られていますが、実はまだその機能性成分について全部は明らかになっていないんです。

ホルモン感受性リパーゼの効果について

プーアール茶の脂肪代謝促進が期待できる理由として、ホルモン感受性リパーゼという酵素の存在があります。
ヒトのリパーゼのうち、ダイエットに最も大切なホルモン感受性リパーゼは、脂肪細胞に溜め込んだ中性脂肪を血液の中に戻し、エネルギーとして使用するためトリアシルグリセロールと遊離脂肪酸に分解します。遊離脂肪酸は筋肉に運ばれエネルギーとして使用され消費されます。このホルモン感受性リパーゼがダイエットには大切といわれています。

この研究はラットという動物を用いた研究ですが、プーアール茶を飲ませると、このホルモン感受性リパーゼが増えるよう遺伝子が変化することが示されました。また、ラットの体重や脂肪の量も減少しています。
(ZH C et al., Effect of pu-erh tea on body fat and lipid profiles in rats with diet-induced obesity. Phytother Res. 2011;25:234-8.)
逆に腸で食事からの脂肪を消化吸収しやすくする効果を持つリパーゼもあり、これは働きすぎるとダイエットには逆の働きとなります。
また、遊離脂肪酸を燃焼するには、適度に、特に有酸素運動をすることが大切です

脂肪酸の代謝について

この研究では、ラットに高脂肪食を食べさせてもプーアール茶を飲ませたラットでは、多価不飽和脂肪酸であるオメガー3脂肪酸やオメガー6脂肪酸が増えたそう。また、プーアール茶が脂肪代謝を促進する理由のひとつとして、プーアール茶を飲むことによって特定の遺伝子の働きが調節されることが挙げられました。脂肪酸を作る働きを促進する遺伝子を抑制することで、結果として体内への脂肪の沈着を防いでいる可能性があるのです。さらに、肝臓での脂肪酸の分解を促すβ酸化を促進している可能性があります。
(Huang F, et al. Pu-erh Tea Regulates Fatty Acid Metabolism in Mice Under High-Fat Diet. Front. Pharmacol. 05 Feb 2019| https://doi.org/10.3389/fpahr.2019.00063)

プーアール茶はどんなタイミングで飲むのがおすすめか

脂肪代謝を高めてくれる効果が期待できるプーアール茶ですが、食前や食事中に飲んで脂肪の吸収を抑えてくれることも期待できます。また運動の前に飲むことで、カフェインの効果もあいまってより遊離脂肪酸の燃焼を促してくれることが期待できおすすめです。カフェイン含有量が大変少ないプーアール茶もありますが、一般的にはカフェインは緑茶と同程度と考え、妊娠中の方やカフェインに弱い方は飲みすぎに注意しましょう。

まとめ

今回は緑茶、プーアール茶についてお伝えしました。
お茶にはカテキンの脂肪吸収抑制、脂肪燃焼効果をはじめ、いろいろな健康増進効果が期待できます。特にダイエットについては、適切なタイミングで適量を飲むことで、脂肪の食事からの吸収を抑える、運動を組み合わせるとさらに健康的に脂肪の代謝を上げ脂肪を燃焼してくれることなどが期待できます。またお茶で毎日のリラックスタイムを持つことも大切です。自分の好きな、自分にあったお茶をえらび、ぜひダイエットに役立ててみてくださいね。

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