
風情漂う石塀小路の一角で楽しめる、名店の味
京都の『たん熊北店』と言えば、京料理の老舗として創業より90年以上の歴史を重ねる名店。伝統の技を駆使し、四季折々の風趣を凝らして作られた逸品の数々は、日本人のみならず海外から訪れる人の心もとらえている。そんな『たん熊北店』の名物のひとつとして挙げられるのが「鯛茶漬け」と「朝粥」だ。
2018年11月に誕生した『石塀小路 朝粥と出し茶漬け専門店 KOI-KOI produced by 熊魚庵』は、その名物「鯛茶漬け」と「朝粥」に特化した専門店で、老舗の味をリーズナブルに楽しむことができる。



「茶漬けや粥と聞くと簡単なもののように聞こえますが、シンプルなようでいて和食の基本がすべて詰まっているんです」と語る。では、名店だからこそたどり着いたとも言える、究極の茶漬けの全貌に迫ってみよう。
米の甘みと白だしのうまみが相性抜群、至福の「出し茶漬け」


すべて海や山の幸、素材のおいしさが料理人の技で引き出された逸品たちだ。

食べ方は自由だが、まずは重の三段目から鯛をピックアップした「鯛茶漬け」がおすすめ。だしをかけずにごはんと一緒に食べてみると、ごま醤油をしっかりと効かせた鯛の強いうまみがしっかりと味わえる。

上品な味わいのだしに、鯛がまとったごま醤油ダレが溶け出し、そこにすべてのうまみが絡み合って深みのある味わいへと昇華する。
米の甘みはそのままに、掛け合わせるものによってさまざまな味わいを楽しめるのが醍醐味である。
また、重の二段目に並ぶ「銀鱈の味噌漬け焼き」をだしに溶かして食べるのも人気の食べ方と言う。「銀鱈の脂がほどよくだしに溶けることで、コクのある味わいになるんです」(荒木さん)
こだわり抜いた食材で、自然の味わいを感じる

これは京都丹波産のお米・キヌヒカリを、鯉を泳がせ除草する無農薬の自然農法で収穫。さらに天日干しすることで、米が養分やうまみをたっぷりと蓄えることができるという。
「かむほどに感じる強い甘さが、お茶漬けや粥にぴったりなんです」と荒木さん。

料理に使用する醤油は、明治三年創業の京都『竹岡醤油』製。原料は丹波産の大豆と国産小麦、沖縄県産の海塩のみで、二年以上の長期に渡り自然発酵させている。音の波動理論を応用し、もろみ(醤油のもとになる濾す前の発酵物)や醤油にモーツァルトの曲を聴かせて菌の活性化・発酵を促すというこだわりようだ。
「おいしさはもちろん、‟健康“もKOIKOIのもう一つのテーマ。素材そのものも一切妥協していません」と荒木さん。すべての食材から、自然本来の味を最大限感じ取ることができるのだ。
おかずや薬味を組み替えながら、味の変化を何度も楽しめる

「出し茶漬け膳」は、おひつに入ったご飯を少しずつよそいながら、好きな具材をのせたり、組み合わせを変えたり、各種薬味を使い分けながら味の変化を何度も楽しめるのも魅力。
おひつのご飯は食べきれないかと思いきや、さまざまな組み合わせを試しているうちにからっぽに。しかしながらお代わり自由と言うからうれしい限りだ。
「季節に合わせて揚げ物や吸い物の内容は変わるので、訪れるたびに味わう楽しさを感じていただきたいですね」(荒木さん)
朝の「朝粥膳」、夜の「おてがる会席」でも老舗の味を堪能!

この餡も「なめこのあん」や「きのこのあん」、「じゅんさい(※1)あん」など、季節によって異なるが、焼き魚や焚合(たきあわせ:煮物)なども付いているため、色んな組み合わせで楽しむことができる。朝から大満足の内容だ。
※1 :沼や池に自生するスイレン科の植物で、水面下にある新芽の部分を食べる。つるんとした喉越しとぷるぷるの食感を楽しめる。

オープン以来、観光客はもちろん、近隣の人も多く訪れているという同店。
「今後は、鯉恋米の販売をはじめ、お店で使用している京野菜の販売をするマルシェも展開していけたら」と荒木さんは語る。
京が誇る伝統の味を気軽に楽しめる『KOIKOI』で、自然の滋味に浸ってみては。
撮影:前田博史
【メニュー】
出し茶漬け膳 2,800円
朝粥膳 2,300円
おてがる会席 5,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。
石塀小路 朝粥と出し茶漬け専門店 KOI-KOI produced by 熊魚庵
〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町通高台寺門前下河原町463-14075-525-1379
朝8:00~10:00、昼11:30~16:00、夜18:00~20:00(夜は予約のみ)
不定休

この記事の筆者:茶野真智子(ライター)
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