2023年11月、19歳のタレント・奥森皐月さんとの結婚を発表したハライチ・岩井勇気さん。お相手との18歳という年齢差が話題を呼び、SNSでは「年の差婚」がトレンドワードになったほど。
「年の差婚って実際、どんな感じ?」
「ジェネレーションギャップはないの?」
など“年の差婚そのもの”に興味を抱いた人もいるのではないでしょうか?
前編では、結婚当初は考えられなかったお金や体力面での問題が浮き彫りになることが明らかに。続く後編では、ジェネレーションギャップや内面の変化など、年の差婚経験者の本音に迫ります。金言?それともクソバイス? 満載です。
【前編】⇒夫の耳毛に「おじいちゃん?」年の差婚の“数年後のリアル”を当事者に聞いた
「俺についてこい!」心強い半面、さみしさも
「結婚する前、同い年の彼氏と付き合っていたときは、デートするたびに『今日はなに食べたい?』『どこ行こうか?』と話し合っていました」
今年、結婚8年目を迎えた前田碧さん(30歳・専業主婦・仮名)は過去の恋愛を振り返ります。
「しかし、今年50歳になる夫は、『~~行こうぜ!』『◯◯食べようぜ』と、ぐいぐいリードするタイプ。交際時からお会計はすべて夫持ち、また旅行でも宿や航空券の段取りをすべて仕切ってくれるので、心強いものの、常に『男がリードすべき』と思っているのが伝わってきます。そんな彼の様子に、『昭和だなあ』と感じてしまうこともありますね」
今のところ碧さんも大きな不満はないそうですが、ときに一抹のさみしさを覚えることも。
「夫は食道楽で、『このワインには◯◯が合う』『この肴には日本酒なら~~がいいね』と食の知識が豊富でいろいろと勉強になるんです」
一方、碧さんは好奇心が旺盛なタイプ。
「たとえ失敗したとしても、ふたりで一緒にあれこれ試してみたい」と思うことも少なくないのだとか。
確かにたとえ失敗しても、ふたりなら笑い飛ばせることもある。けれど常に“最適解”だけ提示されると、それもそれで物足りない……これも、複雑な女心かもしれません。
「ぽっと出のアイドルでしょ?」K-POPをディスる夫

※イメージです(以下、同じ)
「昭和~平成の歌謡曲も好きですが、最近、私はK-POPにもドハマリしていて。少し前に夫の前でTWICEのダンスをふざけて踊ってみても、『ふ~ん』とスルーされて終わり。さらに夫は、『ぽっと出のアイドルなんてさぁ……』と私の好きなアイドルをちょっと小バカにしたような発言も。
これには思わずカチンときて、『これだけ世界中の人を魅了しているアイドルには、それなりの魅力があるはず!』と私もついムキになってしまい、家庭内が険悪なムードになったこともありました」
年齢なのか、もともとの性格なのか……なかなか新しいものを受け入れようとしない夫の保守的な部分が垣間みえてきた出来事だった、と碧さんは語ります。
子育てで見えてきた夫の昭和的価値観
52歳の夫を持つ石岡麻衣さん(31歳・デザイン会社勤務・仮名)も夫の言動に「昭和」を感じるひとり。
「付き合っている時には『この人は年齢よりも感覚が若い』と思っていましたが、いざ子どもが生まれると『価値観が古いかも……』と感じることが増えましたね。夫は『男は外で働き、女は家を守る』といった前時代的な性別役割分担の意識が根強いせいか、家事や子育てに対して当事者意識が薄いんです」
炊事洗濯から子どもの予防接種のスケジュール管理や公共料金の支払いといったタスクも、基本的には麻衣さんの担当です。
「最近では少しずつ夫にも、できる範囲で任せてみているものの、『こっちに丸投げしてない?』という微妙な反応が……。機嫌が悪いときには、『俺に指図するな!』と声を荒げることもありました。
私はあくまでも『タスクを振る』『依頼する』感覚でも、彼には『年下の女性(妻)からの指示・命令』に映るのかも。彼の中にある無意識の男尊女卑をうっすら感じてしまいます」
ふと思う「成長しているのは私だけ?」
以前、麻衣さんは、旧来型の価値観からなかなか抜け出さないように見える夫に対して、「なんであなたは変わらないの?」と問いかけてしまったこともあるのだとか。
「結婚した当時、夫は45歳。メンタル的にもキャリア的にも良く言えば成熟した、悪く言えば“もう成長しない”タイミングでした。一方で私は20代半ばでまだまだ精神的に未熟、仕事も駆け出し……といった時期でした」
しかし、そこから7年経った今、麻衣さんも転職や子育てと公私共に経験を重ねてきました。
「そのため夫は今でも結婚前と変わらず、自分だけが成長しているような感覚になるときがあるんですよね。もし同世代と結婚していたら……ふたりとも未熟なところから切磋琢磨して成長していくという、また違った経験ができただろうな」
そう、麻衣さんは語ります。
相手の中身は変えられない、でも行動は変えられる!
かつては「男は仕事、女は家事」といった性別役割分業の意識は、女性の中にも根強く存在していました。しかし、夫婦の7割が共働きとなった今では、たとえ昭和生まれでもジェンダー観を柔軟にアップデートしながら、仕事と家事・子育てを両立させている人も少なくありません。
「ここから先、夫の意識が変わるのかは疑問ですね。これから年の差婚をする人には『相手の価値観は根本的には変わらないと思ったほうがいい』と声を大にして言いたいですね」と麻衣さん。
とはいえ絶望ばかりしているわけではありません。
「家事の分担などルール作りをすることで、行動は変えられると思うんです。わが家も相手の価値観までは変えられなくても、話し合いでなんとか乗り越えていきたいですね」
それまで育ってきた環境も考え方も違うふたりが生活を共にする結婚生活では、どうしても考え方の違いは避けられないもの。
さらに年齢も大きく違う「年の差婚」では、そうした違いを前にしたときに「話し合えるかどうか」が、パートナーシップを続けていく上で重要になってくるのかもしれません。
<文/アケミン>
週刊SPA!をはじめエンタメからビジネスまで執筆。Twitter :@AkeMin_desu
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