今の位置(Current Position): ホームページ(HomePage) > 恋愛・結婚 >

男性として結婚後にトランスジェンダーと気づいた。妻は「納得してない」けど協力的な理

時刻(time):2023-11-27 15:39源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
私は男性と結婚したあと、自分のアイデンティティが女性ではないと気づきました。1年前から男性ホルモンによる治療をはじめ、男性と見られる生活をしています。 写真はイメージです(以下同じ) 治療に至るまでの経緯やパートナーである夫の反応をまとめたエッセイや、私と同じように結婚後に性別移行をした人に話を聞き、まとめてきました。その反響には「パート

私は男性と結婚したあと、自分のアイデンティティが女性ではないと気づきました。1年前から男性ホルモンによる治療をはじめ、男性と見られる生活をしています。

佐倉イオリ202311

写真はイメージです(以下同じ)

治療に至るまでの経緯やパートナーである夫の反応をまとめたエッセイや、私と同じように結婚後に性別移行をした人に話を聞き、まとめてきました。その反響には「パートナーが可哀想」というものが必ずありました。裏切り行為と憤るものもありました。

たしかに私がこれまで聞いてきたケースでも、家族からカミングアウトされたときに戸惑いや混乱といった反応を見せる人が多いと感じています。私のパートナーもそうでした。

ではなぜ、しんどい思いを相手に強いるかもしれないカミングアウトを、性的マイノリティたちはするのでしょうか。






カミングアウト後も関係良好


一方で、葛藤や苦しみを伴わないカミングアウトもあります。婚姻後にパートナーに性別違和をカミングアウトした人にお話をうかがうシリーズ。今回、そんなケースをうかがいました。

カミングアウトの際に何のトラブルも起きず、パートナーとは新婚当時と変わらずラブラブだというトランスジェンダー女性――夢実さん(仮名、52歳)にインタビューします。

夢実さんは4年前、当時は男性として1歳年下の女性と結婚しました。それから長い時間をかけて、自分のアイデンティティに気づいていったといいます。






コスプレは、ふたり共通の趣味


――アイデンティティが女性だと少しずつ気づいていったというのは、どういうことでしょうか。

佐倉イオリ202311
夢実:結婚自体がきっかけだったかもしれません。パートナーである妻とは、お互いにオンラインゲームが趣味で、その交流を通して知り合い、仲を深めていきました。ただゲームに興じるだけではなく、ふたりでキャラクターのコスプレも楽しんでいたんです。

最初、私は男性キャラクターだけだったんですが、次第に女性キャラクターにも扮するようになりました。そのうちに、女性の格好をすると不思議とストレスがなくなっていくことに気がついたんです。開放感というのか、スッキリする感じです。

そこから、コスチュームだけでなく、ヘアピンやメイク道具など、日常的に使えるアイテムを徐々に増やしていきました。そのころパートナーは、私のコスプレがよりかわいくできるよういろいろとアドバイスや手伝いをしてくれていたんです。

そんな彼女にも、日常的な「女装」のことは言えず、隠していました。結婚して一緒に暮らしはじめてからも、女装は隠せる範囲にとどめていました。








――「開放感」という言葉、他のトランスジェンダー女性も同じように表現されていました。その人は男性が女性の格好をする「女装」ではなく、女性として女性の格好をする「女性装」と表現されていました。夢実さんもそういった感覚だったんですか?

佐倉イオリ202311
夢実:そのときはまだ自分を男性だと思っていて、「女装」という感覚でしたね。だから、恥ずかしいことをしている気持ちがあったのかもしれません。

それに、自信もなかったんです。コスプレをはじめた当初は、体重が100キロを超えてましたし、お化粧も下手くそでしたから。

家の中でメイクや服を試すだけでした。それでも女性の格好をしていると、なぜだか「これが私」ってしっくり来るんです。

その中で、これなら大丈夫かなという格好ができると、出かけてみたくなりました。とはいえ、やっぱり誰かに見られるのは怖い。だから、深夜に出かけることにしたんです。うまく言えないんですけど……女性の格好で過ごす時間を増やすことで、本来の自分に戻っていくような感覚があったんです。






アイデンティティに気づき、「やばい」!


――でも、そのときはまだご自身のアイデンティティは男性のままだったんですよね。何か「女性なんだ」と思うきっかけがあったのでしょうか。

夢実:あるとき、男性ものの下着を身につけるのが生理的に耐えられなくなってしまったんです。女性の下着を身につけるとホッとしました。「やばい」って思いましたね。

佐倉イオリ202311
――「やばい」……それはどういう意味ですか?

夢実:こういう言い方はよくないんだけど……自分を普通の男性だと思ってたのに、ホントは女性、性的マイノリティの人になっちゃうんじゃないか、っていう意味での「やばい」です。

――なるほど。私にも似た経験があります。メディアで見るようなトランスジェンダーと自分は別ものだと、ずっと思っていました。本物の“そっち”の人と自分は違うというか。「もしかして私も“そっち”の人?」と思ったとき、「やばい」というか、これ以上進んじゃいけない、みたいな感情もわきました。そういうことですかね?

夢実:そうです、そうです。「やばい」と思いながらも、「男性じゃないかも」と気づいた途端、せきを切ったようにいろいろなことが思い出されたんです。「子どものころ、女の子とばっかり遊んでいた」とか「お母さんの化粧道具で遊んでいた」とか。

どんどん自分の性別がわからなくなって「中性」、そしていまは「女性」と思うようになりました。一人称も「俺」から「僕」、そして「私」に変わってきたんですよね。






離婚覚悟で妻にカミングアウト


――夢実さんは4年前に男性として結婚したとのことですから、自分のアイデンティティが揺らいだのは結婚“後”ですよね。

佐倉イオリ202311
夢実:そうなんです。男性じゃないと気づいてから、妻にもカミングアウトしなきゃいけないと思いました。だって、男性としての私と結婚してくれたんです。黙っているのは、その妻をだますように思えていたたまれなかった。

結婚前、私は愛知に住んでいて、結婚を機に妻の職場がある東京に越してきたんです。仕事も辞めていましたが、離婚覚悟で正直に打ち明けました。

すると、「いいんじゃない、しょうがないよ」と、拍子抜けするほどあっさり受け入れてくれました。すごく不安だったのに……肩透かしを食らった気分になりましたね。

彼女は「あなたを男性と認識して結婚したし、いまも男性として好きだ」と、納得していないし認めていないというんですけど、すごく協力的なんですよ。私は戸籍上の名前を女性的なものに変更しているのですが、これも彼女が勧めてくれました。

先日なんて、私もウェディングドレス着たいだろうって、写真スタジオを探したり、ウェディングフォトの撮影も手伝ってくれたりしたんですよ。








――それはなんともうらやましい! 私のパートナーも理解があるとよく言われますが、私が「タキシードを着たい」って言っても、彼は無視して、聞かなかったことにすると思います。それだけに「男性として好きだけど、性別移行に協力的」というのは……うーん、どういうことなんでしょうか。

佐倉イオリ202311
夢実:「もともと中性的だったし、あなたが変わるわけじゃないでしょ」と、言ってくれました。男性として好きなのは変わらないけど、女性として生きることは受け入れているって感じなんでしょうか。カミングアウトしてからは、メイクや服選びなど、話題はより女性同士でするようなものになりましたが、仲のよさはずっと変わっていませんからね。

それでも、悩むこともあります。私は、彼女が周りから「オカマと一緒にいる」と思われるのがイヤだったんです。

それだったら、レズビアンカップルに見られたいと思いました。だから、ダイエットしたりメイクの仕方や声の出し方を工夫したり、女性らしくなるよういろいろ努力しました。その一環として、ホルモン治療もはじめました。






ホルモン治療と性生活


――女性ホルモンによる治療は、特に性機能への影響が大きく、精子の生産の停止やペニスの縮小、性欲減退などの副作用があると聞いたことがあります。パートナーも夢実さん自身も抵抗はなかったんですか。

佐倉イオリ202311
夢実:愛情表現って別に性行為だけではないと思うんですよね。私たちの場合、年齢もあって性欲が下がっているのもあると思いますが、ハグやキスだけでも十分愛情を表現しあえる関係だったので、私自身その点は迷いはなかったです。パートナーも私の選択を尊重してくれました。

最近は女性ホルモンの治療のおかげで、胸が目立ってきました。50代でのホルモン治療なので胸がふくらむか少し不安でしたが、より女性らしい姿になれてうれしいかぎりです。

カミングアウトしてからは、まるで女友だちのような、より親密な信頼関係を結べているように感じます。一緒に女性ものの服を買いに行っては、「夢実に似合いそう」と勧めてくれたりするんです。私も、女性として、彼女と同じ目線で歩んでいる感覚があります。

いまの私は、だいぶ“おばちゃん”に見られるようになりましたが、ときには男性に見られることもあります。そんなときは、彼女が私以上に怒ってくれるんです。私からすれば自分の努力がまだまだ足りないだけなんですけど、そうやって怒ってくれるのはやっぱりうれしいものです。






配偶者の女性化、妻の本音は?


――素敵ですね。でもパートナーの方は、男性だと思っていた配偶者が女性化していくことに、本当に戸惑いはないのでしょうか。

夢実:そこは私も不安で何度か聞いたことがあります。本人は「男性として私のことを好きになったし、いまも変わらない」って言います。








――うーん、なんとも複雑ですね。夢実さんのことを肯定しながらも、ご自身の感覚も大切にできる……。なんというか、対立しそうなこともそのまま受け入れられておられますよね。それってすごく大人というか、成熟した人間関係を築ける方なんだと感じました。






パートナーへの想いと性別違和の狭間で


家族でも職場でも、人間関係は必ずしもすべて納得できることばかりではないと思います。「自分と相手は違う人間」と認めるのは、結構むずかしいこと。言葉にすると当たり前のことではありますが。今回うかがったお話に登場するパートナーさんの距離のとり方は、相手とのちょうどよい距離感を探れる感じがして、見習いたいです。

佐倉イオリ202311
トランスジェンダーや、ノンバイナリーの人に話しを聞くと、「カミングアウトしないことは相手を騙しているようだ」と多くの人が語ります。

一度自分のアイデンティティに気づいてしまうと、周りを巻き込んでしまうとわかっていても、性別移行にブレーキはかけにくいものです。そうなると、元のままの生活ができないのは、ともに暮らすパートナーも同様です。だからこそ、何も言わないまま、そんな状況にパートナーを巻き込むのは「騙している」ように感じるのだと思います。






トランスジェンダーのリアルな生活


夢実さんが「離婚覚悟」でカミングアウトしたのは、まさに「変わりゆく自分に無理につき合わなくていい、イヤなら別れていいんだ」という選択肢を、相手に提示したのでしょう。

佐倉イオリ202311
2023年は「トランスジェンダー」を報道で見聞きする1年でした。しかし一体どれだけの人が「トランスジェンダー」を実生活で見たことがあるのでしょうか。私はいま都内のスタバでこのコラムを書いていますが、周りの人は私を性的マイノリティ当事者とは思わないはずです。

実態が見えづらく、想像で語られることの多い「トランスジェンダー」。その声をこれからも聞きつづけていきます。

【佐倉イオリ】
1983年生まれ。幼稚園の頃には「女じゃない」という自覚がありがならも男性が恋愛対象だったことや「他の女の人も皆我慢しているのだろう」と考えたため、女性らしくなろうと試行錯誤。「女性らしくなりたい」「男性に見られたい」と揺らぎながら30歳で男性と結婚。30歳を過ぎてその葛藤が「普遍的な女性の悩み」ではないと気づき始めた。宣伝会議の「編集・ライター養成講座」41期生として執筆した卒業制作で、最優秀賞を獲得 twitter:@sakura_iori3

<文/佐倉イオリ>




(エディタ(Editor):dutyadmin)
    顶一下
    (0)
    0%
    踩一下
    (0)
    0%
    ------分隔线----------------------------
    コメント(comments)
    Please observe the policies and regulations of the Internet.

    コメント(comment):
    気持(Expression):
    ユーザ:パスワード:
    認証コード:点击我更换图片

    最新コメント コメント詳細画面へ>>
    ランキング(Ranking)