マッチングアプリはあくまでパートナーを見つける選択肢。

しかし結婚は、家族同士のつながりです。合う合わないがあり、2人を悩ませる原因になることも。今回は結婚後、義実家と絶縁したおふたりのお話。


マッチングアプリで出会い、結婚した高田美穂さん（仮名・28歳）と翔さん（仮名・29歳）。

お付き合いは順調で、結婚を視野に入れ、両家にも話をし、このままうまくやっていけるんだろうと思っていたふたり。

しかし、翔さんの実家に結婚の挨拶に行った日、思わぬ方向へと進んでしまったそうです。


「まあ、そもそも、マッチングアプリで出会ったことも気に食わない、義姉が結婚していないからお前たちの結婚式はするな、嫁は私の言うことだけを聞け…。言い出したらキリがないけどそんな感じですかね」

とにかく罵倒の言葉を浴びせられた美穂さん。気にしない性格なのもあり、泣いたりショックを受けるというよりも「ほんとにいるんだなあって思いました（笑）」と話す様子から、相当な態度だったことが伺えます。

お相手の翔さんも見たことのない母親だったとか。

「姉を大事にしている気はしてたんですけど、同性だし仲が良いんだと思ってて。別に差別されて育てられた感覚もなかったので」

一方的に義母が喚いた上「帰れ」と言われ、そのまま帰ったというふたり。後日、話し合い入籍をしました。報告はすでに離婚していた義父、義姉にメールをしました。

結婚してから数ヶ月後、義姉や義父と会う機会があり、食事をすることに。

「私たちは、義姉も義母と同じ意見だと思ってたんです。顔合わせの時も義姉さんはお仕事でいなくて、彼もそこまで頻繁に連絡を取らなかったので」

母と同じなら、会うのもこれが最後、と覚悟していた2人、しかし聞いた本音は全く違うものだったという。

「義姉さんは”私たちが勝手に気を遣っている”と思っていたらしいんです」

翔さんのお母さんは、翔さんと美穂さんが気を遣って結婚式を挙げない、挨拶後の接触もしないんだと伝えていたのだとか。

「義姉さん、結構バリキャリ系というか仕事がすごく好きな人みたいで。義母的にはそれも気に入らなかったんだと思います。息子は結婚したのに、女である義姉さんが結婚していないなんて。みたいな」

どこかのスレッドや掲示板、SNSなどにありそうな話ですが、2023年現在から数えても数年しか違わない現代で起きていることに驚くような内容。

「義姉さん自身も、いつ結婚するのか、いつ孫が抱けるのか、なぜ仕事なんてしているんだってずっと言われていて、離れてからも定期的に来る電話はそんな感じが続いているらしいです」

今では、義姉・義父とは適度な距離感で接しているそうです。


「実は来春、出産予定なんです。」膨らんだお腹を撫でながら話す美穂さんは、とても嬉しそうです。傍にいる翔さんも。

「子供が生まれる、ってなったら余計気になりますよね（笑）あの人がおばあちゃんでいいのかって」翔さんは、今後も会う予定はないと言います。

「もともとは私から離すようにしてくれた訳ですけど、今では旦那が不快感を表に出せるようになったので、気が楽ですね。義父さん・義姉さんはいい人なんですけど…」

「いまどき、マッチングアプリで会うのって普通だし、別に誰も気にしないですよね。僕らの周りにもいるし。兄弟の順番だって関係ない。うちは名家でもないし引き継ぐ何かだってない。だから、母が何に囚われてそんなことを言うのかわかりませんし、わかるつもりもないですが、次会うのはお葬式かなって」

美穂さんよりも決意が固い翔さん。義姉や義父にも、そう伝えているのだとか。

出会いの選択肢が広がったことで出会えた2人、義母や自分達への悪意などからうまく距離をとりつつ無事お子さんが生まれることを願うばかりです。

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＜文／mayan＞