FODで絶賛配信中のオリジナルドラマ『憑きそい』(主演・山田真歩)がフジテレビで25時25分から地上波(関東ローカル)にて毎週水曜日深夜放送中。女子SPA!では原作者の山森めぐみさんに話を伺いました。(初公開日2022年2月3日 情報は取材当時)
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2022年2月2日に自身初のホラーコミック『憑きそい』(扶桑社)を上梓した山森めぐみさん(@aneeejya)。身の回りで実際に起きた出来事を元にした書き下ろし作品が収録されています。
愛媛県在住の2児のママでもある山森さんは、2016年ごろからインスタグラムやブログで日常生活や食べ物をテーマにしたエッセイ漫画を投稿し、現在は7万人以上のフォロワーのいる人気イラストレーターとして活躍しています。
本記事では、『憑きそい』に収録される「黒い服の人」の前半部分を公開(後編も近日公開)。さらに山森さんが「怖い漫画」を描き始めたきっかけや、身の回りで起こる不思議な現象について聞きました。
「黒い服の人」・前半







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実体験の生々しさをそのままに

『憑きそい』(扶桑社)
山森めぐみさん(以下、山森):私や、旦那や妹(※双子の妹の大盛のぞみさん・漫画家・イラストレーターとして活躍)など私の身の回りの人から直接見聞きした出来事を描いています。「階段」というお話し以外はすべて書き下ろしました。
――文字がすべて手書きになっているので、より生々しい感じがしますね。
山森:インスタグラムに最初にアップした漫画が鉛筆書きだったんです。読者に「文字を含めて怖い」と言っていただくことが多かったので、「そのときの雰囲気をそのまま本に移せるようにしたいな」と思って手書き文字にさせてもらいました。
大人になっても「見える」
――山森さんは昔から霊的なものが見えたり、不思議な体験をすることが多かったのですか?
山森:子どもの頃の方が繊細に感じ取っていたのか、そういうものを見る頻度が高かった気がします。でも大人になってからも「見える」こと自体は変わらないです。
でも私は「霊能者」を職業にしている訳ではないので、そう思われると困ってしまうんです。今はお仕事としてイラストレーターともう1つ四柱推命による占い鑑定をしています。その占いも霊視ありきの鑑定ではないので、基本的にはお客様に霊的なことについて話すことはありません。そういう話しが好きそうな方にはお話しするくらいですね。
本当に「幽霊が見える」ことをお仕事にしている方とは趣が違って、私の霊に対するスタンスは「見えたね、怖いね」というだけでもうちょっと大雑把な感じなんです(笑)。
――ちなみにどうやったら山森さんの占いを受けられるのですか?
山森:もともとあまり大々的にはやっていなかったのですが、ある方を鑑定したらその知り合いの芸能人の方を紹介してもらって、そこからテレフォンショッキングのように紹介だけで予約が埋まるようになってしまいました。でも最近は占いを仕事にしていることを公にしているので、近いうちにちゃんとした予約システムを作ろうと思っています。
インスタグラム初投稿で「怖過ぎる!」の声殺到

※画像はイメージです
山森:もともとは日常的なことを中心にエッセイ漫画をインスタグラムに投稿していたんです。ある日、「そういえばこんなことがあったな」と思い出して、「小学生時代に夜中に目を覚ますと足元の布団の上に”猫みたいな顔をした男”がいた」という体験を漫画にして投稿しました。すると思いのほか「怖過ぎる!」と反響が一気に寄せられたんです。
良い反応も悪い反応の両方があって、怖過ぎて具合が悪くなる人や影響を受けやすい人がいることが意外に多いことが分かりました。それで日常系の漫画と怖い漫画のアカウントを分け、怖い漫画のほうは鍵アカウントにしたんです。
――たった一話でそこまで大きな反応があったんですね。
山森:「怖い話って意外に需要があるんだな」と気づいたのもこのときでした。今までは「ヤバイ人」だと思われると困るので、怖い体験をなるべく人に話さないようにしていたんです。
でも自分の中では「王様の耳はロバの耳」みたいに、どこかに吐き出せる場所がほしいという気持ちもあり、「描いてみるか」と思って始めたのがきっかけです。
旦那は毎回爆笑しています(笑)
――山森さんはホラー漫画を読むことは好きだったのでしょうか?
山森:私は怖がりなので怖い話が好きじゃないんです。子どもの頃は犬木加奈子さんや伊藤潤二さんのホラー漫画を読んでいましたが、大人になってからは怖い本は全然読んでいないです。
――他のお仕事や育児もある中で、怖い漫画はいつ描いているのですか?
山森:子ども達は私のホラー漫画を怖がってはいないのですが、描いている場面によっては「子どもの心に刺さるとよくないな」と思うので、夜中に起きて描くようにしています。昼は通常のイラストを描くようにして時間帯を分けています。
――旦那さんの反応はいかがですか?
山森:毎回旦那にも読んでもらうんですが、全然怖がってなくて毎回爆笑しています。私は怖がらせるつもりで描いているんですけど。この本の「行き止まり」という話で描いたんですが、旦那も一昨年の夏にすごく怖い出来事に遭遇したんです。それでもまだ霊の存在を信じていません(笑)。
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
