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「子供をペット扱いしてかわいそう」なんて言わせない!子供を守る“命綱”広めたい漫画

時刻(time):2023-08-05 16:50源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
こんな子供用ハーネスがほしい! 漫画家の西野みや子さんがTwitterで提案した、「 極限まで命綱感を高めたハーネス考えてみた!! 」というイラスト。この投稿には2万いいねがつき、商品化を切望する声が多く集まりました。 画像:西野みや子さんのTwitterより(2021年11月2日) 「子供用ハーネス」とは別名「迷子紐」とも呼ばれ、子供の安全な外出を叶えるためのアイテム。

こんな子供用ハーネスがほしい! 漫画家の西野みや子さんがTwitterで提案した、「極限まで命綱感を高めたハーネス考えてみた!!」というイラスト。この投稿には2万いいねがつき、商品化を切望する声が多く集まりました。

西野みや子さんのTwitterより

画像:西野みや子さんのTwitterより(2021年11月2日)

「子供用ハーネス」とは別名「迷子紐」とも呼ばれ、子供の安全な外出を叶えるためのアイテム。子供が身につけるベストやリュックにつけた紐を、保護者が持つようになっています。

この子供用ハーネスの使用をめぐっては「急な飛び出しを防止できる」など重宝している保護者も多い一方で、「子供がペットみたいでかわいそう」「子供をアクセサリーにしている」といった意見も出て、たびたび物議をかもしています。

子供の安全をもっと堂々と守りたい。ハーネスを必要とするママたちの声を受け、西野さんは考案したハーネスをクラウドファンディングで商品化すべく動き出しました。

【第1回記事】⇒子供をつなぐ“ひも”を「かわいそう」って言わないで!ついに“誰にも文句を言わせないデザイン”登場
【第2回記事】⇒親子をつなぐ“迷子ひも”を「ペットみたいでかわいそう」の偏見から守る!子供が喜ぶ驚きのデザイン、考案者を取材






親たちの声、登山アイテムにもヒントをもらいブラッシュアップ


――クラウドファンディングのプロジェクトをすすめる中で、商品を改善した箇所などはありますか。

西野みや子さん(以下、西野)「山登りをされる方から、登山用ロープにはバックルがついているという話を聞き、ハーネスの持ち手側にバックルをつけました。バックルをつけることでハーネスをママ・パパの手首やベルトに通せます。また、荷物を持ったままでもハーネスの着脱ができるようにしました」

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」(画像:ヴィレッジヴァンガードオンラインストアより)

――使う大人もうれしい機能ですね。

西野「安全性にもこだわっています。子供にぶつかる恐れがあるリュックやハーネスの部品には、軽いプラスチック製のものを使用しています。リュックとハーネスを繋げる部分は安全のため、耐久性のある金属を使っています」

――リュックに外ポケットもついているので、子供が好きなおもちゃやお菓子も入れられておでかけも楽しくなりますね。

西野「はい。機能でも子供たちが喜ぶ工夫を入れています。みなさんの思いをギュッとつめた商品のサンプルが完成して、ようやくクラウドファンディングでの募集を開始しました」






クラウドファンディング開始30分後、驚きの連絡が


西野「目標金額は60万円でした。私自身、このプロジェクトにかなりの時間を費やしましたし、どうすればみなさんが使いたいものが実現できるか? と考えに考えました。

一方でたくさんの方に応援していただいたこともあり、クラウドファンディングの目標金額が達成できなかったら……と思うと怖くて胃が痛む日が続きました」

――結果はどうなったのですか?

西野「デザインや機能には自信がありましたが、クラウドファンディングを開始しても怖くて集まった金額をリアルタイムで見られなかったんです。でも開始して30分後にCAMPFIREの担当者さんから連絡があって『目標金額を達成しました!』と聞きました。『嘘でしょ!?』と信じられない気持ちと、安心した気持ちを覚えています」

 CAMPFIRE「子どもの安全第一ハーネスプロジェクト」

画像: CAMPFIRE「子どもの安全第一ハーネスプロジェクト」より

※最終的には支援者762人の支援により615万1955円の資金を集め、目標金額の10倍を上回る結果となりました。現在は募集を終了しています。














まずは子供用ハーネスの存在を広く知ってもらいたかった


――30分で目標達成はすごいですね!

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」(画像:ヴィレッジヴァンガードオンラインストアより)

西野「クラウドファンディングをすることで話題になれば、目標が達成しなくても『知ってもらう』という目標は達成すると思っていました。というのも子供用ハーネスに賛否があるのも、子供用ハーネスの存在自体がメジャーじゃないためだと考えていたからです。まずは子供用ハーネスがあるよ、そのクラウドファンディングをやってるよということで話題になれば子供用ハーネスのことも多くの方に知ってもらえます。

でも、クラウドファンディングが達成したことで、実際に商品として使ってもらえることにもなりました。商品として世に出ることで、さらにハーネスの認知が広がる! と思いました





使っていたら「たしかに危ないもんね」と話しかけられた


――実際に商品化されて、『【子供の安全第一】ハーネスリュック』を使用した方の反響はいかがですか?

西野「この商品を使用して散歩をしていたら『たしかに危ないもんね』と話しかけられたという声を聞きました。子供用ハーネスの存在が、なぜハーネスをつけるのかという意味と一緒に伝わっていてうれしいです。私もこのハーネスをつけて息子を散歩させていたら、『こんなものあるんだね』とにこにこと話しかけられました。他にも、使って良かったというポジティブな声をたくさんいただきました

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」(画像:ヴィレッジヴァンガードオンラインストアより)

――クラウドファンディングで目標を達成して、話題になってよかったですね!

西野子供の安全のためにハーネスを使っているのに、悲しい言葉をかけられる。まわりの目を気にして、ハーネスが使えずヘトヘトな状態で子供の散歩をしている。そんなママたちの声をなくしたい、この使命感だけで商品化までたどりつきました」












これ以外の子供用ハーネスも、堂々と使える社会にしたい


――今後の目標などありますか?

西野「最終的な私の目標は、『【子供の安全第一】ハーネスリュック』じゃなくても堂々と子供用ハーネスが使えるようになることです。もっともっと『子供用のハーネスは必要なもの』と多くの方に認識されれば、いろんなデザインのリュックが出てくると思います。デザインも値段も自分で選んで堂々と使用できれば、『【子供の安全第一】ハーネスリュック』じゃないものを使ってもらっても全くかまわないんです」

子供用ハーネス

子供用ハーネスには様々なデザインがあります(写真はイメージです)

――使う人が増えれば子供用ハーネスの種類ももっと増えそうですね。

西野「はい。【子供の安全第一】ハーネスリュックは一般的な子供用ハーネスより『価格が高い』と感じる方もいらっしゃるかもしれません。というのも、子供が使うものなので安全性や耐久性のある生地やデザインにとことんこだわっているため、デザインや形をいちからオーダーして作っていて、大量生産ができないからです。

でも、世の中には【子供の安全第一】ハーネスリュック以外にも、お手頃価格でかわいい子供用ハーネスがたくさんあります。ぜひ探してもらえればと思います」






まずはハーネスを使う・使わない論争に終止符を打ちたかった


――子供用ハーネスを知っている人が増えれば、子供用ハーネスの種類も増えそうですね。

西野「【子供の安全第一】ハーネスリュックを使ってもらうことが私の目的ではありません。ハーネスを使っていても文句を言われない社会であれば、どんなデザインのハーネスを使っていても問題がないはずです。みなさんが自由にハーネスを選べる社会になるのが私の夢です

そのためにもハーネスを使う・使わない論争にまずは終止符を打ちたかった。まわりがなんと言おうと、安全対策は親の愛情です。堂々と愛情の証であるハーネスを使ってもらいたいと思います」

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『【子供の安全第一】ハーネスリュック』はヴィレッジヴァンガードのオンラインサイトで現在売り切れ中。受注生産を受けて、受付告知・生産を随時おこなっていく予定とのことです。

たとえ第三者が心ない言葉を投げかけてこようとも、子供の安全を守れるのは親だけです。ハーネスで子供の安全をもっと堂々と守れる日が、一日も早く早く来ることを祈るばかりです。

【第1回記事】⇒子供をつなぐ“ひも”を「かわいそう」って言わないで!ついに“誰にも文句を言わせないデザイン”登場
【第2回記事】⇒親子をつなぐ“迷子ひも”を「ペットみたいでかわいそう」の偏見から守る!子供が喜ぶ驚きのデザイン、考案者を取材

【西野みや子】
漫画家。3歳の息子を育てる母。元教員・元漫画背景アシスタント。自身のエッセイ漫画やレポ漫画、育児漫画をSNSやnoteで公開中。Twitter:@miyakokko61、Instagram:@miyakokko61

<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB




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