夏バテをしたり、たくさん汗をかいたりすることで痩せたと誤解してしまいそうな夏。実は、冬よりも太りやすいため注意が必要です。暑い時期についやりがちな「夏太りを招きやすい食習慣」と「夏太りを防ぐためのポイント」について紹介します。
なぜ夏は太りやすい?
汗をかく機会の多い夏は、少し動いただけでも身体が熱くなり、それだけでもダイエットになるのでは?と期待しがち。しかし実際は、夏よりも基礎代謝が上がる冬の方が痩せやすいといわれています。
外の気温が下がって体が冷えると、内臓の機能を保つために体は熱を作り出します。これによりカロリーを消費するため、食べる量は同じでも冬の方が痩せやすいのです。汗をたくさんかく夏は、運動しているかのように錯覚してしまいがちですが、基礎代謝の観点で見てみるとそうでもありません。
夏にやりがちな「太りやすい食習慣」
基礎代謝の観点から考えると、夏は冬に比べて太りやすいといえます。では、食事の観点から考えるとどうでしょうか。夏バテによる食欲不振から体重が落ちることも考えられそう(不健康なため推奨はできません)な季節ですが、そんな時期でも太る原因となる食習慣があります。
季節を問わずいえることですが、食事をしてから寝るまでの時間が短いと、カロリーを十分に消費できないまま眠ることになり、肥満の原因になります。時間が遅くなってしまったときには、食事を軽めにするなどの工夫が必要です。また、食後、眠るまでには、3時間程度時間を空けることがすすめられています。
夏は冬よりも基礎代謝が低いので、同じ食事をしていると少しずつ体重が増えていくことが考えられます。夏は基礎代謝が低下することを意識して食事を選んだり、量を調整したりするとよいでしょう。
夏は暑さもあり、のど越しの良い麺類を選ぶことが多くなりがち。麺類ばかり食べていると、栄養バランスが炭水化物に偏ってしまいます。たんぱく質の取れる食材や、野菜類を合わせて取るとよいでしょう。
夏太りを防ぐための3つのポイント
夏太りを防ぐために、食事で意識すべきポイントを紹介します。
揚げ物や炒め物などのハイカロリーな食事ばかりを取っていると太りやすくなります。また、暑さによる疲れから、アイスクリームなどの甘いスイーツを食べすぎてしまうこともあるかと思いますが、これも夏太りの原因に。どの料理がどのくらいのカロリーを持つのかを理解して、食事の選択に注意をしましょう。
濃い味付けは食欲を亢進(こうしん)させてしまうことがあります。また、塩分のとりすぎで体内の水分量が増えて体重が増えてしまうことも。加工品や外食ばかりに頼らず、味付けの調節がしやすい自炊も適度に行いましょう。
暑いときにはビールなどのお酒を飲みたくなることがあるかもしれません。お酒は肝臓に負担をかけますし、体がむくみやすいので注意が必要です。また、飲み過ぎて二日酔いになると行動も鈍くなります。可能な範囲でアルコールの摂取は控えた方がよいでしょう。
夏太りを防ぐためにまず重要なのは、夏は冬よりも太りやすいと理解することです。知っているだけでも食事の仕方や選ぶ食事に気を付けるようになり、カロリーの取り過ぎを防ぐことができます。自分の食生活を見直しつつ、適度に運動をとり入れながら健やかな生活を送りましょう。
管理栄養士として2つの病院で栄養指導や給食管理に従事したあと、フリーランスとして活動。サイト監修や執筆活動、健康講座の開催のほか、短期大学での指導も行っている。All About 食事ダイエットガイド。
執筆者:片村 優美(管理栄養士)