時間がなくても大丈夫。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
みなさま、毎日の育児お疲れ様です。子どもに料理を教えたいけれど、何からはじめたらいいかわからない、自分が得意ではないので負担に感じる、時間に余裕がないと感じているママやパパは少なくないでしょう。
確かに家事や仕事、習い事サポート、勉強まで関わるとなると、「そんな時間あるわけないよ!」と言いたくなる気持ちは理解できます。でももし、家庭での料理がものすごく簡単で、習い事や勉強以上の学びがあるとすれば、どうでしょうか?
私は小学2年生の男の子を育てながら、日々の食育や教育方法を研究しています。これまでにも料理のチカラについて育児・教育の観点からリアル事例をお話ししています。
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“勉強漬け”より真の知性を養うのは?
今回はもっと敷居を低くして、5~10分でできてしまう料理法のポイントと、そこから養える知的能力について、我が家での経験・実感をベースにご紹介してみたいと思います。
ある有名塾の先生が、「(低学年のときはなおさらだけれども)子どもに長時間勉強ばかりさせないで、季節を感じたり、家事を手伝う時間を大切にすることこそが真の知性を養う結果につながります」と言っていました。
私も強く共感してさまざまな料理を実践していますので、ここでは厳選して3ケースをご紹介してみようと思います。
①好きなメニューの“仕上げ”だけを任せる
【向上が期待できる能力】好きを深めていく能力、得意意識、主体性
はじめにオススメしたいのが、子どもの大好きなメニューを決めて、その仕上げを任せるというもの。
我が子はラーメンが大好きなので、最後のトッピングを担当してもらっています。
好きなものを作ったり、関わったりする時間は子どもにとって苦ではありませんから、その利点を生かしながら難しくないところだけを体験させる。そうすることで、子どもに精神的余裕と楽しみが生まれ、無理なくやる気が高められるようになります。
将来を見据え、自分の好きな世界を見つけて、深めていくことが大事だと言われる時代。その一つの有力な手法として、大好きなメニューでシミュレーションすることができるのです。
もしトッピング作業がまだ不安という子どもには、ラーメンに乗せる「ゆで卵」の殻をむくだけでも。もくもくと殻をむくことで、集中力を鍛えることができます。
②「魚のごった煮」を作ってみる
【向上が期待できる能力】食材への知的好奇心、常識にとらわれない発想力
続いては、魚料理。煮魚といえば、1種類の魚を煮付けることが固定概念のように思われがちですが、ある有名スーパーにも同様の総菜「魚のごった煮」があるほど、おいしさが保証されているメニューでもあるのです。
10分で何ができるの? と首をかしげる方がいてもおかしくはありません。私が実践しているのは、複数種類の魚を組み合わせて煮つけを作ること。味付けに自信がない場合は市販の煮魚タレを活用すればOKです。
フライパンに煮汁、生姜、ネギ、魚のアラを組み合わせて火にかけましょう。煮汁が沸騰してきたら、中火に落としてフタをして10分程度煮ていけば完成です。
ここで我が子は、驚きの行動に出ました。それは味付けの時に、「おいしくなるだろう」と予想を立てて、白こしょうを加えたのです。
ここで絶対にやってはいけないことは、子どものアイデアをむやみに否定したり叱ったりすること。
子どもの感性や発想力を大切に温められるよう、最大限の敬意を払いましょう。
たとえ失敗したとしても、臆せずに新しいことを生みだす力を育むことができます。ちなみに白こしょうは結果として大成功。喜びが膨らんで自信につながる経験を積むことができます。
③「簡単パフェ」を作ってみる
【向上が期待できる能力】料理の楽しさに自ら気がつく、完成イメージを頭の中に描く力(空間認識力)
最後にご紹介するのは、①と同様に子どもが大好きなメニューを決めて、なるべくスタートからやってみるということ。
我が家でよく実践しているのが、ヨーグルト、シリアル、果物を合わせるパフェ作りです。完成形をイメージしやすいので、安心して取り組むことができますし、食材準備さえしてしまえば子どもにほぼ全工程を任せることができます。もちろん、包丁などの高度なテクニックを要することはありません。
我が家では会話に広がりを持たせるために、どんなヨーグルトが良いのか? を一緒に考えて、ギリシャヨーグルトを採用することに決めました。このように一緒に考える取り組みを続けていると、食材や栄養に対する興味が自然と芽生え、親の私にどんどん質問をするようになります。
万が一答えられない場合は携帯やPCなどで調べればOK。子どもはもちろんのこと、親が知らないことは一緒に調べればよいのです。この素直な姿勢こそが、一生忘れない教育につながることを確信しています。
さあ、いかがでしたか? 難しい工程はまったくありません。もっとも大事なのは、親が教えてあげるのではなく、同じ目線を持って一緒に楽しむこと。
料理をしない方でも、今日からはじめられることをひとつでも見つけて、時間を決めてチャレンジしてみてくださいね!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)






