筋トレやランニングなどの運動時、皆さんはどのようなTシャツを着ているでしょうか。Tシャツにはさまざまな素材が使用されており、それぞれに特徴が異なります。そこで今回は、快適なスポーツライフのために覚えておきたい、Tシャツの素材と特徴についてまとめました。
スポーツTシャツの多くはポリエステル素材
普段からスポーツをされていて、専用のTシャツを持っている方は、シャツの裏地にあるタグを確認してみましょう。多くの商品が『ポリエステル100%』と表示されているはずです。筆者も多くのスポーツシャツ(ランニング用がほとんど)を所有していますが、その半分以上が『ポリエステル100%』でした。
中には『ポリエステル80%、ポリウレタン20%』『ポリエステル92%、ポリウレタン8%』というシャツもありましたが、そのほとんどの割合をポリエステルという素材が占めているのです。このポリエステル、一体どんな素材なのでしょうか。

実はポリエステルは日本でもっとも多く生産されている“化学繊維”(人造的に作られた繊維のこと)で、ナイロンやアクリルと並ぶ三大合成繊維のひとつ。スポーツにおいてはTシャツ以外に、ユニフォームやスパッツ、ジャージなどにも使用されています。このことから、非常に有能な繊維だということが分かるでしょう。
特徴としては以下の要素が挙げられます。
水に濡れても強度が変わらない 熱に強い 摩耗しない しわになりにくい 日光による変色がない 洗濯しても伸び縮みしない 型崩れしないそのほかの繊維はどんなときに使われる?
スポーツ用に作られたTシャツの多くが、ポリエステル素材なのはわかりました。しかし必ずしも、スポーツ用Tシャツを着て運動をしているというわけではないでしょう。そこで、ほかにどのような繊維があるのか、また、どのような特徴があるのかをまとめてみました。

吸水性、吸湿性は高いものの、運動によって出た汗を乾かすことができないのが難点。特に夏場は汗を大量に放出するので、綿100%のシャツで運動をすると、雑巾を絞るかのように汗を含んでしまいます。
レーヨン木材パルプが主原料。綿と同じく吸水性、吸湿性が高く、さらに濡れると強度が著しく落ちるという性質があります。摩擦にも弱いため、スポーツにはあまり向かない素材かもしれません。
ウール秋冬モノのアンダーウェアに使用されることが多く、保温効果が高い素材。吸湿性、撥水性が高いという一面も。近年はウールを使用したスポーツウェアも増えています。
合成繊維系 ナイロン弾力性に富み、しわになりにくくて速乾性が高い。スポーツウェアだとスキーウェア、ウィンドブレーカーなどに多く使用されており、軽量なのも評価できます。ただし、日光によって黄変する弱点もあるので、野外で着用することが多いスポーツウェアとしては不向きかもしれません。
アクリルウールを目標にした合成繊維。保温性が高いため、セーターなどの冬用衣料に多く使用されています。スポーツ用のTシャツなどには、あまり使用されません。
ポリウレタン伸縮性に優れた繊維で、水着や陸上ウェアなどに使われます。軽量ですが摩擦に弱く、紫外線の影響で黄変することもあるので注意が必要です。
スポーツTシャツに多く使われる素材は「ポリエステル」
ウェアに使用される繊維には、さまざまな種類があります。中でもスポーツTシャツにポリエステルが多く含まれるのは、それだけスポーツに適しているからだということなのでしょう。
また、冬場はポリエステル100%のシャツだけだと保温性がないので、暖かい素材のアウターが必要になってきます。普段着で着るような綿のTシャツでスポーツを行われている方は、これを機にスポーツ用のシャツを使ってみてはいかがでしょうか。
<Text:松永貴允/Photo: Getty Images>