パリで3人の子育てに奮闘する中村江里子さん。発信するオフィシャルブログは月間500万PV、インスタグラムのフォロワー数は20万人を超えました。洗練されたライフスタイルと、華やかな交友関係も目を引きますが、何より、堅実で穏やかなその日常に気持ちを寄せる読者も多いようです。
そんな中村さんが気心の知れた少人数のスタッフと大切に作りつづけてきたパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』は創刊9年目。最新号の特集は「パリ暮らし22年! 私の愛するお店たち!」。中村さんとご家族が通い続ける大好きなお店が紹介されています。

「ショッピング」、「グルメショップ」、「レストラン」の3つのカテゴリーからなるお店は、すべて中村さんのセレクトとのこと。戸外へと目を向ける人が少しずつ増えてきたいま、気になる特集です。ただ、雑誌やガイドブックで紹介されるパリ案内とは一味違うような……。そこで、中村さんに詳しいお話をうかがってみることにしました。
忖度ナシ、しがらみナシ、すべて本気で「推し」のお店!

二つ星のシェフの味が求めやすい価格で、自宅で楽しめるテイクアウト店「マム」⇒オーナーはパリを代表する女性シェフ、ステファニー・ル・ケレックさん。前菜、メイン、デザートまで一流の味を手軽に味わうことができる。店内には、おみやげにもよさそうなおいしそうなスナック類や調味料、お茶なども並ぶ
「はい。本誌の中でも書きましたが、今回の特集についてスタッフと打ち合わせをした際に、『“江里子さんのパリガイド”はどうでしょうか』という話になりました。その瞬間から『それなら、あそこが素敵、ここもおしゃれ。あのお店はいついただいても間違いなくおいしい!』と私の頭の中を大好きなお店がかけめぐり、たちまちのうちにリストが完成していたんです(笑)」
──そうでしたか。以前、中村さんは何冊かパリのガイドブックのような単行本も出していらっしゃいましたが、今回のように行きつけのお店を紹介されるのは久しぶりですね。つねに新しいお店を開拓なさっているのですか?
「いえいえ、とんでもない。基本、私は出不精です(笑)。ただ、子どもたちの成長とともに(※編集部注:長女のナツエちゃんは大学1年生!)、家族で出掛けるお店も子どもたちの好みに合わせて買い出しに行くお店も変化しています。夫のバルトさんの仕事も新しい展開を見せたりと、環境が変わっていく中で出合ったり、夫が見つけてきたりしたお店もあります。ですから、最新アドレスとか世の中の流行とは関係なく、まったくの独断(笑)。けれども、私や家族が大好きでいつも通っているお店ばかりです。知人を招いたディナーで、こっそりラクして、お客さまにおいしいといっていただけるようなテイクアウトのお店とか……(笑)」
編集者も慌てるほどの出し惜しみナシ

中村さんが南仏の家用にと大量注文した食器「メゾン・デュ・モンド」⇒手ごろな値段でパリのセンスを感じるかわいい食器が見つかるお店。こちらはミツバチの模様が浮き彫りになったガラス器シリーズ「Abeille」。ゴブレットは約5€、ワイングラスは約6€(1€=150.18円/2023年4月29日現在)

厚手で食洗機にも気兼ねなくかけられるが、フレンチタッチの繊細な模様が施されていておしゃれ。「Bourgeoisie」のシリーズは「M」模様が目印。カップ &ソーサーは 約7€から。大ぶりマグカップは約8€。奥のサラダボウルは約5€(1€=150.18円/2023年4月29日現在)
「はい、手ごろな価格で丈夫でかわいい食器が見つかるお気に入りの食器屋さんなど、あまりにも正直に行きつけのお店をすべて出したので、特集を提案した編集の方が逆に驚かれて、『いいんですか? 少し出し惜しんだほうがいいのでは(笑)』と。でも、いいんです! だって、大好きなお店をみなさまに知っていただけたらうれしいですし、好きになっていただけたら、なおうれしいですから(笑)!! といっても、好みは人それぞれ。ですから、読者のみなさまには、興味を持っていただいたお店を訪れていただければ……と思います。シェフは天才と思うビストロや2時間で売り切れる日もある行列のできるパン屋さん、こだわりのチーズ屋さんなどなど、出し切りました(笑)」
白1色のシャツのお店と一生モノの靴のお店
──中村さんというと、食事は毎日三つ星レストランで、ファッションはブランド品しか身に着けない……という印象を持つ方もいらっしゃるようです。でも、ページをめくっていると、これなら私たちでも行けそうというお店もたくさん出てきますね!
「ええっー(笑)。その印象、残念ながら違います! もちろん、衣食住、手をかけて作られたいいものはやはりいいですし、歴史や作られた背景も含めて素敵だと思うものもあります。夫と過ごす時間に、たまには星付きのいいレストランに行こうとなったり、長く大切に使うつもりで購入する物や、気に入って見ていた物が、たまたまセールになっていて購入したり……ということもあります。
でも、それは日常ではないです(笑)。『セゾン・ド・エリコ』の読者の方はご存じだと思いますが、家で、カレーライスを作ったり、お魚焼いたり、今号ではわが家の“豚肉のしょうが焼き”をご紹介していたりもします。撮影や仕事で忙しい日には、デリバリーのお弁当やどんぶりものをお願いしたりもします。洋服もスニーカーも履けば、ネットでファストファッションも購入しますし、手ごろなお値段のトートバッグもかごバッグも愛用しています。ただ、おしゃれに関しては『ときめく気持ち』も大切にしたい。白シャツのお店などはまさにそうです」

最初は修行のように痛く、やがてそのすごさがわかる靴!「J.M.ウエストン」⇒特別注文は割高にはなるが、革や縫い糸までパーソナライズできる。外反母趾など足の悩みにも対応し、足そのものを整えてくれる自分だけの靴が手に入る
「ありがとうございます! たとえば、靴やほかにも本誌でご紹介したバッグのお店などは、少し背伸びが必要かもしれませんが、一生モノともいえるものに出合えます。逆に、先ほどご紹介したような、お手頃な食器屋さんやフランスのお母さんの味のテイクアウトのお店などは親しみやすく普段着のパリを感じていただけるかと。どちらともが、パリの魅力なんです」
1日だけはおしゃれして星付きレストランも…

「ル・クラランス」⇒「世界のベスト50」のリストにランキングする名店。19世紀の邸宅建築が1棟丸ごと二つ星のレストランになっている。オーナーは名門ワイナリーのオーナーでもあるので、料理やワインはもちろん素晴らしいが、シャトーさながらの内装も必見
「旅先でも、せっかくですから1日ぐらいはがんばっておしゃれをして、レストランを訪ねたいですよね! 『ル・クラランス』はシャトーのような邸宅建築のレストラン。二つ星のお料理やワインで、目も、心も、お腹も『これぞパリ!』という気分に満たされると思います。
<撮影/武田正彦 現地コーディネート/鈴木春恵 文/女子SPA!編集部>
(エディタ(Editor):dutyadmin)






