浮き輪肉をもたらす要因とは
体に脂肪をため込みやすくなるのは年のせいだからとあきらめていませんか? 確かに加齢によって基礎代謝は下がっていくため、今まで通りの食生活では余ったカロリーが体脂肪として蓄積されてしまいがちです。
しかし、年齢だけが原因ではありません。食生活はもちろんですが、運動習慣も体型の変化に大きな影響を及ぼします。家で過ごす時間が長く、体を動かす機会を作らずにいると、使われない筋肉はだんだん衰えていきます。
そして特に目立つのが、お腹周り。お腹周りの筋肉は、通常はコルセットのように内臓を支え、体を引き締めています。しかし腹筋が弱くなると内臓の位置が下垂したり、腹部にある脂肪がぽっこりと目立ったりして、いわゆる「浮き輪肉」ができてしまいます。
パソコンに向かうデスクワークが長い人は背中が丸まりやすくなるため、この「浮き輪肉」がさらに目立ってしまうという悩みもあるようです。
ちょっとした生活習慣の積み重ねから生まれる「浮き輪肉」をなくす方法をご紹介します。
気になったときにすぐできる! 3つの浮き輪肉解消エクササイズ
浮き輪肉を解消するためには、普段から姿勢を意識してみること、腹部に刺激を加えることを心がけてみましょう。ハードなエクササイズではなくてもコツコツと続けていくと、下腹部のぽっこりした見た目を改善することにもつながります。ここでは手軽に実践できるエクササイズを3つご紹介します。

姿勢が崩れると下腹部の浮き輪肉が目立つようになりますので、良い姿勢を保つために体を伸ばしてみましょう。やり方は簡単。胸の高さで両手を組み、手のひらを前面に押し出すようにします。そこから頭の上まで両手を上げ、両手を左右に開きながら下ろしていきます。これを3回程度繰り返します。
体の側面が気持ちよく伸ばされていること、そしてお腹をへこませる意識を持つと良いでしょう。起床時や仕事の合間などのちょっとした時間に行うことができます。

寝転がった状態で両膝を曲げます。そこから右手を伸ばして右足のかかとにタッチし、今度は左手を伸ばして左足のかかとにタッチします。これを左右あわせて10回程度行います。
お腹周りの特に側面を刺激して鍛えるエクササイズです。かかとの位置がお尻に近いほどやりやすく、遠くなれば運動強度は高くなります。最初はなるべくお尻に近づけたところから始めてみましょう。寝る前や、起床時などベッドの中でも実践しやすいエクササイズです。

寝転がった状態で両膝を曲げます。そこから両膝を左右にゆっくり倒します。これを左右あわせて10回程度行います。体をひねりながら腹斜筋を鍛えていきましょう。これが楽にできるようになったら、かかとを浮かせた状態で行うとより運動強度が上がります。
姿勢の改善や、お腹周辺部の筋肉に刺激を加えることが、浮き輪肉解消への第一歩です。手軽にできるエクササイズばかりですので、すき間時間にぜひトライしてみてくださいね。
20年以上に渡り、スポーツ現場でのトレーナー活動に従事する日本体育協会公認アスレティックトレーナー。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。選手へのトレーナー活動だけでなく、幅広い年齢層を対象としたストレッチ講習会やトレーニング指導経験も豊富。スポーツ傷害予防や応急処置などの教育啓蒙活動も行い、毎日の健康づくりに役立つ運動に関する情報発信を精力的に行っている。
執筆者:西村 典子(アスレティックトレーナー)