カラダ作りを行ううえで、重視する人が多い部位が「腕」です。太くたくましい腕や、引き締まった細い腕を目指して筋トレに取り組んでいる人は多いでしょう。
今回は、二の腕の筋肉のうち、とくに腕の前側「上腕二頭筋」と、腕の裏側「上腕三頭筋」を効果的に刺激するダンベルトレーニングメニューをご紹介します。
腕の筋肉「上腕二頭筋・上腕三頭筋」とは
腕を構成する筋肉は、おもに「上腕二頭筋」と「上腕三頭筋」です。
上腕二頭筋とは上腕二頭筋は、腕の前側に付着している筋肉。腕にグッと力を入れると、力こぶができる筋肉です。
肘を曲げていく(屈曲)動作において力を発揮し、肘を曲げ伸ばししなくても、肘を曲げたまま保持するよう物を運んでいるときの動作でも使われています。そのため、日常生活で使う頻度の高い筋肉です。

これに対して上腕三頭筋は、二の腕の後ろ側に付着している筋肉で、肘を伸ばしていく(伸展)動作において力を発揮します。
荷物を頭上に持ち上げる時などに使われますが、日常生活で使われることはそれほど多くないため弱くなりがちです。
どちらの筋肉を鍛えたいのか理解したうえでエクササイズメニューを選択しましょう。
上腕二頭筋を鍛えるダンベルエクササイズ
ダンベルアームカール 両手のひらを正面へ向けるようにダンベルを持つ 背筋を伸ばし、軽く膝を曲げ、足を肩幅に広げる ひじを腰より少し前に出し、ダンベルを持ち上げていく ひじを曲げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す
正面からの姿勢

横からの姿勢
肩をすくめたり、カラダを傾けて動作を行わないように注意しましょう。
インクラインダンベルカール インクラインベンチを40~60度に調整し、ダンベルを持って座る。手のひらは正面へ 背中をベンチにつけ、軽くひじを曲げたまま腕を下げる ひじを前後に動かさないように曲げていく 元の位置に戻すとき、軽く曲げた状態で止めておく
上腕二頭筋のストレッチが強くかかるため、立った姿勢で行うよりも強度が高いエクササイズです。正しいフォームで、動作スピードをコントロールしながら行いましょう。
コンセントレーションカール 片手にダンベルを持ち、フラットベンチに座る。足は肩幅に広げる ダンベルを持った手のひじを、同側のヒザの内側につけて固定し、ダンベルを下ろす。ひじは軽く曲げておく そのまま曲げ、曲げきったら元の位置に戻していく

肘を脚でしっかり固定できるので、初心者でも行いやすいエクササイズです。上腕二頭筋を最大限に収縮させるよう意識すると効果的でしょう。
上腕三頭筋を鍛えるダンベルエクササイズ
フレンチプレス 両手でダンベルを持つ。グリップではなく、プレートの部分を両手で支える ひじを伸ばしたまま頭上へ上げ、ゆっくりと肘を曲げていく。ひじは開き過ぎない 限界まで曲げたら、元の姿勢に戻る

初心者の場合、動作中に肘が前後に動いてしまう人が多く見られます。動作中に肘が動いてしまう場合は片腕ずつ行い、反対の手で肘を固定するとよいでしょう。
トライセップス・エクステンション ベンチに仰向けになる。ダンベルを両手で持ち、ひじを伸ばして顔の前に構える ひじの位置を動かさないように曲げ、ダンベルを下ろしていく 限界まで下ろしたら、ひじを伸ばしてダンベルを持ち上げていく

このエクササイズには、動作を片腕ずつ行う方法もあります。その場合、反対の手で肘が動かないように固定すると、より正確な動作を行うことが可能です。
ダンベルが顔に落下してこないように気をつけましょう。
片手ずつ動作を行うと動作を意識しやすくなる
ダンベルエクササイズは両手同時に動かすだけでなく、片手ずつ動かすことでより正確な動作が行えたり、筋肉を意識しやすくなります。
ダンベルを効果的に活用して、理想の腕を作り上げましょう。
[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
公式HP/公式Facebook
<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>