お正月といえばお餅。いそべ巻きやおしるこなど、さまざまな味を楽しめますが、なかには「お餅はカロリーや糖質が高くて太るからあまり食べられない」と思っている人もいるのでは。
しかし、お餅はダイエット中もいただける食品であり、太らずに食べるためのポイントもあるのです!
今回は知られざるお餅の栄養価や、太りにくい食べ方などを解説します。この記事を読んでお正月太りの心配を解消し、おいしくお餅を食べましょう。
お餅ってどんな食べ物?
お餅は、もち米を蒸して、臼(うす)と杵(きね)でついて作ります。日本の伝統的な食べ物であるお餅のカロリーや栄養価について解説します。
お餅100gあたりのカロリーと糖質量
もち(1個/50gあたり)エネルギー112kcal
たんぱく質2.0g
脂質0.3g
糖質25.2g
一般的な切り餅は1個50gで、1回で2個食べると考えると、お餅100gあたりのエネルギー量は約224キロカロリー、炭水化物(糖質)は約54g。

ちなみに、ごはん(精白米)はお茶碗1杯で150g。エネルギー量は約234キロカロリー、炭水化物の量は約55.7gです。
精白米(1杯分/150g)エネルギー234kcal
たんぱく質3.8g
脂質0.5g
糖質55.7g
お餅2個とお茶碗1杯のごはんを比較すると、お餅2個のほうがやや低カロリーと見ることができます。
参考:文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』
ダイエット目線で見た、お餅の働きとメリット
お餅には、脳や全身の栄養源である炭水化物が豊富に含まれています。そのほかにも、タンパク質や脂質、食物繊維などが含有されています。
消化に時間のかかる「アミロペクチン」という炭水化物が多く含まれているため、お餅を食べると満腹感が持続して、間食防止に効果的です。
また、お餅は何度も咀嚼して食べるため、満腹感を高める食品と言えるでしょう。
お餅は太るの?
腹持ちがよく、ダイエットにも向いているお餅ですが、決して低カロリー、低糖質というわけではありません。そのため「太りやすい」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
お餅は手軽でおいしい食品なので、たしかに食べすぎると太ってしまう場合があります。また、あんこ・黒蜜などの糖質も一緒に摂ると、太りやすくなるでしょう。
しかし、食べる個数と食べ方に注意すれば、太らずにお餅を食べることができます。はたして、太りにくいお餅の食べ方とは。
太りにくいお餅の食べ方
食べるのは一度に1~2個まで一度に食べるお餅の量は、1〜2個にとどめましょう。切り餅2個で、お茶碗1杯のごはんと同じくらいのエネルギー量・糖質量になります。
また、30回以上噛んでゆっくり食べると、食べすぎを防ぐことができます。
砂糖ひかえめのきなこ餅がおすすめ甘いお餅を食べたいときは、お汁粉や黒蜜より、きなこ餅にするのがおすすめです。きなこは食物繊維が豊富なので、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
混ぜる砂糖の量を少なめにすれば、摂取カロリーも減らすことができます。

お餅を食べる前に、野菜や海藻類などの食物繊維が多く含まれる食品を摂取しましょう。食物繊維には、糖質の吸収を遅らせて血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。
お雑煮や煮物などで、食物繊維の多い食材を意識的に食べるのがおすすめです。

こちらもおすすめ:餅はカロリーが高いから太る?ダイエットにおすすめの食べ方は?マッスルデリ管理栄養士が解説
お正月太りを予防・解消する漢方は?
食べすぎや飲みすぎなどで、ついつい太ってしまいやすいお正月。お正月太りの予防には、漢方薬を取り入れるのもひとつの手です。
お正月太りを防ぐには、もちろんカロリーオーバーを防ぐ、栄養バランスに気をつける、そして運動が欠かせません。
しかし、消化吸収の機能が低下していたり、代謝が衰えていると、太りやすい体質になってしまう場合があります。そのようなときは、漢方薬でからだの内側から太りにくい体質を作っていくことも大切です。
正月太りの原因には、「おせちやご馳走の食べすぎ」「ストレスや疲労、睡眠不足などで自律神経が乱れたことによる過食」「寒さや運動不足による代謝の低下」などが考えられます。
正月太りを早期解消するには、「脂肪の燃焼をサポートする」「余分な脂肪を便と一緒に排出する」「血行を改善して基礎代謝を上げる」「水分の循環をよくしてむくみを改善する」ことに加え、「自律神経を整えてストレス過食を改善する」「脂肪の吸収を抑える」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は根本からの改善を得意としており、太りにくく痩せやすい体質を手に入れることもできるでしょう。
肥満やむくみでお悩みの方におすすめの漢方薬・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):便秘がちでおなかに皮下脂肪の多い方の肥満やむくみの解消などに用いられます。
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう):疲れやすく、汗をかきやすい傾向のある方の水太りやむくみなどに用いられます。
数ある漢方薬のなかから、どれが自分の体質・症状に適しているのかを見極めるのは大変です。そのため、漢方薬を選ぶ際には、漢方に精通した薬剤師・医師などの専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。
きちんと合った漢方薬を選ばないと、効果が感じられないばかりか副反応が生じることもあるので注意が必要です。最近は、AIを用いて漢方の専門家が適切な漢方薬を選んでくれるサービスもあるので、ぜひチェックしてみてください。
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お餅の食べ方を工夫して、お正月太りを予防しよう
腹持ちがよくて、栄養たっぷりのお餅。食べすぎなければごはんよりもカロリー摂取量を低くできるので、ダイエット中の人にも心強い味方となるでしょう。
お正月太りを予防するためには、食べる量に注意し、野菜や海藻類を先に食べたり、砂糖を控えめにしたりといった工夫をすることが重要です。太らないお餅の食べ方をおさえて、楽しいお正月を迎えてくださいね。

<この記事を書いた人>
薬剤師。元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」でも情報発信をしている。
<Edit:編集部/Photo:GettyImages>