お家ローストビーフを、おいしく作ろう。
年末年始に自宅でおいしい料理を作ろうと思い立ったら、「ローストビーフ」がオススメです。理由は、材料がシンプルであること、コツを正しくつかめば意外と簡単にプロ級の仕上がりになるから。
しかしながら実際にレシピサイトなどを見てみると、作り方はさまざま……。どれが正しいのかイマイチよくわかりません。
牛肉の選び方は? 下味のタイミングは? 加熱温度や時間は? 低温調理器が必要? など疑問が次々に出てきそう。そこで今回は潔く専門家に極意を聞いてみることにしました!
極上ローストビーフのお取り寄せ専門店として東京・三宿にショールームを構える「THE ROAST BEEF(ザ・ローストビーフ)」に、本当においしいローストビーフの条件と、低温調理器がなくてもOKな“家庭向けレシピ”を教えてもらいました。
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おいしいローストビーフ作りに大切な3つの条件とは?
同店が考えるおいしいローストビーフとは3点。牛肉本来の旨味が味わえることと、何度も噛みたくなる肉感、そして生産者の思いが詰め込まれていること。
直感的には納得してしまう事項ばかりですが、具体的には肉選びから調理法に至るまで、細部を徹底的にこだわっているそう。その中でも絶対に欠かせない条件として、3点を挙げてもらいました。
1.温度管理を徹底した「火入れ」
ローストビーフは「火入れ」が全てと言っても過言ではありません。肉のたんぱく質が縮まってかたくならないよう、“真空低温調理法”で時間をかけてゆっくり加熱。1℃にまでこだわった火入れによって、感動する柔らかさと肉の綺麗な断面色が作られます。

2.表面を焼くのは、最初ではなく最後
多くのレシピでは、はじめに肉の表面をこんがり焼いて肉の旨味や水分を閉じ込めると書かれています。これは低温調理を前提にした場合、肉質を荒げてしまうことにつながるため、中心まで低温で火入れをした後に焼く方が正解。

3.肉の繊維に対して「垂直」に包丁を入れてスライスする
肉の繊維の流れを確認し、繊維を断ち切るように垂直に包丁を入れます。実は切り方によってお肉のおいしさが劇的に変化するため、方向は絶対に間違ってはいけません。

以上3点のうち誰でもすぐに実践できるのが、「焼くタイミング」と「切り方」。火入れはプロと同じようには難しいでしょうから、特別に専門器具(低温調理器)がなくても家庭でどうにか実践できる方法を伝授してもらいました。
低温調理器がなくてもOK!家庭向け「絶品ローストビーフ」レシピ
【肉選びについて】
脂身が少なく柔らかい「もも肉」がオススメ。厚さは最低でも3cmが理想。フライパンで焼くには難しい分厚い肉の塊をみんなで切り分けて食べるのがローストビーフの醍醐味。ステーキで食べられない厚さをイメージして選ぶこと。
【下ごしらえについて】
肉に塩とこしょうをして、野菜やオリーブオイルと一緒にひと晩漬け込む。玉ねぎや塩麹など一緒に漬け込むことで肉が柔らかくなる。
【調理について】
肉を柔らかく美味しく焼くには、火入れの加減が超重要。美味しく食べるには、値段の高い肉を買うよりも「温度コントロール」の方がもっと大事。
1.一晩漬けこんだお肉を密閉袋に入れて空気を抜いて封をする。この状態でブロック肉をタオルで巻く。
2.鍋でお湯を沸騰させる。沸騰したら火を止めて15分待つ。
3.温度が80度くらいになったところで、タオルに巻いたブロック肉を入れる。なるべく鍋のお湯の温度が下がりにくい場所(※)で30放置する。
※IHの保温状態もしくはそれに近い状態
4.鍋から取り出し、肉をフライパンで表面だけ高温で焼く。
5.肉の繊維に向かって垂直方向にスライスして盛り付ける。タレは市販のものでOK。
以上、いかがでしたでしょうか? 実際にチャレンジしてみると、温度管理がいかに難しいか実感できるでしょう。
最近では家庭向けの低温調理器が1万円弱から購入できるようになっていますから、本腰入れて作りたくなったら購入するのも賢明かもしれません。また、頻度によってはプロが作った商品を購入するのも手堅い方法。さあ、あなたならどうしますか?
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<取材・文/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)

