「風邪ではないのに、からだがだるい」「眠りが浅い」。なんとなく感じている不調は、自律神経の乱れのせいかもしれません。口から入る食べ物はすべて薬になるというほど、東洋医学では食事を重視します。今回は薬膳における自律神経を整える食事や栄養素について、あんしん漢方の薬剤師、山形ゆかりさんに伺いました。
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薬膳料理は自律神経を整えるのに最適

つまり、毎日の食事をバランスよく、自分の体調に合わせて食べていれば、自律神経をはじめからだの調子を整えることができると考えられているのです。
さらに、必要な栄養素のなかには体内で合成できないものも多く、それらを得るためには食事から摂るしかありません。毎日の食事はとても重要なのです。
自律神経を整える栄養素と食材

1.発酵食品などに含まれる「GABA」GABAは、アミノ酸のひとつで神経伝達物質としての働きがあります。
GABAにはからだを休める際に働く自律神経である「副交感神経」の活動を促す作用があります。そのため、GABAにはリラックス作用があると考えられているのです。
味噌や漬物、甘酒などの発酵食品、発芽玄米、トマトやパプリカなどに多く含まれています。
2.乳製品や小魚に含まれる「カルシウム」カルシウムには、活動時に働く自律神経である「交感神経」を抑える作用があります。「交感神経」を抑えることで、脳の興奮を鎮めリラックス効果が期待できます。
カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、小魚、大豆製品などに多く含まれています。
カルシウムの量が不足すると、骨から血液中にカルシウムが供給されてしまいます。骨のカルシウム減少を防ぐために、普段から積極的なカルシウムの摂取を心掛けることが大切です。
3.肉類や魚介類などから摂取できる「タンパク質」タンパク質に含まれる必須アミノ酸は、自律神経を整える神経伝達物質の生成に必要です。「交感神経」と「副交感神経」がバランスよく働くためには、神経伝達物質が重要となります。
タンパク質は、肉類、魚介類、大豆製品、卵類、乳製品に多く含まれます。とくに、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」のもとになる「トリプトファン」は、大豆、味噌、醤油などの大豆製品や乳製品に多く含まれるのが特徴です。
自律神経のバランスを整える薬膳レシピ

GABAたっぷり「かぼちゃとなつめの甘酒煮」
材料(2〜3人分)
・かぼちゃ・・・1/4個(300g程度)・なつめ・・・6個
・甘酒・・・150ml
・水・・・150ml
・醤油・・・大さじ1
作り方
1) かぼちゃは種とワタを取って一口大に切り、なつめは半分に切る。2) 鍋に、(1)、甘酒、水を入れ、落とし蓋をして、かぼちゃが柔らかくなるまで煮る。
※鍋の大きさによって、水の量は調整してください。
3) (2)の落とし蓋を取り、醤油を入れ、水分が少なくなるまで煮れば出来上がり。
1人分 約149キロカロリー 砂糖ではなく甘酒で煮ることで、角のないやわらかな甘さに。甘酒にはGABAがたっぷり含まれています。なつめは脾の働きを改善して胃腸の調子を整えます。気分が落ち込んだり、イライラする、不眠など、心身の疲れに効果があります。缶詰と乾物で「カルシウムたっぷりトースト」
材料(1人分)
・食パン・・・1枚・ツナ・・・大さじ1と1/2(油を切る)
・小松菜・・・1/5束(茹でて、3センチ幅に切る)
・シュレッドチーズ・・・大さじ2
・桜海老・・・大さじ1/2
・くこの実・・・10粒程度
作り方
1) くこの実は水に浸してふやかしておく。2) 食パンにツナ、小松菜、シュレッドチーズをまんべんなく乗せ、桜海老、(1)を飾る。
3) トースターでチーズがとろりととろけるまで焼いて出来上がり!
1人分 約274キロカロリー たんぱく質とカルシウムをバランスよく摂れるレシピです。ツナは、からだを温めて、気と血を補うので、気がゆらいだときにとくにおすすめです。小松菜、シュレッドチーズ、桜海老はカルシウムを含み、また小松菜には鉄分も豊富です。くこの実は、別名「楊貴妃の媚薬」といわれ、ビタミンやミネラルをはじめ、ポリフェノールも豊富に含まれています。疲労回復効果が期待できるので、自律神経の乱れからくる疲れにもおすすめです。
自律神経のお悩みには漢方薬によるケアもおすすめ

自律神経を整えるには、鎮静作用や抗ストレス作用があるものや、血流や水分バランスを整え、体内の機能を回復させる効果のある漢方薬が選ばれます。
自律神経を整えることで、ストレスを緩和や、睡眠の質の向上が期待できます。また、ホルモンバランスの乱れ、気候の変動などに伴う不調の改善にも働きかけるのです。
自律神経のバランスを整える効果のある漢方薬を何種類かご紹介します。
自律神経の乱れにおすすめの漢方薬2種・抑肝散(よくかんさん)
漢方では、肝(かん)の働きが強くなりすぎると、イライラしやすく、怒りっぽくなるとされています。抑肝散は、肝の興奮を抑えるとされる漢方薬です。興奮しやすい、怒りっぽい、イライラしがちなどの神経症状に用いられます。
女性ホルモンの変化に伴う症状や、更年期障害などにも使われます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
自律神経を調整することで、イライラを抑えたり、肝の興奮を抑え、交感神経を鎮める働きがあります。女性ホルモンのバランスが崩れる更年期などの精神不安、神経症状によく用いられます。
血液の流れをよくしてからだを温める一方、気の巡りを整えることでのぼせなどの熱を冷まします。女性に使われることが多い漢方薬です。
漢方薬を服用するときに大切なことは、自分のからだにあったものを選択することです。
自分のからだにあっていない漢方薬を選んだり、間違った組み合わせで服用したりしてしまうと、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性が高まってしまいます。
必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、選択するようにしましょう。
毎日の食事で自律神経を整えて健やかに

ほんの少しのきっかけや、ホルモンバランスの乱れによって、崩れてしまいやすい自律神経。毎日の食事に取り入れやすい薬膳や日常で使える漢方薬を活用し、自律神経を健やかに整えましょう。
writer / Sheage編集部
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