ときめくモノには理由がある。Sheage編集部が毎月、今心ときめくモノをpickup!今月は「透けて見えるアートな世界!キラキラ透明和菓子」をテーマに、透明な中にアートを感じる和菓子をご紹介。第八弾は、まるで宝石のよう。アドベリーの甘酸っぱさ溢れる、滋賀県「NANASAN」の琥珀糖「MIO」です。
まるで本物の鉱石。赤が透ける多面体の琥珀糖「MIO」
photo:NANASAN
夏は、水を連想させるような寒天のお菓子や、果物をふんだんに使ったスイーツなどが次々に登場する時期。けれど今回ご紹介したいのは、どちらにも属さないけれど透明感があり、フルーティーな味わいも楽しめる独特のお菓子です。
それは、滋賀県の老舗和菓子店「とも栄」から生まれたブランド「NANASAN(ナナサン)」が作る琥珀糖「MIO(ミオ)」。
宝石のような見た目で昨今人気となっている琥珀糖ですが、MIOは赤い色が透けてグラデーションのようになっているところや、多面体の形が本物の鉱物のよう。なんてきれいなんだろう…!と、Sheage編集部一同が惹きつけられました。
アドベリーそのものの美しさやおいしさを閉じ込めて
photo:Sheage編集部
いつまでも眺めていられそうな美しさのMIO。
ほかではあまり見られない多面体の形は、ブランド名のNANASAN(73)を、三角形と七角形を組み合わせて表現したもの。中から透けて見えるのは、とも栄がある滋賀県高島市の安曇川(あどがわ)地区の特産品で、”幻の果実”や”赤紫の宝石”とも呼ばれるアドベリーのグミです。光の屈折により赤みを帯びて輝く姿は、まさに”赤紫の宝石”であるアドベリーの美しさを閉じ込めた結晶といえそう。
photo:Sheage編集部
食べてしまうのがもったいないと感じながらも、ひとつ口に運んでみると…。
琥珀糖がシャリシャリと崩れた中から、弾力のあるゼリーがとろっと溢れ、アドベリーの甘酸っぱさが広がります。果物が入っているわけではないのに、果実のようにしっかりとした酸味や甘味が感じられ、爽やかな余韻が残ります。
甘いものが苦手な方や、食にこだわりのある方にも「ぜひ食べてみて!」とおすすめしたくなる味わいでした。
安曇川で親しまれる味をたくさんの人に届けたい
photo:NANASAN
ところで、アドベリーという果物を初めて知ったという方も多いのではないでしょうか?安曇川で獲れるものは地元でアドベリーという呼び名で親しまれているのですが、一般的にはボイセンベリーと呼ばれる果物です。といっても、あまり馴染みがないですよね。
それもそのはず。アドベリーは収穫できる期間が年に2週間ほどと非常に短く、身も柔らかいため流通が難しい、希少な果物なのです。
そのおいしさを地元以外の人にも楽しんでもらいたいとの想いから、アドベリーを使ったお菓子を作り始めたことがNANASANの立ち上げに繋がったのだそう。
photo:NANASAN
ブランドの初めてのお菓子であるMIOは、開発に2年以上もの時間がかけられました。
特殊な形だというだけではなく、ゼリーを中に入れる工程の難しさに頭を抱えたといいます。僅かな糖度の違いで表面が結晶化されず、琥珀糖とは呼べないものになってしまうことも。それでも何度も試作を繰り返し、製品化に至ったのです。
それからも常に配合を見直し、すっきりとした甘さとみずみずしさに。さらに、シャリッとした琥珀糖、とろりとしたゼリー、もっちりとしたグミ、3つの食感が活きるよう今も改良を重ねているそうです。
photo:NANASAN
MIOというのは、地元の高島市にゆかりのある名前です。
第26代継体天皇の出生の地とされる高島市。その継体天皇の母・振媛(ふりひめ・ふるひめ)は、現在の福井県にあたる越前を治めていた豪族・三尾氏の出自と見られています。その三尾氏の一部がかつてのこの地、近江高嶋に移住したことから「三尾」の地名が生じ、ほかにも水尾や三生など、ミオのつく地名が今も数多く残っているそう。
地元を大切に想う気持ちを、お菓子の名前にも込めているのです。