長続きには、理由あり。
毎年、さまざまな「トレンドフード」が登場しています。最近のブームと言えば、カヌレ、イーストドーナツあたりは気になる存在でしょうか。
お菓子だけでなく調味料やレトルト食品など、ジャンルを問わずいろいろな食品が注目されますが、短期間の“一発屋”で終わってしまうものもあれば、人気が定着して愛され続けるものもあります。はてさて、この違いはいったいどこにあるのでしょうか?
ブームに終わることなく、人気が定着した成功事例としてわかりやすいのが、「ピスタチオ」と「トリュフ」。両社とも廃れることなく、ますます人気が高まっているように感じます。
そこで今回は、ピスタチオとトリュフの魅力を掘り下げながら、愛されるトレンドフードの条件について考えてみたいと思います。
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まずはトリュフとピスタチオの基本情報を、簡単に
トリュフとは、西洋松露(セイヨウショウロ)科のキノコの総称。希少かつ高価なために「台所のダイヤモンド」と呼ばれ、三大珍味としてフランス料理やイタリア料理の高級食材に使用されています。
このトリュフ、実は白と黒があり、香りや用途が違います。一般的に黒は加熱調理によって香りが強くなるとされており、白は生で食べるのが主流。白⇒卵料理・パスタ料理・サラダ、黒⇒肉料理・フォアグラ・スープといった感じで、使い分けられています。
ピスタチオは美容にも良い
ピスタチオは、うるし科(カシューナッツも同様)の落葉樹になる実の部分。発祥は古代トルコやペルシャなどの地中海沿岸地方で、その後ヨーロッパに運ばれました。殻の中に入っている小葉部分が鮮やかな緑色であることが特徴的で、これはクロロフィルという色素によるもの。
味としては、コクと旨みがしっかりありながら、品のよい甘さと軽やかな風味が特徴的。また、栄養面では美容にも良い(※)とされ、ナッツの女王と呼ばれ愛されています。それでは、魅力あふれているこの2食材が、ブームに終わらない人気を博し続けている理由について考えていくことにしましょう。
※不飽和脂肪酸、食物繊維、カリウムが豊富であるため、ダイエット、便秘、むくみ対策になると言われています。
1.緑・黒・白は、日本人にとってはそそる色である
ピスタチオとトリュフが長く愛される4つの理由を考えてみました。
まずはビジュアル的な側面から。ピスタチオの「緑」、トリュフの「黒・白」には、食べる人に対してポジティブな効果を持っていると言われています。緑は、植物をイメージする色として想像できるように、自然や快適さを感じさせるカラー。
黒と白は、日本人の食欲をそそる色として大切にされています。この直感的かつ心理的なパワーは想像以上に偉大で、他の食材として抹茶、メロン、海苔、コーヒー、白米、生クリームなど、スター食材は数知れず存在します。
2.美食材としての歴史がある
ピスタチオとトリュフ、ともに彗星のように現れた食材ではありません。いずれも古い歴史を持ち、世界の食業界(美食界はもちろんのこと)において広く高い評価を受けている本格派。
ブーム仕掛け人や一過性のプロモーションによる小手先感とは次元が違い、外食シーンにおいては料理人と食べる人どちらからも愛されてきた実績があります。トリュフのパスタ、ピスタチオのジェラート……、想像するだけでも幸せですよね!
3.肉、ジャガイモ、卵、チーズなど人気食材との相性が良い
トリュフは単体で味わうのではなく、合わせる食材とのマリアージュによって輝く高級食材とも言えます。
例えば、ジャガイモ、卵、牛肉。いずれも人気料理の食材として愛されているものばかり。なかでもポテトチップスの功績は大きく、高級食材を身近な食べ物としてリーズナブルに提供した大成功事例ともいえるでしょう。
ピスタチオも小麦粉、バター、チョコレートとの相性を考えれば納得してしまうはずです。
4.シーンを選ばない多様性
ピスタチオで考えてみましょう。
朝の軽食としてケーキバー、おやつとしてピスタチオチョコ、おつまみとしてピスタチオ味のチーズ鱈。昼夜問わずに登場しても違和感のない柔軟性を持っています。
トリュフもしかり、本格料理だけでなくスナックや朝食時の卵かけご飯にトリュフ醤油をかけるなど、用途は無限大。この多様な柔軟性こそが商品開発のしやすさを後押ししています。
次なる大ヒット食材の座をつかむのはいったいどんな食べ物なのでしょうか? 考えてみると面白いかもしれません。
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<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
(エディタ(Editor):dutyadmin)






