
関東エリアを中心に展開していたステーキショップ「ふらんす亭」。最盛期は約200店舗を展開していたとされる同店だが、現在国内に10店舗を残すのみ。懐かしの味を確かめに、記者は店へ向かった。
【写真】「ふらんす亭」で頼むべきはコレだ...!
オーナー企業が次々変わり...
1979年に東京・下北沢で開業し、薄切り肉とレモン果汁ソースが斬新だった「レモンステーキ」をはじめとするステーキメニューを武器に店舗を拡大させたふらんす亭。ネットには「最盛期は約200店舗を展開」という記述が複数残っているよう、90年代後半にはかなりの勢いを誇るファミリーレストランだったといえる。
しかしその後経営不振に陥り、2006年にはファンドである山田MTSキャピタル(当時)に事業譲渡、その後08年にスターゼン、2012年にエムグラントフードサービスと運営会社が次々変わっていった。
都内で奮闘する3店舗

2019年に創業者・松尾満治氏らが立ち上げた株式会社ふらんす亭へオーナーが変わるも、直後に新型コロナが日本国内で流行するという不運に。
東京・練馬にあった中村橋店が今年2月末、埼玉・鶴ヶ島にあったワカバウォーク店が同じく今年4月末に閉店し、現在は東京、埼玉、神奈川、愛知に合計10店舗だけとなっている。都内には新宿西口店、池袋サンシャイン60通り店、水道橋駅前の3店舗。6月中旬、学生時代に何度も通った水道橋店を約20年ぶりに訪問することにした。
「和牛カレー」頼むも...あれ?

学生街とありランチ時、店内には若い男女の客で溢れており、なんだか自分の学生時代を見ているかのようで嬉しくなった。周辺には遅くまでやっているファミレス的スポットが少なく、よくここのテーブル席で「バイトはどうだ」「就活どうしてる?」など仲間たちと色々な話をしたものだった。
閑話休題。同店はステーキが目に入りがちだが、じつはカレーの実力店でもある。創業時の味を引き継いでいる濃厚な焙煎カレー(820円)は深いコクがあり、コアなファンが存在している。狙っていたのは、同社6月2日のお知らせにあった「和牛トッピングカレー」。黒毛和牛の切り落としを香ばしく焼き、そのカレーに乗せたという期間限定の注目商品だ。
通常1,280円のところ割引され950円でスープ付きとあり大変リーズナブル。肉料理店の和牛だからきっとハイクオリティなことだろう、と楽しみにしていた記者は入店するなり注文したが、スタッフは「和牛トッピング...? ちょっと厨房に聞いてきます」と説明し、数分後戻ってくると「通常のカレーにも牛が入っているのでそれのことでは?」と...。それじゃない!
あまりに無念...

あわててスマホで同社HPを開き説明するも埒(らち)が明かず、渋々通常のランチレモンステーキに焙煎カレーを付けたセット(1,370円)に切り替えた。両方とも店の人気メニュー。昼時に頼むならこのコンビである。

カレーは20年前と変わらず、欧風カレーの本道をいく上品な味だ。香ばしい焙煎された小麦粉、そしてトロトロに溶けた玉ねぎなどの野菜からは甘みがしっかり出ており大変ウマい。ルーはかなり濃厚で、適度なスパイシーさが味にインパクトを与えている。
レモンステーキはここでしか食べられない味。鉄板上で自ら焼き、いい焼き加減になったら食べる。あっさりしており、肉は薄切りなのでステーキというより焼肉感がある。
残念だったのは、やはりカレーに焼かれた黒毛和牛のトッピングがないことだ。何かの手違いか、はたまたすでに在庫切れだったのかは不明だが、詳しい説明がないまま登場1週間で姿を消すのはなんとも。記者はこの味を求め片道一時間かけた...。
しかし、味は当時のまま。今回の出来事を機にふらんす亭を改めて再訪し応援したいと決めたのだった。
(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)