桜新町(東京都世田谷区)で連日行列をなしているおはぎ専門店をご存知でしょうか。お店の名前は「タケノとおはぎ」。オシャレなアクセサリーショップ?と中を覗くと、洗練されたシンプルな店内におはぎの入った木箱が整然と並んでいるのが見えます。
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おはぎは日替わりで7種類のみ販売とのことですが、毎日変わるおはぎをSNSで眺めてうっとり。美しすぎます。この美しいおはぎは何?ということで店主の小川寛貴さんにお話を聞いてみました。
おはぎ専門店を始めたきっかけ
――「タケノとおはぎ」はおはぎ専門店という新しいジャンルのお店ですが、おはぎ専門店を始めたきっかけを教えてください。
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小川さん(以下、小川)「洋風のお惣菜を扱うデリカテッセンのお店をやっていたのですが、偶然そのお店の隣の物件が空いたので、新しいお店をオープンさせようと始めたのが『タケノとおはぎ』です」
祖母の作るおはぎがソウルフードだった
――デリカテッセンとは全く逆の、おはぎのお店をなぜ始めたのでしょうか。

小川「小さい頃から祖母の作るおはぎが大好きで、おはぎが自分のソウルフードだったんです。祖母があんこともち米を炊いて作ってくれるおはぎはとてもおいしかったのですが、祖母も年齢を重ねてあんこが炊けなくなってきました。それで、祖母の娘である私の母親に『おばあちゃんのおはぎ作れる?』と聞いたら『作れない』と返ってきて、このままだと祖母の味を引き継ぐ人が誰もいなくなると思い、母と一緒に祖母におはぎを習いにいったのがきっかけです」
――タケノとおはぎのタケノは、「タケノおばあちゃん」だったんですね。おばあちゃんのおはぎはどのような味だったのでしょうか。
小川「昔は砂糖が高価だったこともあって、甘さは控えめでお豆の味がしっかりするおはぎでした。私は甘いものが好きではないのですが、祖母のおはぎは毎日食べたくなる大好きなおやつでした」
和菓子ではなく、「おはぎ」というジャンルの料理
――優しい甘さだったんですね。和菓子という全く別ジャンルのものを作るのは大変ではなかったですか。
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小川「昔、スペインバルで働いていたことがあるのですが、調理についてはおはぎもスペイン料理もデリカテッセンのお惣菜も考え方や作り方は同じだと思っています。おはぎにはつぶあん・こしあん以外に白インゲン豆を使っているのですが、白インゲン豆はスペイン料理などヨーロッパでもサラダや煮込み・ペーストなどでもよく使います。ですので、和菓子を作っているのではなく、『おはぎ』というジャンルの料理を作っているという感覚でいます」
季節の移り変わりを感じられる日替わりおはぎ
――どのおはぎもとても美しくおいしそうなのですが、7種類を日替わりで提供するのはデザインを考えるのも作るのも大変そうです。

小川「たしかに種類が毎日変わるのでそれを考えるのは大変ですが、毎日変わるおはぎを通して日々感じる季節の移り変わりをお客様にお届けしたいと思っています。定番のおはぎがないので『いつもの味』をお届けすることはできないのですが、次に来ていただいた時に前回を超える美味しさをお届けしていくことで、お客様との信頼関係ができるのではと考えています」
――デザインや味はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
小川「季節の花をモチーフにスタッフで考えています。和菓子のように花をデフォルメして表現するのではなくて、咲いてる花をそのまま表現したいと考えているので実際に花を見ながらデザインを考えています。箱におはぎを詰めていく作業は、花を箱に並べているような感覚で私自身もとても楽しいです。おはぎを食べながら、季節の移り変わりや日々の変化を感じていただき、五感で季節を楽しんで頂ければと思います」
シンプルな店内で、BGMもなしのワケ
――おはぎだけではなく、お店の外観もおはぎやさんとわからないオシャレな作りになっていて驚きます。
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小川「7種類のおはぎしか販売していないので、7個のおはぎをじっくり見てもらえるようにとにかくシンプルな店内にしています。店内はBGMも流していなくて無音です。デリカテッセンのお店は、ワインや惣菜・雑貨などをとにかく賑やかに並べて華やかさを演出しているので、その180度真逆のものをやってみたいという思いでお店を作りました」
出張店舗を出して地方の人にも届けたい
――今後、タケノとおはぎで挑戦してみたいことなどありますか。

小川「コロナ禍以前は海外からのお客様がたくさん来てくださり、海外の方にもおはぎというジャンルの食を知っていただきたいと思ったのですが、コロナ禍で海外からのお客様はほぼいなくなってしまいました。ただ、SNSでタケノとおはぎを知ってくださる国内のお客さまが増えて、『東京に住んでいないので、いつか食べたい』『地方でも売ってください』というお声をたくさんいただくようになりました」
――たしかに、東京の店舗でしか買えないので配送して欲しい方はたくさんいらっしゃると思います。
小川「タケノとおはぎでは保存料などを使っていないので、日持ちがしないのと繊細なデザインをしているのでどうしても配送ができないのです。ですので、地方に住んでいらっしゃってタケノとおはぎが食べたいと言ってくださるお客さまに、出張店舗などを出してタケノとおはぎを届けることは近い将来やってみたいです。まずは国内で待ってくださっている方にお届けしたいと考えています」

7種類の詰め合わせボックスのみ予約可能
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売切次第終了となり行列必至のタケノとおはぎですが、7種類の詰め合わせボックスのみ予約可能とのことなので、絶対に食べたい!手土産に持っていきたいという場合は予約がおすすめです。
また、入学式やお祝い事など、お渡ししたい相手や用途・要望などを伝えるとフラワーボックスのようにイメージしたおはぎをつめてくれるオーダーメイドおはぎも一日2組限定で予約受付中です。
自分で食べても大切な人にプレゼントしても喜ばれそうなタケノとおはぎ。この機会にぜひ試してみてはいかがでしょうか。
【タケノとおはぎ】
東京桜新町にあるおはぎ専門店。Instagram:@takeno_to_ohagi
<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。
(エディタ(Editor):dutyadmin)

