
創業は1967年、大森で3代続く老舗焼肉店
『板門店』は、JR京浜東北線・大森駅と、都営浅草線・馬込駅のほぼ中間にある焼肉店。1967年創業で、現在の店主で3代目。地元で長く愛され続けている焼肉店だ。


”1枚オーダー“のヒントは焼鳥から。「焼肉の楽しみ方はもっと広げられる」

「辛さが強すぎると、その刺激を和らげようと味覚が少し麻痺します。すると、旨味もわかりにくくなる。僕自身があまり辛すぎる料理が好みではないこともありますが、バランスを間違えない味づくりを心掛けています」と木戸さん。

確かに1枚からオーダーできることで、「コースで食べて美味しかったお肉を、追加でもう1枚だけ食べたい」「いろんな部位を食べ比べたい」「食べたことのない部位に挑戦してみたい」など、これまで焼肉店でかなえられなかったいろんなことがかなえられる。

希少部位「カイノミ」が1枚293円! こだわりの「上ロース」が1枚440円!
1枚からオーダーできる肉の例を紹介しよう。
「その店の個性・特徴は料理の味付け、特に焼肉のタレに出ると思っています。一番差が出るのは、カルビなどの味付けに使うモミダレ。次点でホルモンなどに使われる味噌ダレ、バランス取りの難しい塩ダレ。この上ロースはぜひ、うちの自慢のタレを揉みこんだ『タレ焼き』から召し上がってみてください」(木戸さん)。



「肉厚で柔らかい中にも最後の“ジャキツ”と噛み切るミノ独特の食感を奥歯で感じられるように、ミノの表側のみに深く切れ込みを入れています。そうすることで奥歯、耳、脳に印象が刻まれて、『あの食感をもう一度食べたい』と、味以外の強い印象を残せれば、という狙いがあります」(木戸さん)。
40gというのは、木戸さん基準の“一口で食べることが出来る限界サイズ”であり、「実際は多くのお客様は食べやすい好みの大きさにカットして召し上がられています」とのこと。ミノ好きな方に絶対に食べて欲しい一品だ。
肉4種類+ホルモン2種類を含む全12品のコースも3,000円から!
1枚ずつのオーダーも人気だが、この店の一番人気は、12品で3,000円という驚きの価格の「スタンダードコース」。

「お肉はもちろん鮮度管理や切り方も大事ですが、突き詰めて言うとお金を出せば、いい肉が手に入ります。その意味で、店にしか出せない個性はやはり、料理の味付けにあると思うんです」と木戸さん。





じつは『板門店』には、2種類の「シマチョウ」メニューがある。もともとは、脂のたっぷりのったシマチョウを「ホルモン」というメニュー名で提供していた。しかし木戸さんは「脂ののっていないシマチョウも美味い」「これを差別化して商品化したい」と考えた。
「脂ありのホルモンに比べてさっぱりしているから、いくらでも食べていられる」という感想をダイレクトに伝えるために考えたのが「無限ホルモン」で、その魅力を知ってもらうためにコースメニューに組み込んだという。
コース料金(3,000円)内で、シメをメニュー30種以上から選べる!
価格を考えるとこのコース内容の充実度だけでも驚きだが、さらに驚くのは、シメを既存の麺・ご飯・スープ類のメニューから自由に選べること。その選択肢はなんと、30種類以上。クッパも冷麺もビビンバもチゲもスンドゥブも、選び放題なのだ。
この料理は、無類のチーズ好きでもある木戸さん考案。「これでもか」というほどふんだんにチーズを使い、チーズの味わいを活かすためのさまざまな工夫がされている。
例えば同店の通常のビビンバでは焼肉のタレで味付けをした挽肉を使用しているが、やや濃いめの味付けにするため、石焼チーズビビンバでは使用していない。また歯切れの点でチーズの邪魔になる小松菜のナムルを使用していない。チーズ好きならではの、徹底したこだわりだ。

これだけでももちろん美味しいが、味変用のハチミツが添えられているのでぜひ試してみて欲しい。木戸さんが、ピザ店で「クワトロフォルマッジ(4種のチーズ)」のピザを食べた時、添えられたハチミツをかけたら美味しかったことから考案。「ボリュームがあるので、後半、少し加えると、また全然違う味わいになります」(木戸さん)。


「うちの濃厚な「コムタンスープ」(牛骨などからとるスープ)で担々麺を作ったら、絶対に究極に美味しい担々麺ができると思ったのです。そこからベースの味を作るまで何十軒も担々麺を出す店を食べ歩き、3カ月間ほど毎日、時には1日に2~3食作って研究しました」(木戸さん)。
それだけ思い入れがあるだけに、このスープを最後まで味わい尽くせるよう、担々麺を食べ終わった人に、まだお腹に余裕がありそうなら半ライスをすすめることもあるという。
何度も繰り返すが、これだけ手のかかったシメの料理が、12品3,000円のコースの中で味わえるのだ。
蔵元から取り寄せている、オリジナルブレンドの”どぶろくマッコリ”も人気

マッコリは甘口が多いが、これは濁り酒特有のコクはありつつもキリッとドライな飲み口で、発酵の微発泡による爽快さもあるため、焼肉との相性は抜群。「お酒が好きな方ほどハマる味ですが、ほどよい酸味もあって意外に飲みやすいので、マッコリが苦手という人もぜひ試してみてください」(木戸さん)。
「もっと焼肉を楽しめないか」…異業種からも貪欲に学びたい
木戸さんが食べ歩き好きなこともあり、肉の1枚売りを始めとする『板門店』スタイルには、異業種からインスパイアされたアイデアが多い。「焼肉店という本道から脱線してはいけないけれど、異業種から学べることはとても多いと感じています。僕は自分が偏食ともいえるくらい肉好きなこともあって、同じ肉好きな人に共感してもらえるのが何よりもうれしい。自分たちが創り出した味やストーリーを共有し、その輪を広げていけるように、情報としても咀嚼して伝えていくことが、これからの課題です」(木戸さん)。

【メニュー】
上ロース 440円(1枚)/2,200円(1人前)
カイノミ 293円(1枚)/1,760円(1人前)
上ミノ 424円(1枚)/1,271円(1人前)
スタンダードコース(全12品) 3,000円 ※受付人数2名以上
マッコルリの華 440円(グラス) 1,980円(五合徳利)
撮影:榊 智朗
※「石焼きビビンバ」「担々麺」のみ桑原恵美子
板門店
東京都大田区山王2-42-7050-5484-7862(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
11:30~24:00
(L.O.23:30、ドリンクL.O.23:30)
ディナー 17:00~24:00
(L.O.23:30)
営業時間中は店内飲食、テイクアウトいずれも可能です。少しでも安心してご利用頂けるよう、出来る限りの対策を日々試行錯誤を重ねて参りたいと思います。よろしくお願い致します。
不定休日あり
※年に1~2回程スタッフ研修のためにお休みを頂く場合がございます。
https://r.gnavi.co.jp/p778200/
この記事の筆者:桑原恵美子(ライター)