世界でも有数の漁場・三陸海岸を有する岩手県は、海の幸の宝庫であるだけでなく、前沢牛や短角牛など肉も美味しい。さらに県庁所在地の盛岡には「盛岡三大麺」と呼ばれる独特の麺文化が根ざしている。
白龍発祥の「じゃじゃ麺」

盛岡三大麺とは、お椀に一口大に盛った温かい蕎麦を「はい、どんどん」といった掛け声とともに次々と給仕するわんこそば、強いコシが特徴の盛岡冷麺、そして旧満州をルーツとする独特の麺料理・盛岡じゃじゃ麺だ。
わんこそばは麺自体は一般的な日本蕎麦、冷麺も焼肉屋などで身近なため、三大麺の中で最も聞き慣れない人が多いのは、じゃじゃ麺かもしれない。
旧満州がルーツ

今や市内でも数多くの店が提供し、東京のアンテナショップにも置かれているじゃじゃ麺だが、その発祥は岩手県庁近くにある1軒の店・白龍(パイロン)だ。
太平洋戦争前、旧満州に移住していた初代店主・高階貫勝氏が、現地の料理・炸醤麺(ジャージャー麺)の味にこだわってつくった味噌が味の要になっている。
秘伝の味噌がおいしい

こちらが白龍のじゃじゃ麺。うどんのような麺を12〜15分を茹でるため、コシはなくかなり柔らかい歯ごたえ。麺は注文が入ってから茹でられるため、着丼まではラーメンなどより少し時間がかかると思っておいたほうがいい。
麺の上には、粗みじん切りにしたきゅうりと秘伝の味噌がたっぷり。ひき肉や椎茸に加えて、黒ごまがたっぷり入ったようなコクのある香りが。
付け合せは、おろしショウガと塊の紅ショウガ。テーブルの上にはおろしニンニクやラー油があり、「お好みでどうぞ」と声をかけてくれる。
シメはスープに

味付けは上に乗っている味噌だけなので、味噌・きゅうり・麺をよく混ぜて食べる。味噌のコクと甘み、ごまの香ばしい香りが食欲をそそる。時間をかけて茹でられているので、熱々だ。
麺をほぼ食べ終わったところで、卓上にある卵を割り入れ、茹で汁を注いでもらうと「ちーたんたん」というスープになる。

少し麺や具を残して卵を入れるのがポイント。かきたま汁のようにホッとする美味しさだ。

お取り寄せも可能
お店は岩手県庁近くの本店と分店に加えて、パルクアベニュー川徳、盛岡駅のフェザンにも支店がある。店舗では、持ち帰りや地方配送も可能。
また、Amazonや楽天でも購入可能。観光で訪れるにはまだ時間がかかるかもしれないが、元祖の味をお取り寄せしてみるのもいいだろう。
【白龍 本店】
住所:岩手県盛岡市内丸5-15
(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)