結婚前、少ない給料をやりくりして作った貯金は、自分にとっての大切なお金。夫婦の共有財産でもないため、いざという時のために残しておこうと考えている方もきっと多いことでしょう。
7年前に離婚を経験した飯村優美さん(仮名・41歳)は、独身時代の貯金300万円を結婚後も手を付けずにいましたが、知らない間に全額引き出されていたとか。犯人は夫で、まったく悪びれる様子もなく「お金は母さんに渡した」と言っていたそうです。

300万円あったはずの通帳残高が数百円に
「『結婚した以上、独身時代の貯金も夫婦の財産だ。それをどうしようと俺の自由だ!』って法律を無視した持論を口にしたんです。
彼はもともと亭主関白なタイプで、好きだったころはそれが男らしくて頼りになると思ってましたが、家事や育児もすべて私任せで文句を言おうものなら大声で逆ギレ。まだ子供も幼かったので我慢していましたが、もう限界でした」
しかも、姑は金遣いが荒かったそうで、結婚した後もたびたび援助。彼が自分の給料や貯金から家計に支障のない範囲で仕送りするのは黙認していましたが、それが優美さん自身の貯金となれば話は別です。
「タンスの引き出しにカードと通帳を一緒に入れていたのですが、ずっと放置していたので利息分の記帳をしようと数年ぶりにその通帳を持って銀行に行ったんです。
けど、口座残高は数百円で引き出されたのは半年以上も前。お金を渡した相手が誰だか聞かされた時点で、戻ってくることはないだろうなって半分諦めていました」
貯金はほとんど残っていなかった
案の定、義母は300万円を旅行や買い物などに使ってしまい、ほとんど残っていませんでした。
「百歩ゆずって生活費ならともかく、1泊何万円もする高級旅館を泊まり歩いたり、何十万円もするブランド物のバッグを買いあさるとか。使い道を知って本当に腹が立ちました。私をいびり倒す鬼姑に散財させるために貯めてきたお金じゃないのに……」
夫と義母のナナメ上すぎる態度に離婚を決意
夫や義母からは謝罪や反省の言葉すらなかったそう。それどころか当時、息子さんを保育園に預けて仕事に復帰したばかりの優美さんに「お前の給料もあるし、今度から母さんに毎月仕送りできるな」と発言。これを聞いて、彼と夫婦としてこれ以上やっていくのは無理だと悟ります。
離婚を決意してからは、夫が独身時代の貯金を引き出したことをはじめ、家事や育児にほとんど協力しなかったこと、自分に対するモラハラ的な言動などの証拠をそろえたうえで弁護士に相談。
夫は外面を非常に気にする人物だったこともあり、なかなか離婚に同意してくれなかったそうですが、調停や裁判も辞さない強固な姿勢を見せたことでシブシブながら最終的には応じてくれたそうです。
「慰謝料は難しそうなので請求しませんでしたが、財産分与と使い込んだ貯金の返済はきっちり求めました。
お義母さんからは支払いのためにブランド物を処分することになったらしく、後から電話で恨みつらみを言われましたが、そもそも私のお金だと知って使っていたので夫のいわば共犯。文句を言われる筋合いはないので、『自業自得じゃないですか。人のお金を黙って使ったくせにどういう神経してるんですか!』と言い返してガチャ切りしてやりました(笑)」

前夫の件がトラウマで再婚になかなか踏み出せなかった
ただし、一括で用意できないと泣きつかれて分割返済に応じたにもかかわらず、期日にお金が振り込まれないこともあり、完済してもらったのは離婚から1年半後。子供の養育費は今のところ毎月振り込まれていますが、そのうち滞(とどこお)りそうで心配だといいます。
「今は再婚したので最悪養育費がストップしても生活はできますし、そこまで深刻には考えていませんけどね。
今の旦那とは前の夫の件もあって、再婚になかなか踏み出せませんでしたが、おかげでお金に対する考え方もしっかり分かりましたし、時間をかけて逆によかったと思っています。下手したらトラウマになって再婚せずに一生独身だった可能性もあるわけですから」
夫婦にとってお金のことは避けては通れない問題です。結婚後に考え方のあまりの違いに気づいて後悔することにならないように気をつけたいものですね。
―わたしの恋とマネー体験談―
<文/トシタカマサ イラスト/zzz>
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トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
(エディタ(Editor):dutyadmin)