―花房火月医師インタビュー その2―
40代になると顕著になってくる「シワ」。はなふさ皮膚科理事長の花房火月(はなふさ・ひづき)医師は、「多くの女性は、シワとたるみを別の原因からなる、まったく別の悩みだと考えています。実は肌のたるみが、深いシワの原因なのです」と言います(以下、コメントはすべて花房医師)。
シワとたるみがセットとは……! ここで一度、シワ3種類について学んでおきましょう。
まずは3種類のシワについて知ろう
①ちりめんジワ(小ジワ)
「乾燥した肌に現れる、浅く細かいシワです。表皮の角質内にある、NHF(天然保湿因子)や細胞間脂質が減少し、保湿力がなくなることが原因で起こります。
また真皮にある、コラーゲンやエラスチンなどの、肌にハリを持たせる成分が紫外線などで破壊され減少。一部が変性することで、肌の柔軟性、弾力性が失われることも一因です。この状態が進行すると、少しずつ深いシワになっていきます」
②表情ジワ
「笑ったり怒ったりするときにできるシワで、目尻や眉間、額などによく現れます。元の顔に戻ったときにシワが消えれば問題はありませんが、肌のハリが失われつつあると、何度も表情をつくるうちに、そのシワが少しずつ残るようになります」
③たるみジワ
「②と同様、肌のハリがなくなって現れるものですが、もう1つの大きな原因は、皮膚のボリュームがなくなったことにあります。
代表的なたるみジワは、『ほうれい線』『マリオネットライン』『ゴルゴライン』の3つです。こうしたシワは、実はたるみによるものです」
糖質制限ダイエットもシワの一因に
シワから発生するたるみは、あのダイエットも影響の一因になるそうです。

「糖質制限ダイエットを続けたことで、『たるんだ顔を治してほしい』という女性の患者様が増えています。私見ですが、40代以上の急速なダイエットは、確実に見た目が老ける印象です。しかも、糖質制限は医学的な根拠に乏しく、医学界では推奨されていないはずです。心血管系に負担をかける説もあります。急速なダイエットは、脂肪ではなく筋肉を落としてしまうことが原因だからではないでしょうか。筋肉だけを落とすと脂肪のみが体内に残り、リバウンドしてブヨブヨになってしまう。そして、顔のたるみを引き起こすのです」
たるませたくないなら、ダイエットはゆっくりと

「やや肥満体型の人が、2~3ヶ月で標準体重に戻そうとすると、たるみが出て老けている印象です。BMI(※1)では、『25~30未満』を肥満1度と判定します。一般的な女性であれば、BMI22で、『自分は普通体型だ』と感じると思います。芸能人など、美意識が相当高い人でBMIは20ぐらい。ですから、たとえば2~3ヶ月でBMIを25から20に減らすのは、あまりにも早すぎるペースということです。たるみを生じさせないためには、どんなに早くても標準体重に戻すまで、半年ぐらいはかけたほうがいいでしょう」
※1 BMI(Body Mass Index)はボディ・マス指数とも呼ばれ、肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。子供には別の指数が存在。
・BMI = [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]
・適正体重 = [身長(m)の2乗] ×22で計算
参考 e-ヘルスネット BMI(厚生労働省)
花房先生おすすめのダイエット方法は?
顔のたるみは避けたいけれどやせたい! でも、コロナ禍でジムに行くのはまだ気がひける……。そんな女性に最適なダイエット法とは?

「自宅でできる一番のオススメは、スクワットです。太ももは、『大腿四頭筋』『ハムストリングス』『大臀筋』『内転筋』という、体内で一番大きな筋肉が集中している部位なので、基礎代謝アップ、脂肪燃焼(ダイエット効果)、下半身の引き締め効果、全身の筋肉をバランスよく鍛える効果が見込めます。
一動作10秒ぐらいを1日20回行いましょう。かなり負荷がかかってつらいですが、完璧な姿勢で行うと体幹も鍛えられます。できる範囲から始めてみてください。1日何回かにわけるメリットはないといわれているので、連続で行いましょう」
運動の美肌効果は“高級美容液以上”

「体を動かすことは、高級美容液以上の美肌効果が得られます。定期的に有酸素運動を続ければ、新しく毛細血管がつくられやすくなり、すみずみまで血液が巡るようになります。そうして代謝が高まれば、汗腺と皮脂腺の働きもアップしますから、NHF(天然保湿因子)や皮脂膜が増え、肌が潤いやすくなるうえ、バリア機能も改善されます。
外で行う運動では、ウォーキングなどを取り入れてみることもオススメです。ルートにお気に入りの場所などを組み入れて楽しい目的のために歩くようにすれば、続けやすいかもしれません」
<花房火月 取材・文/内埜さくら>
花房火月(はなふさ・ひづき)
はなふさ皮膚科理事長。2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年、三鷹はなふさ皮膚科を開設の後、東京・埼玉で7院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科にも取り組む。著書に『やっぱり美人は、かかりつけの美容皮膚科を持っていた』など。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
