【もくじ】

パプリカとピーマンが同じ仲間だって知っていましたか?

今回はそのパプリカの中でも「赤パプリカ」のすごい健康効果について、大阪にある「グリコ健康科学研究所」の西野梓さんにお話しをおうかがいしました。

グリコの企業理念「おいしさと健康」に基づき、人の健康に役立つ食べ物や成分を求めて、さまざまな基礎研究を行っています。

パプリカってどんな野菜?

その昔コロンブスが新大陸で発見し、その美味しさに驚いたという「パプリカ」。
とくに「赤パプリカ」はスペインやハンガリーでは、健康素材として幅広く利用されています。

パプリカはナス科の多年草であるトウガラシ属トウガラシの栽培品種で、カラーピーマンの一種です。

日本で流通しているパプリカのほとんどは辛くないものです。

日本で流通しているものとはすこし形が違う、細長いパプリカのモックを、グリコ健康科学研究所の西野さんにもっていただきました。

実は若い世代ほど緑黄色野菜を摂っていなかった!

体に良いとされるニンジンやトマト、そしてパブリカなどの緑黄色野菜。

ーやはり美容のためには、緑黄色野菜をたくさん摂ったほうがよいですよね?

「はい。ただ少し前のデータになりますが、実は20代そして30代など若い世代ほど、緑黄色野菜の摂取量が低いんです。以下がそのテータになります」

図1 緑黄色野菜の摂取状況(2013年・年代別)

厚生労働省 平成25年国民健康・栄養調査

ーそれは驚きですね。どうしてでしょうか?

「おそらく全体的に野菜不足ということが原因として挙げられると思います。年配の方のほうが多いのは野菜の煮物などでニンジンなどを取る機会が多いのではないでしょうか?」

緑黄色野菜に含まれる抗酸化成分「カロテノイド」

ーどうしてレタスやキャベツの「淡色野菜」ではなく「緑黄色野菜」が体によりよいのですか?

「それは太陽の光から、緑黄色野菜自身の身を守るために合成するカロテノイドという有用成分を多く含んでいるからです。カロテノイドは、コーンの黄色、ニンジンのオレンジ色、トマトやパプリカの赤色、を作り出している天然の色素成分。カロテノイドの最も重要な機能は、活性酸素を消去する能力(抗酸化力)です」

紫外線や日々の生活でのストレスにより発生する活性酸素から「カロテノイド」が体を守ってくれるというわけですね。

「また、カロテノイドは人間の体の中では作れないため、食べ物から摂取しなければなりません」

図2 野菜に含まれる主要カロテノイドの含有量

Aizawa et al., Food Sci. Technol. Res., 13, 247-252 (2007)
引用文献記載データより、α-カロテン, β-カロテン, リコピン,カプサンチン, ルテイン, ゼアキサンチン,β-クリプトキサンチンの合計をカロテノイド量とした。

「カロテノイド」と「キサントフィル」

ーどんな緑黄色野菜に「カロテノイド」は多いのですか?

「ニンジンやトマト、ホウレンソウそして赤パプリカなどです。ただカロテノイドでも、ニンジンのβカロテン、トマトのリコピンなどの『カロテン類』と、コマツナ、そして赤パプリカに含まれる『キサントフィル類』では、その働きが大きく違うんです」

図3 各種緑黄色野菜のカロテノイド組成

Aizawa et al., Food Sci. Technol. Res., 13, 247-252 (2007)
引用文献記載データより、α-カロテン, β-カロテン, リコピンの合計をカロテン量,
カプサンチン, ルテイン, ゼアキサンチン, β-クリプトキサンチンの合計をキサントフィル量とした。

パブリカの成分にはどんなものがありますか?

実はこの「赤パブリカ」、カロテン類が10%に対してキサントフィル類が90%という奇跡の野菜。

そして7種類ものキサントフィルが含まれるといいます。

●カプサンチン
●カプソルビン
●カプサンチンエポキシド
●クリプトカプシン
●ゼアキサンチン
●β-クリプトキサンチン
●ククルピタキサンチン

パプリカキサントフィルの抗酸化作用ってどんな作用ですか?

活性酸素を除去するチカラ=抗酸化作用が、体のさまざまな老化や病気のを遠ざけてくれることはよく知られています。

たとえば、紫外線を浴びると「一重項酸素」と呼ばれる活性酸素が、細胞膜にダメージを与えます。そのダメージにより、シミやシワなどの原因となるわけです。

「パプリカキサントフィルは、β-カロテンはもちろんのこと、アスタキサンチンを超える抗酸化力があることがわかりました」

肌の紫外線のダメージ緩和にも「パプリカキサントフィル」が有効だというのが実験データにも表れています。

図4 キサントフィル類の抗酸化力比較(一重項酸素消去活性)

パプリカキサントフィルは体脂肪にも効果的!?

実はこのパプリカキサントフィル、体脂肪への有用な実験データもあるといいます。

「BMIが25以上30未満という、軽度あるいは中程度の肥満の方に、12週間パブリカキサントフィルを飲み続けていただいた結果、お腹の脂肪が減りました」

詳しいメカニズムについては研究中ということなのですが、ダイエットにも効果が期待できますね。

パプリカについていくつか、西野さんに聞いてみました

ここでいくつか「パプリカ」について西野さんに質問をしました。

ー黄色やオレンジなどパプリカにはいろいろな色がありますが、すべて成分はちがうんですが?

「色によって含まれる成分は異なります。カプサンチン、カプソルビン、クリプトカプシン、カプサンチンエポキシドの4種は、赤いパプリカ類からしか摂取できないキサントフィルです」

ーパプリカキサントフィルの効率的な摂取の仕方はありますか?

「パプリカの生産地であり、料理も数多くあるハンガリーでは、パプリカの肉詰めなどが有名ですね。脂溶性成分のため油と熱を加えるとより効果的に取れます。
また継続して摂取することで血中のキサントフィル濃度も上がることが実験でも分かっています」

―日本でもパプリカが栽培されていますか?

「はい。宮城県が生産地として有名です。ハンガリーでは細長いトウガラシを大きくしたようなものが主流ですが、日本ではピーマンを大きくまるくしたような形が多いですね」

日本の農家さんに栽培してもらったという、細長い形のパプリカ

まとめ

赤いパプリカに含まれる抗酸化成分「キサントフィル」のすごさが、グリコ健康科学研究所の西野さんの説明でよくわかりました。

とくに夏に向けて紫外線対策をしなければいけない時期、まず赤いパプリカを食べよう、と思いました。

紫外線対策だけでなく、運動をするときに体内で酸素を効率よく利用できるなど、まだまだ知らないチカラが「パプリカキサントフィル」にはあります。

美肌、ダイエットに効果のある「パプリカキサントフィル」、今後の研究がとても楽しみです。