【もくじ】

一生懸命ダイエットのために食事を工夫し、お菓子を食べないようにしていても、ある時期になるとすごくたくさん食べたくなったり、お菓子が止まらなくなったり…。誰でも、自分のホルモンバランス、生理周期に多少なりとも影響されてしまうことって、 ありますよね。

今回は、女性ホルモンをどうやって味方にして、ホルモンバランスを整えダイエットに役立てるかご説明します。ここで理想としているダイエットの結果は、スリムになることはもちろんですが、出るところはでて、ひっこむところはひっこむという曲線を持った女性らしい身体つきになる、ということを目標としています。つまり、健康的にバランスよくダイエットをすることが目標です。

食欲は生理周期により変化します

月経周囲の前半(生理はじめから排卵まで)には、しっかり食べ物をコントロールでき、間食もしなかったのに、排卵後から月経前の時期になると、夜になると食欲をコントロールできない、気分が落ち着かず突発的にドカ食いしてしまう、なんてこともありますよね。
このように、食欲は、生理がある場合、生理周期に大きく影響を受けているんです。このことを認識するだけでも、日々のダイエットを継続して成功させる助けになりますね。

女性ホルモンの種類

エストロゲン(卵胞ホルモン):
女性ホルモンとして最も知られています。脳から刺激を受けて卵巣で作られます。脂肪は不必要なところにつかないようにし、女性らしいめりはりのある身体つきにしてくれます。

プロゲステロン(黄体ホルモン):
こちらも卵巣で作られ、子宮の内側を整え妊娠しやすいようにし、妊娠した場合はこのホルモンがあることで安定して妊娠が継続できるんです。

この2つのホルモンが複雑に働いて、私たちのホルモンバランスは保たれています。どちらのホルモンも、脳から刺激をうけて、卵巣で作られます。脳をストレスから守るため、良質の睡眠をしっかりとり、また卵巣を守る栄養素をとるよう心がけることが大切です。

女性ホルモンの周期

第1段階:
月経期。生理の時のことですね。生理になった日を1日目とします。

第2段階:
生理終了後から排卵までの卵胞期。脳からの刺激により、卵巣で卵胞が成熟していく、排卵前の時期です。

第3段階:
排卵期。だいたい14日目くらいにおこり、女性ホルモンのエストロゲンの急な増加に反応しておこります。

第4段階:
排卵が終わって次の生理が始まる少し前までの黄体期。とくにプロゲステロンが分泌されます。この時期からドカ食いの危険時期に。食べたくなるうえに、運動もしたくなくなる時期。

第5段階:
月経前期。24日目から28日目くらいまで続きます。

月経がらみの問題は多くは第4期(黄体期)以降に起こります。この時期に、まずプロゲステロンが優位になります。そうすると、食欲が旺盛になり、身体がむくみやすくなります。1980年代の欧米の研究では、月経がはじまる10日前くらいから、夜になると代謝率が10%程度増える、という報告もあり、月経周期後半になると、身体はよりカロリーを効率的に燃焼させるとも言えるのですが、ただ、日本の研究では、月経周期によってカロリー燃焼の効率はあまり変わりがない、という報告もあるので(末田香里ら、月経周囲内の体組成と安静時エネルギー代謝量、名古屋女子大学紀要、第52号(家・自)39~43、2006)、まずは、この食欲の増加する時期にどうやってうまく対応するか、ということがポイントになります。

これらを踏まえて、ホルモンバランス・ダイエットを適切に行うには、自分の食欲の変化を知ることが大切です。もう一つは、女性ホルモンが作られる卵巣の機能を大切にすることが大切です。これには、ストレスをためない生活習慣、良質な睡眠、卵巣を保護するのによい栄養素を積極的にとることがお勧めです。

ホルモンバランスを整えてダイエット

生理周期前半にダイエットをするのがお勧め、ということはよく知られています。それに加え、今回お伝えしたいことは、生理周期後半がカギとなる、ということです。

生理周期からダイエットの方法を3つにわけ、ご説明しますね。生理周期後半の代謝が上がった時期を逃さないように以下の点に注意してダイエットを行うとより効果的ですよ。

①月経周期前半《ダイエットに最も適した時期、この時期にダイエットを頑張りましょう》

1日目から14日目くらいの月経周期前半は食欲がそれほどでもないので、食事量を制限することは比較的簡単にできます。月経周期後半のむくみなどもなく、気分もよいので筋トレ、有酸素運動ともに積極的に行い、筋力をつけながらダイエットを行いましょう。

②月経周期後半《食欲アップの時期、代謝も夜には高まるので、ちょっとした工夫で効果的なダイエットを》

15日目から23日目くらいは、食べる量が増えてくるとき。炭水化物はなるべく減らし、野菜や良質のたんぱく質をメインにとるようにし、ミネラルを補い、腹持ちがよいカロリーを抑えた食事をこころがけましょう。
どうしてもお腹が空いたら、ナッツ(くるみ、アーモンド、ピスタチオ、ペカンナッツなど)や、グレープフルーツなど果物を適量とりましょう。ただし、カロリーオーバーにならないよう、摂りすぎには気を付けましょう。この時期は食欲を抑えるのがつらいですが、気を引き締めてダイエットを続けることが大切です。

むくみやすく、冷えやすい身体になったりすることもあるので要注意です。無理に運動する必要はありませんが、軽いウォーキングや水泳、ストレッチやヨガなどで体の循環をよくし、ついでに気分も落ち着けましょう。夜更かしをすると食べたくなってしまうので、軽い運動や、少しぬるめの長めのお風呂のあと、スマホやテレビを遠ざけ、早めに寝て良い睡眠をとるようにしましょう。

③生理直前《頑張った自分に少しご褒美を》

24日目から28日目は、周期後半のうちでも最もいらいらしたり、食べたい、という気持ちが突発的に出て落ち着かないはずです。この時期はあと少しで生理になるので、軽い夜食など1日に1回は余分に食べることもOKとし、ここまで頑張った自分に優しくしてあげましょう。

卵巣を大切に守る栄養素でホルモンバランスを整える

卵巣を守るには、一般的にビタミンCなど抗酸化作用のあるものが好ましいですが、

・亜鉛
・ビタミンE
・ビタミンC
・EPA ω脂肪酸

などがおすすめです。その中でも今回は亜鉛、ビタミンEについてもう少しご説明しますね。

亜鉛

亜鉛は牛肉、豚肉など肉類、お魚全般、チーズなどに含まれます。ごまやピーナッツ、穀物や豆類にも亜鉛は含まれますが、含有量はそれほど多くないので、お肉やお魚など吸収率に優れた動物性の食品から摂るのがおすすめです。

また、魚介類の中でも牡蠣には特に豊富に亜鉛が含まれることが知られています。
亜鉛の成人女性の摂取推奨量は1日8mgです。お肉では、赤身の牛肉で、なるべく脂肪の少ない肩肉やモモ肉部分であればカロリーも少ないのでダイエットにぴったりですね。100gをいただくと5~7mgの亜鉛が摂取できます。小腹がすいたときにおやつにビーフジャーキーを食べると、100gで1日の摂取量がおおよそまかなえます。

ビタミンE

抗酸化作用を持ち、成人女性の摂取目標量は6mgです。上限は650mgと通常のお食事であれば摂りすぎる危険はまずありません。ひまわり油や紅花油がおすすめです。ナッツ類も多くビタミンEを含みますが、特にアーモンドは10粒、約14gで4.1mgのビタミンEをとることができます。魚介類ではウナギもビタミンEが豊富です。

ホルモンバランス・ダイエットを行う際に、注意したいこと

生理のある女性の場合、極端なダイエットにより体脂肪がある一定レベルより低下したり、強いストレスがかかったりすると、生理がこなかったり、遅れたり、早まったりする生理不順になることがあります。

このようになることは避けたいものです。万が一、もともと生理不順があったり、途中で症状が出たりした場合は、婦人科を受診して原因を詳しくみてもらいましょう。また、生理前に疲れやすい、頭が痛い、おなかが痛い、極端にいらいらするなどの症状がある場合は、月経前症候群の可能性がありますので、この場合も婦人科を受診してみましょう。

まとめ

今回は、私たちの体で大切な働きをしている女性ホルモンをうまくコントロールして、ダイエットを行うための知識をご説明しました。これを生かして、体に負担をかけることなく、きれいになるダイエットを、ぜひ心がけてください。

(参考文献、柏崎涼子 栄養医学ハンドブック 学習研究社、デニス・モーティモア 栄養療法ハンドブック、産調出版)