
甘酒は、なぜ、“飲む点滴”といわれているのでしょうか?
それは、ビタミンB群やミネラル、からだの中でつくることできない必須アミノ酸や整腸作用のあるオリゴ糖が含まれており、疲れた時や風邪の時に栄養補給の意味で行われていた点滴の内容に似ているからなんです。ただ甘酒を飲むのと、点滴をするのではやはり効果は異なってきます。
今回は、夏バテの予防にもぴったりな、甘酒の成分から見たダイエットへの活用法をお伝えしますね。
甘酒の歴史、昔から夏によく飲まれていた
甘酒の起源は古墳時代と古いものです。夏の俳句の季語としても用いられます。江戸時代には、一晩おくとできることからポピュラーになり、中には武士がお小遣い稼ぎで作って販売していたこともあるそうです。栄養が豊富であり夏の疲れをいやすことが経験的に知られており、昔から好まれていたようですね。
甘酒の種類
甘酒には、米麹とお米から作るもの、酒粕に砂糖を混ぜて作るもの、の二種類があります。
米麹を発酵させて作るもの
こちらは麹菌による発酵食品になります。発酵食品の良いところは、発酵によりアミノ酸やミネラル、ビタミンなどが増え、自然に体に良い物をとりこみやすいこと。ダイエット中に飲むにはこちらがおすすめです。
酒粕から作るもの
こちらは酒粕に砂糖を混ぜてつくります。そのため、甘さが強めかもしれません。
甘酒:発酵食品としての特徴
米麹から作った甘酒は、伝統的な発酵食品といえます。
甘酒をつくる方法はいろいろ紹介されていますが、甘酒がつくられる発酵のしくみを知ると、甘酒のダイエットへの利用方法もわかりやすくなりますよ。麹菌は日本で昔から安全に食の発酵に利用されてきた、白カビの一種です。他には醤油やお味噌の発酵にも使われています。麹菌がお米に繁殖(発酵)するときに生み出す酵素が、いまや世界にも知られている日本のうまみ=UMAMIを作り出しています。
甘酒は麹菌から作られた酵素(アミラーゼ)が、お米のでんぷんを分解し糖分になることで作られます。また、麹菌には100種類以上の酵素があり、これによりアミノ酸やビタミンなど豊富な栄養素を作り出します。とくに、麹菌の酵素(プロテアーゼ)がお米のタンパク質を分解することで豊富なアミノ酸を作り出します。
麹菌の活動に適した温度は30℃から40℃。アミラーゼやプロテアーゼなど酵素が一番働いてくれる温度が、だいたい60℃くらいといわれています。実はこの60℃という温度、麹菌自体がそれ以上活動できない温度であり、甘酒の発酵に大切な酵素だけが働くことのできる温度なので、覚えてきたいですね。
それ以上の温度になると、これらの酵素が失活し(働きにくくなる)、他の菌が増えることが予想されます。なので、発酵温度が60℃を超えると、甘さメインの甘酒から、酸味の強い甘酒になるそう。お家で甘酒を作るときも、温度を60℃くらいに一定に保つことがとても大切なんですね。
“火入れ”と呼ばれる、甘酒ができた後いったんしっかり加熱することでそれ以上の発酵を止めることができるので、甘酒の甘さを保つ事ができるのも、発酵やそれによる菌の性質を生かした方法です。乳酸菌が好むオリゴ糖が豊富なので、ここで乳酸菌をしっかり抑えることで、酸っぱく変化してしまうのを防ぐことができます。
また、保存期間は短くなりますが、 “生甘酒”として火入れをせず、酵素の働きを保ったまま頂くこともできます。
甘酒の栄養素まとめ、米麹から作ればカロリーは低く糖質は多め
以下いずれも100g中
・カロリー 81kcal:低カロリーですね。
・炭水化物(糖分) 18.3g:米麹の発酵によりブドウ糖が作られます。糖質が多く、おかゆと同じくらいのイメージです。
・脂質 0.08g:脂質はほぼゼロといえます。
・蛋白質 1.7g:製品により異なりますが、メラトニンやセロトニンの原料になるトリプトファン、その他リジン、メチオニンなどの必須アミノ酸を含有しています。
・その他:ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンB3ナイアシン、ビタミンB6、葉酸)、ミネラル(銅、マンガンなど)が含まれます。
また、発酵食品の特徴であるオリゴ糖(100mlあたり7.3g)が含まれ 整腸作用があることもダイエットにはお勧めです。美白効果のあるコウジ酸、ポリフェノールの一種であるフェルラ酸も含まれています。フェルラ酸は抗酸化作用も示します。
甘酒をうまく活用してダイエットを
飲みすぎない
甘酒には先にご説明したように、糖質が多く含まれています。食事を甘酒だけに置き換える、といったダイエット方法は、甘酒がブドウ糖を多く含むことや、甘酒がいかに栄養に富む食品といってもそれだけだと栄養に偏りがでてくるので、健康的に効率よくダイエットするにはちょっと難しいかもしれませんね。
それではどのように甘酒をとればよいでしょうか?甘酒をダイエットに利用するには、その栄養価とブドウ糖の量を考え、ダイエット中のどか食いを防ぐための一つのツールとしてお使いいただくのをお勧めします。
甘酒はカロリーが少ないうえに美味しいので、ついたくさん飲んでしまいがちです。ブドウ糖による血糖の急上昇を抑えるために一回の量を少なく(おちょこ1杯(18ml)程度)、1日100~150mlくらいまでにしておくのをおすすめします。この量だと、1日の量でおかゆお茶碗1杯程度の糖質をとるイメージになります。
飲むタイミング:食後や甘いものを食べたいときに代わりにおちょこ1杯
甘酒は飲むタイミングが大切です。糖質が多いので、おなかが空腹のときよりは、少し食べてから甘酒を飲む方が血糖の急な上昇を防ぐことができます。また夜休む前などにたくさん飲むとカロリーを消費しにくく脂肪に代わりやすいので注意しましょう。朝活動するときや運動する前後などに飲むのがおすすめです。
また、小腹がすいて突発的に甘いものや高カロリーのものを食べてしまうようなときは、代わりに、先に述べたようにおちょこ1杯の甘酒をのむことで、食べたい気持ちが和らぎ、おまけに良い栄養素を摂ることができるのでおすすめです。
糖尿病の場合は
糖尿病がある方の場合は、そのときの状態により、時々楽しむために召し上がることはできても、血糖のコントロールがつきにくくなる可能性があるので頻回にとることはおすすめできません。そのような場合は、米麹の甘酒は摂らず、酒粕をお食事に取り入れたりすることは可能かもしれません。いずれにしろ無理をせず、医師の指示にしたがってください。
まとめ
今回は、暑い夏を快適に、元気に、ダイエットに成功するため、甘酒を利用する方法をご説明させていただきました。皆様のお役に少しでもたてたら嬉しいです。