
今日は、暑くなってきた今の季節にぴったりの、さわやかな緑茶に多く含まれるカテキンのダイエットへの効能について説明します。
カテキンって何?
カテキンはポリフェノールという植物がもつ成分の一種です。ポリフェノールとは、植物が光からエネルギーを作り出す“光合成”によってできる色素や苦み成分です。良く知られている物ではワインにも含まれており、抗酸化作用を持っていることから適切に摂れば健康増進に役立つと考えられています。つまり、カテキンもその機能や健康への効果が期待されています。
ちなみに、ポリフェノールの中にはイチゴに含まれるエラグ酸(美白効果)、コーヒーに含まれるクロロゲン酸、胡麻に含まれるセサミン、ウコンに含まれるクルクミンなど、身近な食材に含まれているものもあります。
カテキンの歴史
カテキンの名前の由来は、インドなどに生えているアカシア・カチューというマメ科の植物から抽出された“カテキュー”と言われています。1832年にドイツの学者であったNees von Esenbeckがカテキューから作られた結晶の名前を“カテキン”と名付けたそうです。
その後 1920年代から30年代にかけ、今知られている主なカテキンの成分4種類が発見されました。
カテキンの種類
その成分とは
エピカテキン
エピガロカテキン
エピカテキンガレート
エピガロカテキンガレート
の4つです。このうち、なんと3種類は日本人の科学者が日本の緑茶から発見したそうです。
エピガロカテキンガレートがダイエットに効果あり
4種のカテキンの成分のうち、お茶に一番たくさん含まれているのが、エピガロカテキンガレート(EGCG)。ガレート型のカテキンに、特にダイエット効果があることが期待されているんです。
カテキンは今では抽出や精製技術が発達し、多く作られるようになったので、カテキンの健康への効果についてさまざまな研究が進んでいます。
カテキンの効果
それでは、カテキンのダイエットへの効果について、いくつかご説明しますね。
カテキンの体重や体脂肪への効果
この研究は、茶カテキンを飲むことでダイエット効果を見たものです。12週間、つまり3ヶ月間飲んだところ、体重、体脂肪ともに、減ることが確認されました。その他にも、おなじよう研究があります。カテキンを飲み続けると、ダイエット効果がありそうです。
Tsuchida T et al. Prog. Med., 22, 2189-2203, 2002
Auvichayapat P et al., Effectiveness of green tea on weight reduction in obese Thais: A randomized controlled trial. Pysiol Behav. 27; 93(3); 486-91, 2008.
飲み続けることで運動時の脂肪燃焼量アップ
2週間高濃度カテキンを飲み続けてその後ウォーキングをすると、何とカテキンを摂っていた方が、脂肪燃焼量が多くなりました。つまり、カテキンを続けて摂っていると、運動時のダイエット効果も高まり、やせやすくなる、ということですね。
なんでカテキンがダイエットに効果があるのか
カテキンのダイエット効果に関しては、身体の中での熱、つまりエネルギーを作り出すこと、ひいては脂肪燃焼により起こっていると考えられ、そのメカニズムが次第に明らかになってきています。
カテキンはノルエピネフリンという熱産生、脂肪燃焼に働きダイエットに効果的な神経伝達物質を、ある酵素の働きを抑えることで増やしてあげる、ということを通して脂肪燃焼に役立っている、というのがメカニズムの一つと考えられています。
つまり、
①カテキンは脂肪燃焼に役立つノルエピネフリンを抑えてしまう酵素の働きをブロック;ノルエピネフリンが働きやすくなる
②ノルエピネフリンは熱を産生しエネルギーを使う;脂肪燃焼↑;ダイエット効果
Shixian Q et al., Green tea extract thermogenesis-induced weight loss by Epigallocatechin Gallate inhibition of Catechol-O-Methyltransferase. J Med Food 9(4): 451-458, 2006.
緑茶の種類とダイエットからみた特徴

緑茶にもいろいろ種類がありますが、基本的にはダイエットの効果をあげるため、カテキンの含有量が多い煎茶などがお勧めです。またカテキンは成熟した葉(番茶)よりも若い芽に多く含まれているという特徴があり、同じ煎茶でも、一番茶(新茶)や二番茶(新茶の後に発芽した新芽を摘み取ったもの)の方がカテキン量を多く含みます。
カテキン含有量(茶葉100g中の量)
煎茶 14.70~12.90g
番茶 12.45g
玉露 14.10~10.78g
抹茶 6.50~6.20g
煎茶
煎茶は新芽がでてから摘み取る前までずっと光を浴びて育ち、光合成がさかんに行われます。光合成によりつくられるカテキンの量が最も多いお茶といえます。ダイエットには最もおすすめですね。ちょうどよい渋みとさわやかな甘みが特徴です。
その中でも高級茶葉として知られる“玉露”。新芽が出たとき、もしくは摘む前3週間の間、日光を遮って栽培します。遮光すると光合成がおこなわれないのでカテキンの生成量が通常の煎茶より少なくなり、渋みが少なく甘みを感じやすいお茶の風味になります。
煎茶は比較的カフェインも多めなので、食前や食後、運動前などに飲むのがおすすめです。
抹茶
抹茶は玉露の同じくらい遮光して育てたてん茶の茶葉を石うすで粉末状にしたもの。
いっぽう、粉末緑茶、と呼ばれるものもあり、こちらは煎茶を粉末状にしたものです。カテキンの量から考えると、ダイエットには抹茶より粉末緑茶を摂る方がおすすめです。
玄米茶
炒った玄米と茶葉をおおよそ1:1の割合で配合したお茶で、抹茶を混ぜているものもあります。その香ばしい香りが特徴です。カフェイン量は少なく、どなたでも飲みやすいお茶です。
玄米が入っているため、カテキン量は通常の緑茶よりやや少なめです。その代り、玄米に含まれるビタミン類をとることができ、ダイエットの時の栄養バランスを整えるのにも役立ちます。おすすめは、暖かいお茶を食事中にとっていただくことです。これにより代謝を上げることができます。
番茶
夏以降の比較的遅い時期に収穫されたお茶などをさします。渋みもあるけれどさっぱりした淡白な味なので、飲みやすいですね。
カテキンに関しては、若干煎茶と比べ劣りますが、腸の調子を整えるために大切なポリサッカライドや血糖を上げすぎなくしてくれるサポニン類は多めなので、食べ過ぎたときに摂るなど、時に応じて使い分けるといいですね。
なお、代表的なお茶のカテキン含有率を以下に記載しますので、参考にしてみて下さい。乾燥茶葉に含まれるカテキンの割合です。
•煎茶:12%
•番茶:10%
•玉露:9%
•ウーロン茶:7%
•ほうじ茶:2%
•紅茶:2%
緑茶の飲み方
では、どのようにカテキンをダイエットにとりいれたらよいでしょうか?
化学的に抽出、精製された高濃度茶カテキンとして、サプリメントや飲料がありますが、ここでは、普段の生活でも行える、緑茶からカテキンを摂る方法を考えたいと思います。
お茶の種類や産地、摘んだ季節、そして湯のみの大きさや緑茶の抽出時間などによって異なりますが、お茶1杯にカテキンは約50mg〜100mg含まれるといわれています。ダイエットにカテキンを用いた研究では1日300mg-500mgくらいを摂っていることが多いので、1日に約5杯ぐらいがよいでしょう。体調が悪い時、疲れている時、もともと持病がある場合は、少なめにしましょう。
お茶にはカフェインが含まれており、利尿作用があります。たくさん飲むと、かえって脱水になるかもしれません。
したがって、お茶はあまりたくさんとりすぎるのもおすすめできません。
また、含有しているカフェインにより夜眠れなくなる場合もあるので、睡眠の直前には飲まないようにしましょう。
お勧めの時間
カテキンを摂ることでさらに脂肪の代謝を上げるため、運動前や運動後がまずおすすめです。
また、食事に含まれる脂肪の吸収を抑制することもあり、食事の前、食事中、食後など、がお勧めです。
夏におすすめ 水出し緑茶
少ない量でカテキンをしっかり摂りたい場合は、もちろんお湯で緑茶を淹れるのがお勧めですが、お湯で出すお茶に比べ水出し緑茶では、
①うまみ成分のテアニンの抽出量が増えカテキンの量は減るので、渋みがおさえられ緑茶本来のうまみをより強く感じることができる
②カテキンとしてトータルの抽出量は減るが、エピガロカテキンの量は増える
③カフェインがほとんど抽出されないので、お子さんや妊婦さんにも比較的安心して飲める
といった特徴があります。
水出し緑茶のつくりかた(約2杯分)
ポットに茶葉(10g程度、だいたい大匙2杯)を入れ、水(300ml)注ぐ。そのまま5分ほど放置し、急いでいる場合すこしポットをゆする。氷をカップに入れ、そのうえからお茶を注ぐ。
まとめ
今回は、夏のダイエットに役立つカテキンのことをご説明しました。
ぜひすっきりとした冷たい緑茶を飲んで、ダイエットに役立てていただけたらと思います。
【参考】
1)日本カテキン協会HP より
2)茶の機能—生体機能の新たな可能性:村松敬一郎編、学会出版センター