ダイエットで大切なことは「摂取カロリー<消費カロリー」を考えることですが、単に「食べない」というのはNGです。では、ダイエット中の食事はどんなことを気を付ければいいのでしょうか?
『やせられないのは「夕方の空腹」が原因だった!』で、“ゆる5食”という新しい食事のタイミングについて提唱されている管理栄養士の浅野まみこ先生にお話をお伺いしました。
Q.いきなりですが、ゆる5食のメソッドを教えてください。
「ゆる5食はダイエット法ではないんですよ。(笑)ただ、結果として痩せやすい方法の1つです。食事は、しっかりとカロリー計算をしなくても、大丈夫です。また、「間食はダメ!」と決めつけるよりも、1日の食事をゆるく5回ぐらいに分けて食べる方が、ストレスもなく、お腹も満たされて、栄養バランスが摂りやすいんですよ。ということを提唱しています」
― なぜ5食なのですか?
「ゆる5食は、5食しっかり食事をするというわけではなく『必要な栄養素を分けて摂る方法』として1日の食事を5食に分ける食べ方なんです。
昔に比べ、現代人の生活は早朝から深夜までと1日の活動時間が長くなっています。その長くなった活動時間に合わせた「食べ方」として、食事の回数を増やしても良いのではないでしょうか?
気をつけておきたいのは、1日の食事量を2食分増やすのではなく、1日の食事を5回に分けるということなので、そこを間違えて5食をがっつりと食べると単なる食べ過ぎですのでお気をつけてくださいね」
― “ゆる”と付いているのには理由がありますか?
「“ゆる”ってついている理由は“必ず5食食べなければいけない”というわけではないからです。本当は、4食でも3食でもいいんですよ。回数にこだわっているわけではなくて、間食や夜食を考えて、5回ぐらい。と考えたら、空腹とも戦わなくていいですし、何よりも我慢や無理がなく、栄養バランスが整いますよね。実際に、病院などでは消化の負担を考えて1日の食事を6回に分ける6回食という考え方もあります」
Q.ゆる5食のタイムスケジュールを教えてください

「5食食べるタイミングは
【朝/昼/15~16時(おやつ)/夕/21時】
を基本としています」
1食目:朝食
― 1食目の朝食では何を食べるとよいですか?
「1食目となる朝食は、体を動かすエネルギーとなるご飯やパン、麺など炭水化物を中心におかずを合わせるといいですね。朝は、排泄の時間でもあるので、そのサポートをするビタミンやミネラルが多く含まれる野菜や果物もおすすめです。
これからエネルギーを使う時間ですから、ケーキや高カロリーのものなんかは、朝に持ってくるのもいいですね。「朝食を食べない」人が多くなっていますが、1日のスタートは、何かしら口にする方がおすすめです。私は、朝食をインスタにアップしているのですが、本当にざっくりとした食事をしていますよ。
味噌汁は具沢山にして、他にはご飯とおかずが1品あれば上出来です。味噌汁も、インスタントに湯を入れることもあるぐらい!毎日の食事は、難しく考えず、ゆるくていいんですよ。インスタの写真を見ていただくとわかるのですが、一瞬しっかり作っているように見えるでしょう?実は、色をカラフルにするとそれだけで、インスタに対応するような華やかな朝食に見えるんですよ。 手抜きして美味しそうに見せるコツは、生で食べられる赤色の野菜(トマトやパプリカ)、緑の野菜(かいわれ、クレソン、しそ)、や果物をちょっと添えることです。(笑)
ちなみに、写真で撮ってみてきれいというのは「栄養バランス」がよい証拠です。朝でも夜でも写真に残しておくとレコーディングにもなるので、おすすめです」
― フルーツを食べるならやはり朝がいいのでしょうか?
「フルーツを食べるなら夜ではなく朝がおすすめです。果物には「果糖」が入っています。果糖は、中性脂肪に変わりやすいため、消費エネルギーが少ない夜に食べると効率的に中性脂肪を溜めてしまいます。中性脂肪として溜め込む前にエネルギーとして消費される朝と昼に食べるようにするといいですね」
2食目:昼食
― 昼食は何時くらいが目安ですか?
「11時~遅くて14時くらいでしょうか? お仕事に合わせて・・・となると思いますが、だいたい同じくらいの時間帯に食べられるといいですね。せっかくのお昼ですし、午後まだエネルギーを消費するはずですので、細かく考えずに、食べたいものを食べてください。欲を言えば、炭水化物に偏らせないで、魚や肉、卵などたんぱく質のものを入れるようにするのがおすすめですよ」
3食目:15~16時
― おやつタイムではどんなものを食べたらいいのでしょうか?
「おやつタイムは、甘いものと思いがちですが、間食=お菓子ではなくて、間食=不足している栄養素を補給するタイミングと思ってみてください。
例えば、女性はたんぱく質、カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛などがが不足しがちです。
おすすめは、おつまみコーナーで売っているものです。ナッツや、煮干し、うずらの卵の燻製、ゆで卵、チーズ、ヨーグルト、するめ。塩分が高いことは、頭に置きつつもこうした食品は、不足しがちな栄養素が豊富です。
ナッツ類には、ビタミンEを始め、オメガ3脂肪酸、カリウムなどが入っていますし、チーズ、にぼし、うずらの卵の燻製、ゆで卵などは、代謝や美容に必須のビタミンB群が豊富。それに腹持ちもいいですね。
私は、無塩の煮干しとナッツを買ってきて、小さな容器にミックスして持ち歩いてます。小腹が空いた時には、かなりおすすめですよ。
食べる量は、アーモンドで10〜15粒。卵なら1個程度。煮干しは、片手半分ぐらい。こうした間食のことを最近では、ヘルシースナッキングと呼ばれています」
4食目:夕食(18~21時)
― 残業がある場合はどのタイミングで食事をすればいいですか?
「その日に、残業や、何かの会、勉強会や趣味のことなどがあるかによってタイミングを変えましょう。
例えば、残業が決定したなら、空腹を我慢せず、おにぎりやサンドイッチなど炭水化物をちょこっと食べましょう。空腹では、気が散ってしまいますよね。少し食べれば、お腹にも溜まりますし、血糖値がグイッと上がってやる気が出るので、残業がはかどります。セミナーなどの頭を使うような会に参加される方は、始まる前に炭水化物を食べて血糖値を上げてから参加するほうが、記憶力が良くなってセミナーに集中することができますし、運動されている方は、炭水化物(糖質)を体に入れてから運動したほうが、運動能力が上がって、パフォーマンスも向上します」
5食目:夜食
「それらが終わって帰宅してから夜、食べるのは、おかずです。「お腹空いたな~何か食べたいな。」と思って、ラーメンやご飯をばくばく食べては、バランスが崩れます。ここで食べるのは、1日で不足しているたんぱく質と野菜です。肉や魚、卵、大豆は手のひら半分ぐらいが1回量です。野菜は、外食では食べるタイミングが少ない赤・黄・緑の野菜を意識して食べるといいですね。最近ではコンビニでもこうした食品は売っていますので、たまにはそういった食品も利用するのもいいですよ。
これは帰宅が遅くなる場合ですが、早めに帰って夕食をしっかり食べることができるなら、そこで4・5食目をまとめて食べてしまっていいんですよ。夜食は、ジンジャーティーなどをどうぞ」
― なるほど。就業後のセミナーでお腹が鳴りそうな時が多々あるので、始まる前に食べてから行くのを実践してみようと思います。
「そうですね。実は太る原因は、
①栄養バランスが崩れていること
②バランスが崩れていると空腹感が強く出ること
③我慢できずに間食をしたり、余計なものを食べてしまうこと
が大きく影響しているんです。“夕方にお腹が空く”=夕方の空腹を必死に我慢するよりも、食べていいんです!(ただし、カラダに必要なものを中心に!)栄養バランスを整えて、カラダに必要なものをゆる5食で摂り入れると気持ちもラクですね。夕食が遅くなりそうなら先に食べたり、空腹にならないように工夫しながら食事をするのがおすすめですね」
Q.血糖値が下がったタイミングで食事をすると良いというのは本当なのでしょうか?
「血糖値が下がったところで、食事をするのは良いことなので本当です。
ご飯を食べてそれが分解されて糖が血中に入って血糖値がグーッと上がるのが1時間くらい。
そのあと、インスリンの作用によってエネルギーに変換されてもとの値に戻るまで1~2時間くらいと言われています。その血糖値は、しばらくは維持されますので、最低でも2〜3時間は間を開けたいですね。
問題なのは、血糖値を急激にあげるような食べ方です。急激に血糖値を上げると、同じようなスピードで急降下します。体にも大きく負担がかかりますし、糖化の原因にもなりますよ。血糖値は、緩やかにあげるような食事が大切です。
そのためには、野菜など食物繊維を最初に食べること、細かい糖質(小麦粉などの粉類、砂糖、ジュースなど)ばっかりを食べないことです。空腹を感じる時は血糖値が下がってきているサインなので、そのタイミングで食事をしましたいですね」
Q.ゆる5食では1日の摂取カロリーの目安は決まっていますか?

「カロリーについては1日の必要摂取カロリー前後で良いと思いますが、特にカロリー計算をしたりする必要はないですよ。カロリーよりもどのぐらい必要な栄養素が摂れているか、代謝が良い状態かを考える方が大切です。
しかし、目指したい体重がある方は理想体重を計算しておくといいかもしれません。理想体重というのは、身長に対してのベストな体重のことです。
▼標準体重の計算式
身長(m)× 身長(m)× 22
身長に対してベストと言われている体重を計算することができます。
* 22が一般的ですが、女性の場合は20ぐらいを考えると綺麗な体型です。
(例)1.6(m)× 1.6(m)×22=56.32
身長160㎝女性の場合の標準体重は56㎏程度ということがわかります。
次に1日に必要な摂取カロリーを計算します。
計算式:標準体重×25~30(kcal)
(例)56×30=1,680(kcal)
身長160㎝女性の場合、1日に必要な摂取カロリーは1,680kcalであることがわかります。
一方、「今56kgだけど50㎏まで体重を落としたい!」と目標がある場合は、
50㎏(理想体重)×30=1,500(kcal)と計算することができます」
Q.その他、ダイエットを成功させるコツがあれば教えてください。
まずは水を飲みましょう
「まず、ダイエットを始めようと考えている方は「水を飲む」ことから始めてみてください。普段、たくさん飲んでいるよ~という方はいいのですが、少ないと感じている方、結構多いと思います。そういう方は、できれば1日1.5~2ℓを目安に水分を摂ることを心がけましょう。食事や野菜、果物に入ってくる水分も換算しますので、飲む量としては、1.5Lぐらいですね。コップ8〜10杯ですね。水をきちんと飲むことによって、排泄しやすくなったり、むくみが取れやすくなります。水分不足は、代謝を落とす原因ですし、老廃物が溜まって、肌荒れの原因にもなりますので、まずは、体の中の流れを良くしましょう」
次に『運動』をしましょう
「食事制限だけよりも『運動』を合わせることが効果的ですね。まずは、ウォーキングやジョギングなど「消費」する有酸素運動を意識しましょう。もちろん、ストレッチをして筋肉の収縮をするだけでも流れは良くなります。運動が苦手な方、あんまり歩けないという方は夜に筋肉をきちんと伸ばして関節を動かし、リンパの流れを良くするだけでも体が整って痩せやすい体になっていきます」
お酒は我慢したほうがいいのでしょうか?
「お酒は飲んでも構いません。とはいっても、ある程度量と種類は考えた方が良いですね。
種類では、糖質を下げるのであれば、サワーやハイボールなどが糖質が含まれないためおすすめです。ポリフェノールを取りたいなら、赤ワインですね。赤ワインに含まれるレスベラトロールは、抗酸化成分の他、肥満を軽減する効果も期待されていますよ。
ただし、アルコールにもカロリーはありますし、アルコールで代謝が滞るのも事実です。
食べたり飲んだりしたものが体脂肪として体に溜まるにはのは、だいたい7~10日後です。1日や2日では体重に反映されません。食べ過ぎた・飲み過ぎたと思ったら次の日の朝食と昼食などで帳尻を合わせて、1週間をスパンに考えましょう。
携帯をいじりながらやテレビを見ながらの「ながら食べ」は絶対しないこと。ながら食べは食事に集中していないから満足度が下がってしまいます。食事のときは、大勢なら会話を楽しんで、一人なら食事に集中して食材や味わいを堪能してみましょう。「食生活を楽しむ」ことがダイエット中の食事にも必要で、成功させるコツだと思います」
まとめ

「食事を摂る時に意識してほしいことは毎日同じ時間に食べて体にリズムをつけることです。でも、ランチタイムや休憩時間はお仕事によって違いますし、食事をするタイミングは人それぞれですよね。なので、「この時間に絶対食べること!」といった決まりはありません。自分の生活リズムの中で食事の時間を毎日一定に合わせること。3食でも5食でもこれが大前提です」(浅野先生)
ゆる5食とダイエットについて浅野先生に教えていただきましたが、いかがでしたか?
ゆる5食の食べ方をマスターすれば、ダイエット中の食事制限は過酷で辛い・・・といったイメージは払拭されますね。ダイエットのみならず、普段の健康を維持するためにもゆる5食を実践してみてはいかがでしょうか?
また、食べたものが脂肪になるまで1週間の猶予があるということを覚えておくと心に余裕ができてダイエット中でも過剰なストレスを溜めずに済みそうな予感。食生活を改善したいと思っている方にもおすすめの食事方法で、ダイエットを成功させましょう!
▼さらに詳しく知りたい方はこちらもどうぞ
・やせられないのは「夕方の空腹」が原因だった~1日“ゆる5食”のすすめ<前編>
・ランチが遅い人、朝食を摂らない人はどうすればいい?~1日“ゆる5食”のすすめ<後編>