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薄着の季節になると、気になってくるのが首やデコルテ周りのもたつき。夏服を着て「体重は増えていないのに、なんだか去年より太って見える」と思ったことはありませんか?それは「気」がつまったプレ肥満「気太り」かもしれません。さまざま不調の元にもなる「気太り」を解消し、即効でスッキリ小顔になる「秒速5センチのさするケア」を、鍼灸、薬膳、気功など幅広い知識をもつ中国医学のエキスパート・瀬尾港二先生に教えていただきました。

体重は変わらないのに太って見える

今年は5月から夏日が多く、もう衣替えをして初夏の洋服を着ている人も多いのではないでしょうか?

晴れた爽やかな日に、去年のお気に入りのキャミソールやタンクトップを着てみたら「なんだか似合わない」「太ったように見えてがっくり」なんてこと、よくありますよね。

体重は去年とそれほど変わっていないのに、なんだか印象が全然違う。それっていったいなぜなのでしょう?

もやっと不快な”気太り“って何?

「それは“気太り”のせいかもしれません」
というのは、品川の鍼灸院アキュサリュート高輪の瀬尾港二院長。

―“気太り”ってなんですか?

「体重を測ると前と変わっていないのに、なんとなく体が重苦しくって、もやっと詰まったような不快感を感じることがありませんか?」

―あります!なんだか頭も体もスッキリしなくて、「痩せたい!」「痩せなきゃ!」って思うんだけど、人からは「変わってない」って言われるし、実際に体重を測ってもそんなに増えてはいないんです。

「それが、“気太り”です。数字に表れるのは肉の肥満。でも肉の肥満じゃない、”気“による肥満っていうのがあるんです。気“が滞りなく流れている人は、見た目もスッキリとして、はつらつとしています。”気“の流れが悪くなると、本人もつまったような重苦しさを感じるし、人から見てもなんとなく重苦しい印象になってしまうんです」

原因は”気“のつまり~“気太り”チェックテスト

中医学では“気の流れ”が悪くなることが、さまざまな不調のはじまりと考えています。

“気が”つまった”気太り“も、未病のはじまり。放っておくと本格的な”肉太り“になるだけでなく、肩こりや頭痛、目の疲れなど、さまざまな不調を引き起こすこともあると瀬尾先生はいいます。

・体重は変わらないのに太った感じがする
・顔がむくんでいる
・あご周りがたるんでいる
・デコルテがもたついて、鎖骨が埋まっている
・後ろ姿がすっきりしない
・首がつまっている
・首コリや肩コリがひどい
・目が疲れやすい
・動きがどたどたしがち
・あまり動きたくない
・ぼーっとしてやる気がでない
・気分がもやっとして重苦しい

これらに思い当たる人は”気太り“の可能性大。

「春から梅雨にかけてのこの時期は、気が上に昇って、詰まりやすくなる季節です。頭がぼーっとしてきたり、首がつまって首コリや肩コリがひどくなる。睡眠にも影響してきます。本格的な肉の太りになる前に、気太りを消しておきましょう」

気太り解消には秒速5センチの「さするケア」

「気太りを解消するには、首のつまりを取ることが大切です。まずは首の「さするケア」で、気の流れを改善してあげましょう」

そのポイントとなるのが「胆経」という経絡。胆経は目じりから始まり、側頭部、首の横、肩を通り足先まで続いている気の通り道です。

やり方はとても簡単。
「首を上から下にさするだけ」

もう少し詳しく説明すると「人差し指から小指までの4本の指を揃えて耳の後ろに添え、鎖骨の中央に向かって、首を軽くさすり降ろしていく」というもの。

これを3分ほど続けるだけで、気の流れが改善し、スッキリ顔痩せできるそうですが、本当にそんなに簡単に効果があるのでしょうか?

「さするケア」のコツ

―たださするだけでいいんですか?

「ポイントは筋肉をほぐすのではなく、気を動かすということです」

気を動かすための秘訣が、秒速5センチというゆっくりしたスピード。リラックスして力を入れず、さすることが重要なのだそうです。

胆経を軽くさすることで“気”を動かせば、血や水の巡りがよくなります。首のつまりが抜けて、顔も頭もすぐにスッキリしてきます」

気は秒速5センチで流れている

―なぜ秒速5センチなのですか?

「気は経絡を通って、毎日全身を50周しています。経絡をつないだ長さに50をかけて、一日の長さ86,400秒で割ると秒速5センチ。中医学ではこれが、気が流れるスピードだとされています」

触れる速度が違えば、人の体や感情に及ぼす影響が違うということは、さまざまな研究からも証明されています。

「スウェーデンで認知症の方へのクリニカルマッサージでも、秒速5センチのゆっくりしたマッサージが最適だとされています」

桜美林大学の研究でも、もっとも副交感神経が優位になる、つまり人がいちばんリラックスする触れ方は“秒速5センチ”だという研究結果が出ています。

何千年も前から秒速5センチを知っていた中医学って、不思議ですね。

ガチガチの首をほぐす最強ツボストレッチ

”気太り“が首のコリの原因になることもあれば、首のコリが原因で、”気太り“を招くこともあります。

「筋肉がガチガチに固まったような首コリの場合は、ツボを揉みながら同時にストレッチをする“ツボストレッチ”で首の緊張をほぐしましょう。同時に刺激を加えることで、効果が何十倍にもなります」

ガチガチになった首をほぐす手のツボ

「首には手から頭に続く何本もの経絡が通っています。首を直接刺激するよりも、手のツボを刺激しながらのストレッチが効果的です」

首の前のコリには、合谷(ごうこく)。痛気持ちいい程度の強さでもみほぐしながら、あごを上げ、首の前側をストレッチする。1分程度。

首の横のコリには、外関(がいかん)。痛気持ちいい程度の強さでもみほぐしながら、首を左右に倒して、ストレッチする。左右各1分程度。

首の後ろのコリには、後谿(こうけい)。痛気持ちいい程度の強さでもみほぐしながら、首を前に倒して、ストレッチする。1分程度。

<まとめ>

首のつまりは、気のつまり。気のつまりは”気太り“の元。

首のつまりを取る「さするケア」と「ツボストレッチ」で、スッキリと流れのいい体をつくりましょう。

瀬尾港二先生プロフィール
アキュサリュート高輪院長。はり師、きゅう師、按摩マッサージ指圧師。日本中医学会事務局長。ICU理学科卒業後、北京中医学院に入学。卒業、帰国後は後藤学園附属はりきゅう臨床施設院長を経て現職。著書共著に『中医食療方~病気に効く薬膳』(東洋学術出版社)、『フローセックスー中医学に学ぶ安らぎと幸福の性愛術』(アスペクト)など。

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