食欲が自然に抑えられて、ストレスなく3ヶ月で10kg痩せに成功!という人もいれば、高いサプリメントを買わされて、結局全然痩せなかったという声も聞く“耳ツボダイエット”。
耳ツボって本当に効果があるの?痩せる人と痩せない人がいるのはなぜ?サロンに行かなきゃダメ?自分でできるお手軽な方法ってある?
耳ツボ療法は、中国の国立病院でも取り入れられている、れっきとした治療法。ダイエットだけでなく、美肌、肩こり、精神疾患など、さまざまな病気の治療に利用されています。
国際鍼灸医師として、中国で数多くの現場を体験した私が、だれでも簡単にできて結果がでる耳ツボダイエットをご紹介します。

耳ツボダイエットとは?
まず、耳ツボとはなんぞや?ということをカンタンに説明します。
耳ツボ療法にはふたつの流れがあります。
中国式耳ツボ
ひとつは二千年以上前にできた中国の耳鍼療法。人の体には頭の先から足の裏まで、たくさんのツボがあります。
このツボとツボをつないだものを経絡(けいらく)と呼びます。電車にたとえてみると、経絡は山手線や中央線、ツボがそれぞれの駅のようなもの。
耳は駅でいえば東京駅のようなもので、多くの路線(経絡)が集まっている部位。そのため、耳を刺激することで、さまざまな病気の治療ができるのです。
フランス式耳ツボ
もうひとつの流れは1950年代にフランス人医師が作った耳介(じかい)療法。フランスには古くから、耳を使った民間療法がありました。
ひどい坐骨神経痛に悩む患者が、近所の老婆に耳に焼きごてを当られたら痛みがすっかりなくなってしまった、という話を聞いた医師が研究を重ね、体系化したものが耳介療法。もともとはダイエットではなく、痛みをコントロールする治療法として用いられていました。
特徴は“耳には胎児が子宮の中にいるときのように、逆さに丸まった形が耳に投影されている”というもの。
耳たぶが頭、外側は下から上に向かって首〜背中〜腰〜脚、耳の穴周辺の凹みが内臓のそれぞれの治療点となります。
耳ツボダイエットは主にこのふたつを合わせたもの。
私が北京中医薬大学で学んでいたときに使った教科書にも、中国の耳鍼療法だけでなく、フランスの耳介療法も合わせて紹介されていました。
実際に、中国の国立病院の鍼灸科でも、ダイエットや美顔、肩こりや腰痛など、さまざまなトラブルの補助療法として使われています。
耳ツボダイエットが効く人、効かない人がいるのはなぜ?
耳ツボダイエットの効果はどのくらいあるのでしょう?
「食欲がコントロールできるから、3ヶ月で10kgラクラク痩せた!」という人もいれば、「耳ツボダイエットなんてインチキ。サロンに通って何万円も払ったのに、全然痩せない!」という人もいます。
ちゃんと歴史があって、中国の病院でも使われているくらいなら、もっと安定した効果があるはずだとは思いませんか?実は、耳ツボダイエットが効く人と効かない人には大きな違いがあるのです。
ツボは体の調子を整えるように作用する!
ツボというのはエレベーターの上下のボタンのように、単純に上に行ったり下に行ったりするものではありません。
たとえば手の外側で手首から指三本分肘よりの中央付近にある支溝(しこう)というツボ。ここは別名“便秘のツボ”。さまざまなタイプの便秘に効く便利なツボですが、さて、便秘ではない人がこのツボを刺激するとどうなると思いますか?
便秘が治るなら、お通じが順調な人はゆるくなったり、もともと下痢気味の人はもっとひどくなる?
結果は「効かない」それだけです。
ツボというものは基本的に、体の本来の働きを活性化させ、調子を整えるように働きます。つまり、必要がなければなんの効果もでない。健康な人にはとくに作用しない、ということ。だから、
●もともと痩せていて、もっと痩せたい
●がっしりとした筋肉が悩み
●食生活も安定していて、便秘やむくみなどの健康トラブルもない
という人には耳ツボダイエットは効果がでないのです!
耳ツボダイエットで食欲を抑える
耳ツボダイエットの最大の魅力は、食欲を抑えるツボを刺激することで、ガマンすることなく、自然に食事量が減っていくことだと言われています。
耳には経絡だけでなく、多くの神経が集中しているため、耳ツボには自律神経のバランスを整え、ストレスをコントロールする作用があると考えられています。実際に中国の病院でも、ストレスが大きく関係する不眠やうつ病、過敏性大腸炎などに、耳鍼療法が用いられています。
耳ツボダイエットは、ストレスなどが原因でつい食べ過ぎてしまったり、甘いものがガマンできない人には、おすすめのダイエット法。イライラや不安感がおさまって、自然に食べ過ぎをしないで済むようになります。
ただし、普通にしか食べていない人が、耳ツボダイエットをすれば少食になって、どんどん痩せられるのかといえば、それはありません。
先ほども言ったように、“ツボは体の調子を整えるように働く”ため、不自然に痩せることはできないのです。
ちなみに食欲をコントロールする耳ツボには「神門」「肺」「心」「飢点」「皮質下」などがあります。
耳ツボダイエットで便秘解消&代謝アップ
便秘はダイエットの大敵です。たまった便の分だけ体重が重くなるのではなく、便秘によって太りやすい体質になってしまうことをご存知ですか?
便がいつまでも腸に溜まっていると、ガスが発生してお腹がぽっこり張ってしまうだけでなく、腸の動きが悪くなったり、必要な栄養素の吸収が妨げられることで、基礎代謝も低下してしまいます。
便秘を解消すれば、お腹周りだけでなく、全身もすっきり。代謝もあがって疲れにくくなる。すると体を動かすのが苦にならなくなり、運動代謝もアップなど、ダイエットにもいいことづくし。
耳ツボダイエットで10kg痩せなど、劇的な効果が出る人は、便秘が原因の肥満の人も多いようです。
便秘解消&代謝アップに効果的な耳ツボダイエットのツボには「胃」「脾」「大腸」「内分泌」などがあります。
自宅でできる!セルフ耳ツボダイエットのやり方
耳ツボダイエットの方法は、仁丹のような小さな粒を耳ツボに貼り付け、一日に数回軽く圧迫して、ピンポイントで刺激を加えるというもの。
中国では昔から「王不留行」という食物の種を使っていましたが、いまはチタンやセラミックで作った粒を使用しています。
本格的にやりたい人におすすめなのが「マグレイン」。シールにチタンの粒がセットされた状態になっていて、ネットでも購入することができます。
ファッション的にちょっと気になるけど、ダイエットはしたい。そんな人におすすめなのが“耳ツボジュエリー”。見える部分にスワロフスキーなどがあしらわれていて、一見するとピアスのよう。マグレインに比べ、金額は高くなりますが、いつでもどこでも付けていられるというメリットがあります。

用意するもの
綿棒
小さな粒、シール
やり方
①耳をしっかりと拭いてきれいにする。
*耳は洗い残しが多いパーツ。汚れや脂分が残っていると、シールがつきにくくなるので、きれいに拭きましょう。
②「神門」「肺」「心」「飢点」「皮質下」「胃」「脾」「大腸」「内分泌」の中から、2〜5個のツボを選ぶ。片耳でOK。
*綿棒で軽く押して、少し痛みがあるツボを選ぶのがポイントです。
③ツボの上に粒をシールで貼り付ける。
④親指と人差し指で耳をはさみ込むようにして、シールの上からツボを圧迫して刺激を加える。1日3〜4回。一回1分程度。
⑤5日くり返したら、シールを剥がし、逆の耳に張り替える。
注意点
*ずっと貼ったままにしていると、体が耳ツボの刺激に慣れてしまいます。そのため、左右片方の耳を交互に使うのがおすすめです。
*まずは5日×5回=25日で様子をみましょう。これで効果が出ない場合は、やり方が間違っているか、耳ツボダイエットに向かない可能性があります。
*ツボがきちんと見つけられない人は、はじめのうちはサロンや鍼灸院で体験してみることもおすすめです。
耳ツボダイエットはいつまでやり続ければいいの?
耳ツボダイエットは、体の調子を整えることで、自然に痩せるダイエットです。
体の調子が整い、正しい食生活が習慣化すれば、それ以上続ける必要はありません。5日×5回×2回の約2ヶ月を目安としてください。
まとめ
ツボを使って健康になることで、自然に代謝もアップ。ムリなダイエットのように体を壊したり、リバウンドも起きにくい耳ツボダイエット。あなたも試してみませんか?
撮影/石田健一
モデル/梅澤 友里香(ヨガインストラクター)