
ふらっと立ち寄りたい酒場が、東京・世田谷エリアにオープン
家の近くにおいしい酒と気の利いた肴でゆるっと過ごせる酒場があれば……。そんな呑兵衛のささやかな願いを叶えてくれる店が、新宿から電車で20分ほどの小田急小田原線・豪徳寺駅、東急世田谷線・山下駅からほど近い場所に誕生した。



2016年に独立準備のために退社し、約1年間、店舗を探しつつ、一人で店を切り盛りするにはどうしたらいいかシミュレーションしたという。
創り出すのは、カテゴリーに収まらない料理
『uguisu』出身と聞くと、ビストロ料理かなと思う人もいるだろうが、手書きのメニューには「おしんこ」や「パテ・ド・カンパーニュ」の文字が踊る。「何料理である必要はないかなぁと思っているんです」と、松岡さんはいう。
エスニック料理には欠かせない柑橘類のコブミカンの葉を細くきざんで、イカの塩辛に合わせている。濃厚なワタに潜むコブミカンは少量ながら存在感があり、スーッと爽やかな風味を放っている。まさに、何料理でもない『ketoku』らしい逸品だ。

お酒は自由に、おおらかに合わせるのがいい
料理も接客も一人で奮闘する松岡さん。「忙しい時はお客さんご自身に、冷蔵庫からお酒を選んでもらい、開栓もしていただくんです」
その中から、「イカの塩辛 コブミカンの香り」と「鶏のレバーと焼きりんご、クルトン」に合わせて、クラフトビール「山伏 壱 saison one(セゾンワン)」(写真下)をセレクト。

「最近はビールが気になって、いろいろ探すと、これがビール?と思うようなものと出会いがあるんです」と語る松岡さんも、イチオシの一杯だ。
メニュー名から、どんな料理か想像できない……
“つめたいメニュー”からもう一品、「梅味玉子、インカの目覚め、鯖の生ハム」(写真下)もぜひ注文したいひと皿だ。

同店では、ワインは主に自然派を揃える。取引する酒屋は2軒ほどあり、1軒は松岡さん自身が店を訪ね選び、もう1軒は、イメージを伝えて届けてもらっている。
故郷・秋田の郷土料理をカスレ風にした“あたたかいメニュー”
松岡さんが秋田県出身ということもあり、郷土料理にアレンジを加えた「比内地鶏 だまこ鍋風煮込み」(写真下)もメニューにイン。

「本来、甘口の鍋ですが、甘みは抑えて鶏のコクを引き立てるように、オーブンで焼いて仕上げています」(松岡さん)
つまり、具材を煮込んでオーブンで焼き上げる、フランス南西部の郷土料理「カスレ」仕立てなのだ。

これは何と言っても、秋田県産の日本酒を合わせたくなる! 冷蔵庫から取り出したのは、秋田県『小玉醸造』の純米大吟醸「大平山 天巧(てんこう)」(写真下・左)だ。

デザートとワインで、バー利用もおすすめ
「家に帰る前にもう1杯飲みたい」。「少し甘いものを食べたい」。そんな夜更けにも立ち寄れるのが『ketoku』の魅力だ。

耳を澄ませば店内に流れるのは、聞いたことのあるような、ないような歌謡曲。松岡さんが創り出したこの空間も同様に、これまでにあるような、ないような、と感じずにはいられない。今宵、さっそく寄り道したくなるはず。
【メニュー】
▼フード
イカの塩辛 コブミカンの香り 400円
鶏のレバーと焼きりんご、クルトン 600円
梅味玉子、インカの目覚め、鯖の生ハム 700円
比内地鶏 だまこ鍋風煮込み 2,500円(一人分は1,700円)
生チョコレートのテリーヌ 600円
▼ドリンク
サッポロラガー 中びん 600円
クラフトビール「山伏 壱 saison one」 グラス800円 ボトル3,000円
レモンサワー 600円
日本酒 グラス 600円均一
日本酒 1合 900円均一
ワイン グラス 700円前後~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込みです
ketoku(ケトク)
〒156-0051 東京都世田谷区宮坂2-26-4 豪徳寺コーポラス1F03-6413-7569
17:00~24:00
日曜・祝日

この記事の筆者:松井一恵(文筆家)
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