
連載♯4:本州最北端「下北半島」の、すばらしき冬の海の幸
こんにちは! 仕事柄、日本全国各地を訪ねる私カメラマン福田が、今回もご当地のおいしい&コスパ良しの店をご紹介いたします。前回は「秋の行楽に、青森・十和田」をご紹介しましたが、実は今回お届けするのも、青森。
青森の新聞社『東奥日報社』からご用命を受けて、日本のイタリア料理界を牽引する『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』オーナーシェフ落合務さんにお供して、“下北半島・冬の味覚を味わう旅”へ行ってまいりました。
下北半島を代表するすばらしき食材と地元で評判の飲食処、そして下北半島ならではの観光スポットをレポートします!
今回の旅のプランはこちらです!
《1日目》むつ市で「下北地方の郷土料理」→東通村の「東通そばと地酒」と「下北の能舞」を鑑賞
《2日目》佐井村の「ミズダコ」→本州最北端・大間町の「大間まぐろ」→風間浦村の「アンコウ」
《3日目》東通村の「寒立馬(かんだちめ)」鑑賞と「天然ヒラメ」→横浜町の「ナマコ」と「ホタテ」
海の幸の豊富さとそのおいしさに、驚きと喜びの連続。北国だけに最低気温氷点下の寒さでしたが、冬だからこそ味わえるオススメ食旅ルートです。ではさっそく紹介していきましょう!
《1日目》むつ市にて「下北地方の郷土料理」→東通村の「東通そばと地酒」と「下北の能舞」を鑑賞

最初のお目当ての味覚は「ホタテ」。むつ市に隣接する陸奥湾(むつわん)には名産のホタテがとれる漁場があります。そこで生まれ、今や全国区にもなった有名な郷土料理「みそ貝焼(かや)き」を食べるためです!
1.地元で評判の居酒屋『めし処かさい』

中に入ると小上がりとカウンターがあり、アットホームな雰囲気が伝わってくるお店! 常連客も多いと見えてボトルも沢山並んでいます。
早速今日のオススメを聞いてみると「東京から来たならマツモのしゃぶしゃぶ鍋が珍しいかしらね?」と、女将さん。「マツモ? それなんですか? 知らない!」と、興奮気味の私。
「下北では味噌仕立ての鍋にマツモという海藻をしゃぶしゃぶして色が変わったら食べるという、郷土の食があります。八戸などにはマツモだけをお湯に潜らせてポン酢でいただく地域もありますよ」と、地元の方に教えていただきました。

「…女将、おいしすぎです!」
歯ごたえはコリコリまではいかない歯切れよい絶妙なかたさで、噛みしめるごとに磯の香りが広がります。海藻が豊富な場所には、肉でも魚でもない海藻が主役のしゃぶしゃぶがあるんですね。


待ってました! みそ貝焼きは、かまぼこ、ホタテ、白菜、マツモ、しめじ、ネギ、水菜を卵でとじたもので、とにかく具沢山。かつて私がお土産用に買ったことがある貝焼きはホタテと卵のみだったので、この具沢山ぶりにビックリ。それぞれの食材からおいしいだしが出て、栄養のバランスもとれた一品。濃い目で少し甘じょっぱい味噌味にお酒が進む。

【メニュー】
みそ貝焼き 700円
マツモのしゃぶしゃぶ鍋(冬季のみ) 800円
鮭飯寿司(冬季のみ) 300円 ※写真は2人前
青つぶの煮付け(冬季のみ) 600円
※価格はすべて税別
めし処かさい
〒035-0035 青森県むつ市本町1-80175-23-7332
17:00~22:00
日曜、祝日

https://r.gnavi.co.jp/hfrvuur00000/
むつ市近郊で観光を楽しむなら、東通村「下北の能舞」。東通そばと地酒も楽しめる

下北の能舞は、15世紀末に修験者(しゅげんしゃ:山へ籠もって厳しい修行をする者)によって伝えられ、村内14の集落でそれぞれ受け継がれてきたもので、平成元年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
重要無形民俗文化財の指定は全国で300あまりで、うち青森県には8つあり、有名な「青森のねぶた」などと並んで、下北地方で唯一指定を受けているのがこの「下北の能舞」。この伝統芸を守り続けて1月、9月、12月に能舞を公開しているそうです。(※1)

地元の米と、東通村にあるジュラ紀の地層を潜り抜けた湧き水で仕込むという、本州最北端の醸造所『関乃井酒造』が誇る地酒「特別純米酒 祈水」(写真上・左)と、地元でとれたそば粉を使った十割そば「東通そば」(同右)です。
東通そばは特別にいただいたのですが、むつ市で食事をしたばかりなのに、落合シェフはそばつゆを飲み干すほど大絶賛でした。
《2日目》佐井村の「ミズダコ」→本州最北端・大間町の「大間まぐろ」→風間浦村の「アンコウ」
朝起きて窓を開けたらそこは一面銀世界。ひと晩で積もってしまったらしく、景色は一変していました。こういうところが旅の醍醐味ですね。違う景色で眼が覚め、新鮮な気持ちで1日をスタートできます。身支度を整え下北半島の西の地、佐井村へ!車窓から見える海岸線の上には灰色の雪雲が立ち込め、時折雪がチラつく。沿道の温度計は朝というのにマイナス5℃を指している。青森の冬の厳しさを痛感させられると同時に、荒れたこの冬の海に船を出す漁師のみなさんには頭が下がりました。

取材を終え移動しようかという時に、1本の電話を受けたスタッフが興奮気味に「このところ不漁気味だったマグロが、今朝揚がったそうです。落合シェフがいらっしゃったまさかのタイミングで!」という。「え~~~!?」車内で歓声が上がる。さすが落合シェフ、持っている男は違います。
圧巻!大迫力の「大間まぐろ」


さて、その田中稔さんが釣り上げたマグロがこちら!

2.おいしくてコスパ良し!マグロを堪能するなら『浜寿司』

こちらへは今回の来店を含めて4回目の訪問。プライベートでも来ておりまして、マグロのあまりのおいしさとコスパの良さに、わざわざここまで来る価値があるお店としてどうしても推薦したいところです。

『浜寿司』の特徴としては、100kg超クラスでおいしい時季の本マグロを1年分仕入れてマグロ専用冷凍庫に保管。マイナス85℃という超低温で管理したマグロを提供していくスタイル。全国からやってくる観光客が、いつ訪れても安定的においしいマグロを食べられるのは、そんな企業努力の賜物ですね。
【メニュー】
鮪握り盛り合わせ(大トロ2コ、中トロ2コ、赤身4コ、鉄火巻1本) 5,800円
※マグロは時季により青森県近海産となる場合があります
※価格は税込
大間 浜寿司
〒039-4601 青森県下北郡大間町大字大間字大間69-30175-37-2739
11:00~21:00(L.O.20:30)中休憩あり
不定休

https://r.gnavi.co.jp/5dtv8nhu0000/
3.アンコウのフルコースと天然温泉で人気『三浦屋』

知名度は大間まぐろには及ばないのですが、風間浦ではとってもおいしいアンコウがとれるのです。なかでもオススメしたいのがアンコウのお刺身! 落合シェフもその鮮度に大変驚いた一品です。


【メニュー】
鮟鱇(あんこう)フルコースプラン(宿泊者 1泊2食付 2名1室の場合)お一人様17,430円~(入湯税など各種税込)
鮟鱇(あんこう)フルコースプラン(日帰り客向け、要予約)お一人様7,560円~(税込、入浴はサービス)
※12月中旬頃から3月下旬頃までの期間限定プラン。12月31日~1月3日は鮟鱇フルコースはお休みです。
下風呂観光ホテル 三浦屋
〒039-4501 青森県下北郡風間浦村下風呂700175-36-2311
11:30~21:30 (変更あり、ご相談ください)
不定休

《3日目》東通村の「寒立馬(かんだちめ)」鑑賞と「天然ヒラメ」→横浜町の「ナマコ」と「ホタテ」
最終日の絶品グルメも魚です、今日のお目当ては下北半島で有名な冬の食材のひとつ「ヒラメ」。…とその前に、東通村で時間があるなら立ち寄ってほしい観光スポットも紹介しますよ、極寒の地でたくましく育つ寒立馬(かんだちめ)がいる放牧地です!
地吹雪の中に立つ「寒立馬(かんだちめ)」をみて感動!

朝焼けに佇む寒立馬が撮れました!地吹雪の中に立つ馬の神々しい姿に、時間が経つのもブーツに雪が入りまくってるのにも気付かずに、シャッターを押しまくりました。私達の姿を見て近付いてくるのがとっても可愛かったです。
大自然に触れて感動を味わった後は、ここから5kmほど南にある「尻労(しつかり)漁協」でヒラメを取材。
青森は、ヒラメの水揚げ全国一! 寒流と暖流がぶつかり合う東通村沖はプランクトンが豊富。ここで育った良質な天然ヒラメが、一年中定置網漁法で生きたまま水揚げされるんだとか。

さて、下北の冬の大自然とヒラメを見学し終わったところで、お腹がすいてきましたよ。ランチはヒラメづくし!
4.ヒラメづくしのスペシャルお膳がたったの1,600円! 『ログレストラン 南川』



そしてお重がきました(同右)。蓋を開けるとご飯が3種類。天然ヒラメの山かけ漬け重、天然ヒラメの天むす重、天然ヒラメのなめろう重と少しずつ違う味のご飯を楽しめる、いろいろ欲張りたい観光客にぴったりな大満足コース。

楽しそうに料理する落合シェフと盛り上がる私の声を聞きつけて、『ログレストラン 南川』のシェフたちがご挨拶に来てくれて判明したのですが、なんと村内にはシェフ兼ヒラメ漁師の方もいるんだとか! 東通の天然ヒラメをもっと多くの人に知ってもらいたいという広報活動にこの「東通天然ヒラメ刺身重」を考え、採算度外視で提供を始めたんだそうです。なんともすばらしい取り組みです(感涙)。
【メニュー】
東通天然ヒラメ刺身重 1,600円
※価格は税込
ログレストラン 南川
〒039-4223 青森県下北郡東通村大字小田野沢字見知川山1-1550175-34-9106
11:30~14:00(L.O.13:30) ※夜は予約のみ
月曜

https://r.gnavi.co.jp/btwb6xuf0000/
漁は12月の3日間、計3時間だけ!? 横浜町の希少食材「ナマコ」

旅の最後に立ち寄ったのが、約10km東南の陸奥湾に面した「横浜漁港」。
「横浜なまこ」は、資源保護のため12月の3日間しか漁が許されていないんだそうです。すでに昨年の水揚げ販売分は完売したという貴重なナマコを特別に試食…コリコリとしたいい歯ごたえ! 燗酒欲しい!と、思わず絶叫のおいしさ。

下北半島は東京からは遠いイメージが強いうえに冬は寒くて、まだまだ訪れる人が少ない場所のひとつだと思いますが、都会にはない手付かずの魅力的な大自然がたくさんあり、おいしい海の幸を豊富に楽しむことができます。
長い移動時間を使っても見に行きたい寒立馬、真っ白な雪、きれいな星空。そんな自然にふれながらおいしい魚や地酒で一献! 心身ともに癒されること間違いなしです、ぜひ足を運んでみてくださいね。
(※1)東通村の能舞の日程は各地区で毎年異なります。詳細は各地区または東通村教育委員会(教育支援グループ 電話0175-27-2111)までお問い合わせください。
協力:東奥日報社
この記事の筆者:福田栄美子(カメラマン)
【Not Sponsored 記事】