
「ポンチキ」に魅せられた女性が開業したポンチキ専門店
「ポンチキ」という食べ物をご存知だろうか。ポーランドで日常的に食べられるペイストリー(油脂を多く加えたパン生地を使った菓子)で、ドーナツのような揚げ菓子だ。日本ではなかなかお目にかかることのできないポンチキだが、2018年6月24日、日常的にポンチキが食べられる専門店『ポンチキヤ』が東京・調布にオープン。地元民の毎日のおやつとして人気を集めている。

しかし、常に同じ場所で販売するわけでもなかったため、食べたいときに食べられないという声も。そこで、いつでもポンチキを食べてもらえるようにと、ポンチキ専門店のオープンに至った。
お店は移動販売の時代に利用していた調理場を改装。「ポーランドのおばあちゃんの家をイメージし、温かみのある色使いにしました」と坂元さん。

「ポーランドでは、ポンチキは専門店もあればカフェメニューとして置いていたり、スーパーやコンビニで買えたりと、日常的に食べるものでした。日本でいうおにぎりと同じ感覚ですね。具材もいろいろですし、作り方も店ごとに違いがあって多彩な味がありました」(坂元さん)。
元々飲食店をやりたいと思っていた坂元さんは、帰国後パン屋で1年修業。小麦粉にイーストを入れて発酵させる工程を学ぶことで、過発酵などによる失敗も少なくなった。
上品なバラの香りに包まれる、王道「薔薇ポンチキ」
坂元さんが試行錯誤を重ねて完成させた、オリジナルポンチキを紹介しよう。
生地は小麦粉にたっぷりの卵黄、イースト、そして数種類の洋酒を加え発酵させる。この洋酒の組み合わせが坂元さんのオリジナルレシピ。香りづけのほか、油の吸収を抑える働きがあるという。
ふわっとした生地はあっさりしているが、表面にまとわせたグレーズ(お菓子の表面に塗るソース)の甘みがじゅわ~っと広がる。数口食べ進めれば口の中がほどよい甘さで満たされ、ポンチキの中央からバラジャムが顔をのぞかせると、たちまち華やかな香りに包まれる。

また、ジャムは温めるととろりと流れ出る。日によっては1日数回揚げたてが並ぶため、ぜひ一度は揚げたてのとろりととろけるバラジャムを味わってほしい。
専門店ならでは! こだわりのアレンジメニューも楽しめる
さまざまなフィリング(中の具材)のポンチキが楽しめるのも、専門店ならでは。
上にオレンジピールをのせた「甘酸ラズベリーポンチキ」は、自家製ラズベリージャムをフィリングとして使用。甘さのなかに唐突として現れる、ラズベリーの甘酸っぱい味わいが食べ飽きさせない。

「チョコレートが入ったポンチキはポーランドにもありますが、あまりメジャーではありません。日本人はチョコレート好きが多いので、濃厚なチョコレートを使ったポンチキを定番商品にしました」(坂元さん)。
ポンチキは上記定番3品のほか、季節商品も1~2品用意している。

これまで期間限定メニューは、フィリングのジャムをプラムやオレンジ&パイン、プルーンなど季節のフルーツに変えて提供してきた。生地の素朴な甘みに合わせて、酸味の強いフルーツを中心に使用している。そのときにしか味わえない限定メニューのため、定期的に通って好みの一品に出逢うのも楽しいだろう。
甘いポンチキだけじゃない! 食事系ポンチキやポーランド料理も見逃せない
メインはスイーツ系のメニューになるものの、同店では食事系ポンチキや本場さながらのポーランド料理も楽しむことができる。
ポーランド人が作るソーセージを栃木のお店から仕入れ、レタスやトマトと一緒にサンドする。キェウバサは、スパイスを多用しているがクセが少なく誰でも食べやすい。それでいてジューシーさがあるので食べごたえもある。
ふわっとした食感のポンチキに、シャキシャキとしたレタス、ぷりっと弾けるソーセージが三位一体となり、ランチやおやつにぴったりの一品だ。


ラードで炒めたタマネギのソースを絡めて食べると、なかに含まれるチーズのわずかな塩みがタマネギの甘みによって引き立ってくる。

もちもちとした皮に、スパイスの香りがやみつきになる。日本人が食べ慣れている餃子のように醤油を添えるのも、坂元さんならではのアイデアだ。

ポンチキを始めポーランドの文化に触れることができる『ポンチキヤ』で新たな出逢いを楽しんでみては。
【メニュー】
薔薇ポンチキ 320円
甘酸ラズベリーポンチキ 260円
濃チョコレートポンチキ 260円
KLT(キェウバサレタストマト) 260円
ピエロギ ルスキェ(ジャガイモ&チーズ) 5個550円
ピエロギ 肉 5個550円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です
ポンチキヤ
〒182-0007 東京都調布市菊野台1-27-2011:30~20:00(ポンチキは売り切れ次第終了)
水曜・木曜

この記事の筆者:有川美咲(フードライター)
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