
「流しのカレー屋」をご存じだろうか?
これは、店舗を持たずに他の飲食店で間借り営業をしたり、イベントに出店したりしながらカレーを販売するスタイルのことだ。「and CURRY(アンドカリー)」という名で流しのカレー屋として注目を集める阿部由希奈さんが2018年7月8日、京王井の頭線・新代田駅から徒歩約5分のところに、『kitchen and CURRY(キッチンアンドカリー)』をオープンした。そう、流しのカレー屋がついに自身の拠点を持ち、そこでカレーの提供を始めたのだ。




珍しい食材を使った日替わり創作カレー! おすすめは2種のあいがけ
メニューは日替わりで、1日に3種類のカレーを提供する。おすすめは、2種の「あいがけ」だ。

作り方は、ホールスパイスのシナモン、チリ、クミンで油に香りをつけてから、タマネギを投入して炒める。そしてパウダースパイスのコリアンダー、ターメリック、カルダモンで味や香りを調え、そこに水で戻しておいたひよこ豆を合わせて煮る。仕上げにバターを入れてコクを出し、提供する直前に茹でたオカワカメを入れるという。

実は同店で使う食材は、『中里自然農園』(高知県)や『わらふぁーむ』(青森県)などの複数の契約農家から週1回程度おまかせで送られてくるため、阿部さんも段ボールを開けるまで中身がわからない。同梱されている“おすすめの食べ方”が書かれたメモをヒントにカレーに加えていく。そうして他店にはないオリジナリティ溢れる『kitchen and CURRY』のカレーが誕生する。カレーのレパートリーは、これまでに約70種類あるというから驚きだ。



そしてカレーと副菜、ご飯を混ぜ合わせながらいただく。2種類のカレーは味が混ざり合うように、あえてカレーソースが重なるように盛り付けている。混ぜ合わせることで変化する味を一口ごとに楽しみたい。
季節を感じるドリンクやデザートも一緒に


週2日しか営業しない理由とは? 今後の展望も聞いてみた
流しのカレー屋として活動していたのに、なぜ拠点を持ったのだろうか?
「今までひとり暮らしの自宅で試作・撮影をしていましたが、スペースに限界がありました。以前からキッチンスタジオのようなキッチンを持ちたいという夢があったので、このタイミングで思い切って借りてみたんです」と阿部さん。つまりお店ではなく、キッチンが欲しかったのだ。そこで“キッチン開放日”として週2日のみ営業している。とはいえ、常連さんや近隣のオフィスで働く人々からは「毎日営業して!」とお願いされているという。


しかし、その後に「キッチンを持ったことでカレーを作る機会、量ともに増えました。今後はカレーの面白さを全国に広めるためにも、地方のイベントに参加していきたいです。また農家の人たちとも知り合って、そこの野菜を使ったカレーを東京で販売するなどの活動もしていきたい。カレーの研究のために海外にも行きたいですね」と夢を語った。
『kitchen and CURRY』とは別に、流しのカレー屋としての活動も続けるという。すべてにおいてアクティブな阿部さん。今後も彼女の活動から目が離せない。
撮影:千々岩友美
【メニュー】
ねばねばポークカレー 1,100円
ひよこ豆とおかわかめのカレー 1,000円
あいがけ(2種) 1,300円
アイスクリーム 400円
プラムソーダ 500円
チャイ(ICE/HOT)300円
※価格はすべて税込
kitchen and CURRY(キッチンアンドカリー)
〒156-0042 東京都世田谷区羽根木1-21-24 亀甲新い52【木曜】11:30~15:00、18:00~21:00(※ただし売り切れ次第終了)【日曜】11:30~売り切れ次第終了
月曜、火曜、水曜、金曜、土曜(※イベント出店により営業日が変わる可能性があるので、ホームぺージをご確認ください)

この記事の筆者:名久井梨香(フリーライター、カレー愛好家)
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