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奇才料理人の和食にはドラマがある! 日本料理の最高峰『かんだ』出身の実力派が開いた「

時刻(time):2018-08-07 15:06源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
「真心(丹)のこもった料理が永遠(久)に愛されますように」という店主の願いが詰まった、唯一無二の言葉『久丹』 日本中のおいしいが集まる銀座と築地の間に位置する新富町。次世代の奇才料理人たちが続々と暖簾を掲げる、いま注目の新たな美食スポットに今春、『久丹』は産声をあげた。 「40歳の節目に独立することが一つの目標でした。独立までの20年は、人に
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「真心(丹)のこもった料理が永遠(久)に愛されますように」という店主の願いが詰まった、唯一無二の言葉『久丹』

日本中のおいしいが集まる銀座と築地の間に位置する新富町。次世代の奇才料理人たちが続々と暖簾を掲げる、いま注目の新たな美食スポットに今春、『久丹』は産声をあげた。

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「40歳の節目に独立することが一つの目標でした。独立までの20年は、人に仕えてきた期間。これからは人を育む立場となって、お客さまに育てていただきながら、真心こもったお料理を提供させていただき、世代を超えて愛され続ける店でありたい…。そんな意味を込めて、『久丹(くたん)』と名付けました」と話す同店の店主・中島功太郎さんの経歴は、少し異色である。

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地元・福岡の日本料理店で修業した後、人気グルメ番組「料理の鉄人」で当時、和の鉄人として活躍していた森本正治さんに憧れて渡米。世界各国に店を構える日本料理店『NOBU』の前身となるロサンゼルス『Matsuhisa』で研鑽した後、鮨を学ぶため上京した。師となる日本料理『かんだ』の店主・神田裕行さんとの出逢いはこの時。

『かんだ』といえば、『ミシュランガイド東京』が創刊された2007年から三つ星に輝き続けている日本料理の最高峰。中島さんは10年間、この評価を守り続けてきた腕の持ち主なのだ。

食通たちの胃袋を満たす、中島流“東京和食”とは?

夕食時、店前ではモダンな装いの女将が笑顔でお客を出迎える。

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店内に入ると、奥行きのある空間に飾られたアンティークの酒器や古木が目に映る。美しい調度品を眺めながら一杯。食事の前に、まずはウェイティングルーム(写真上)で心を整えたい。

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心が鎮まったところで、食卓へと向かう扉を開く。ピリッと身が引き締まるほど凛とした純白の室内に、紅色が添えられた和モダンな設えが期待を高める。

「『久丹』は“東京和食”を楽しんでいただく店です。静けさから高揚感まで体感していただけるよう、ドラマチックな献立に仕立てています」と中島さん。11~12品あるおまかせコースのなかから、ドラマの一部を紹介しよう。

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この日の先付けは、新緑薫る「スナップエンドウの豆と蛤のスープ」(写真上)。

蛤(はまぐり)と昆布のうまみが染み込むスープをすくうと、磯の香りが鼻腔にまとわる。奥に隠れているのは、三重県桑名産の蛤。ふわりと柔らかい身から溢れるミネラル香と、うまみの膜で優しく包まれた口内を、スナップエンドウが弾けて甘みが襲う。

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スープを飲み干すと、現れたのは「スナップエンドウ、車海老のしんじょう射込み」(写真上)。

射込みとは、中身をくり抜いた食材のなかに、他の材料を詰めこむ調理法のこと。早々の揚げ物の出番に意表を突かれるが、ドラマの序章はそれだけじゃない。

スナップエンドウは、噛めばとろけるほどに柔らかい食感の奥から、芳ばしいエビのうまみが顔を出す。添えられた車海老の頭は、ジリリと音をたてながらこちらを睨むよう。

「先付けで召し上がっていただいた、スナップエンドウの余った皮を使っています。シュワっとのどごしのよい乾杯酒には、揚げ物が最高の肴なんです」と中島さん。献立に潜む物語をもっと探ってみたくなる。

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「九州の居酒屋でイカを頼むとウズラの卵がついてくるところがあるんですよ。それを醤油に溶いて食べるのが好きでして…」と、ノスタルジックな懐旧の情に浸りながら、中島さんはイカを黄金色に染めていく。

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この日の造りは「あおりイカの黄身醤油和え」(写真上)。

口に入れた瞬間、しなやかにイカが開き、キャビアの塩味と卵黄のうまみ、心地よい薬味の食感が重なり合って、ねっとり濃厚に絡み合う。

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店前の扉を開いた途端、実は、ほんのりと酢飯のような酸の香りが漂ってきた。その正体は「マグロの突先の手巻き」(写真上)。

惹きこまれるほど力強いアオサの混じった有明のノリが、口内を芳醇な香りの膜で覆う。筋が多く扱いづらいがうまみは格別という突先部分を提供できるのも、かつて鮨店で修業していた中島さんだからこそ。素材への自信と腕によって丁寧に筋を剥がれた身は、舌に触れると脂がにじみ、酸味と強いうまみを携えてしっとり溶けていく。

たった2口の小さなごちそうが、“東京和食”の物語を一気に盛り上げて、深い口福へと導いていく。

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ドラマが最高潮に達する時、供されたのは「アイナメの葛打ち椀」(写真上)。

1kg強もの身厚な宮城県産アイナメは、箸を入れるたび淡いだしに塩味と脂をこぼす。ミョウガの清涼感が心地よさを煽り、最後のひと口をすすり切るまで増し続けるうまみの密度にうっとりしてしまう。

ところで、アイナメに寄り添う旬の野菜、アスパラソバージュを日本料理で見かけることは珍しい。一見意外なバリエーションにこそ、唯一無二の“中島イズム”を読み解くカギがあった。

正統派を極めたからこそできる、新境地への挑戦

「続く焼き物では、スッポンを照り焼きに仕立てたり、ハトを使うこともあります。日本料理の枠に縛られず、おいしいと思う食材があれば、国境を越えて積極的に取り入れたい」と中島さん。

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急展開する物語に合わせて、取り揃えるお酒もさまざま。「理想は、お客さまが飲むお酒に合わせて、一人ひとりに供する料理を変えること」と、さらなる深化を目論む中島さん。師から受け継ぐ正統派のDNAとグローバルな経験で、誰も予測できないドラマを生み出し続けてくれるに違いない。

【メニュー】
おまかせコース 23,000円
※価格は税別
※サービス料10%別

久丹(くたん)

〒104-0041 東京都中央区新富2-5-5 新富MSビル1F
03-5543-0335
17:30~22:00(最終入店)
日曜・祝日
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この記事の筆者:植木祐梨子(ライター)


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