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名店『青山えさき』のDNA+東北愛+ワイン愛がひとつに。『日本料理若林』の伸びやかな和

時刻(time):2018-04-26 04:24源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
外苑前は自分の学び舎(まなびや)。だから離れがたい場所 『ミシュランガイド東京 2010』から7年連続で三つ星に輝いた日本料理の『青山えさき』が、山梨県の八ヶ岳山麓への移転のため、惜しまれつつ閉店したのが2016年12月。その『青山えさき』で10年間研鑽を積み、うち7年間は副料理長を務めてきた若林浩次さんが2017年11月、『日本料理若林』をオープンさせた。場所
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外苑前は自分の学び舎(まなびや)。だから離れがたい場所

『ミシュランガイド東京 2010』から7年連続で三つ星に輝いた日本料理の『青山えさき』が、山梨県の八ヶ岳山麓への移転のため、惜しまれつつ閉店したのが2016年12月。その『青山えさき』で10年間研鑽を積み、うち7年間は副料理長を務めてきた若林浩次さんが2017年11月、『日本料理若林』をオープンさせた。場所は同じ外苑前エリア。

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「開店にあたりいろいろな場所を探しましたが、外苑前は自分の学び舎(まなびや)という思いがあり、離れがたかったんです」と語る若林さん。言葉の端々から『青山えさき』と、師である江﨑新太郎さんへの深い想いが伝わってくる。

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エントランスを入るとフロアまでは、白い壁に囲まれた細い通路。若林さんの生まれ育った秋田の農家の土間をイメージして、床をモルタル敷きにした。大きな格子窓越しの自然光と窓からのぞく中庭の樹木の効果で、外とつながっているような開放感がある。

フロアは2名掛けのテーブル席が6卓。奥には4名まで入れる個室が1室ある。厨房が見える窓を設けたスタイルに、『青山えさき』をなつかしく思い出す人も多いだろう。厨房の明るめの照明や壁面の間接照明、廊下側の自然光とのカクテル光線が、フロアに繊細な陰影と落ち着き、心地よさをもたらしている。

多彩な調理法を組み合わせた、“ワインにも合う和食”


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メニューはおまかせのみで、木曜・金曜・土曜限定で2種類のランチを提供している。昔からワインに興味を持っていたという若林さんは、独学でワインソムリエの資格を取得。和食に合うワインとして、世界最高峰の白ワインのひとつと讃えられるフランス・ブルゴーニュ地方の「モンラッシェ」を中心に、ドライでエレガントな味わいで価格も手ごろなロワール地方の白ワイン「サンセール」など、選び抜いた6種類を揃えている。

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前菜は、「愛知県の平貝と色どり野菜のサラダ仕立て」(写真上)。炙ったタイラ貝、炊いて焦げ目をつけた大根、佐賀高級柑橘類「はまさき」、炊いてから揚げているさつまいも、揚げたつぼみ菜、サラダほうれん草と、多彩な調理法で仕上げている。油を使って調理しているものが多いせいか、クセの強い野菜もコクがあり食べやすい。

ドレッシングには、酢の代わりに温州みかん果汁を使用。無農薬の果実を皮ごと搾っているので甘みとともに爽やかな苦みもあり、鮮烈な味わい。「さまざまな調理法を組み合わせるのが好き」という若林さんのチャレンジングな姿勢がよくわかる一皿だ。

皿の向こうに、北国の早春の景色が見える


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お造りとお吸い物に続いて「青森の桜マスの蒸し物 京都白味噌と蕗の薹(ふきのとう)のソース」(写真上)が登場。絵のような美しさに息をのむ。

桜の花色に蒸しあげられた桜マスの手前には、雪溶けをイメージしたなめらかな蕪のソース。その後ろには、芽吹きをイメージさせるチーマ・ディ・ラーパ(イタリア菜の花)とインゲン。食用花の花びらが風に舞ったように散らされ、皿全体から春風が吹いてくるようだ。

蕗の薹ソースは香りを最大に引き出すため、味噌を練り上げた最後の最後に蕗の薹を入れているという。口中で広がる香りとほろ苦さが、桜マスの繊細でやわらかな身質を引き立てている。

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繊細な爽やかさ、キリッと引き締まった酸味が特徴の辛口白ワイン「サンセール」は、和食にもよく合う。

『青山えさき』伝説の、「北海道きんきの煮付け」が復活!


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続いて、『青山えさき』で熱烈なファンが多かった「北海道きんきの煮付け」(写真上)。1人に1尾、ダイナミックに盛り付けられる。

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味付けは『青山えさき』時代よりほんの気持ち、甘めにしているとのこと。煮付けのイメージが覆るほどの薄味だが、それゆえにキンキの持つ滋味が最大に引き出されている。

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師匠であった江﨑新太郎さんは、有機という言葉が一般的でなかった頃から有機素材を追求していた料理人として知られているが、『日本料理若林』でも自然農法の野菜や無添加の調味料しか使っていない。キンキの煮付けの、雑味がなくすっきりした味わいやうまみの余韻の長さに、使っている醤油の素性の良さがあらわれていた。

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「石川県産無農薬コシヒカリの土鍋炊き込みご飯」(写真上)の具は、日替わり。この日は幽庵地(柚子の香りをつけたたれ)に漬けこんで表面だけを軽く焼いた天然のタイ。薬味というよりもうひとつのメイン具材のように、たっぷりの香味野菜が添えられている。

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テーブルで炊きあがりを見せた後、厨房で混ぜ込み、美しく盛り付けて供される。混ぜ込むことでミョウガ、カイワレ、大葉、青ネギの香りがさらに引き出される。

炊き込みご飯に添える味噌汁に使用しているのは、若林さんの故郷の秋田・湯沢市で作られている「吟醸孫左エ門味噌」。温度変化で発酵が進む天然醸造の味噌なので、ごく少量ずつ取り寄せて最適な熟成度のものを使う。味わったお客さんから「この味噌を分けて欲しい」といわれることも多いという。

「料理には人柄が出る」ことを、師匠から学んだ

神奈川県内の料理店で修業を積んでいた若林さんが、憧れていた『青山えさき』の門を叩いた時、驚いたのは江﨑新太郎さんの対応だった。応募すると「ほかにどの店を受けているのか」を気にする料理店が多いなか、江﨑さんは全く違っていた。「できるだけ多くの店を受けてみるといい。そこから得られるものがきっとあるし、その結果、ここがよければまた来なさい。そしてほかの店で感じたことを教えてほしい」。その探求心に驚き、さらに深く心酔するようになった。

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「あらゆることを実に広い視野で見ていて、それが料理に表れている。江﨑さんからは本当に多くを学びました。『料理には人柄が出る』もそのひとつです」。そういう若林さんの作る料理にも、東北人特有の飾らない素朴さ、伸びやかさがよく表れている。

本格和食に対して「堅苦しそうで敷居が高い」というイメージを抱いている若い年代の人は、この店を訪れると、そのイメージとのギャップに驚くだろう。と同時に本格和食の奥深さ、新たな魅力にも開眼するに違いない。

撮影:平瀬夏彦

【メニュー】
おまかせlunch 3,500円、5,000円 
※サービス料込、税別

おまかせdinner 5,500円(ショートコース)、7,000円、9,800円 
※サービス料別、税別

日本料理若林

〒107-0062 東京都港区南青山4-9-3 VIVRE AOYAMA2F
050-3312-8779
ランチ(木金土のみ)12:00~15:00 (L.O.13:30) 、ディナー 18:00~23:00 (L.O.21:00)
日曜、祝日
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http://minamiaoyama-w.com/
https://r.gnavi.co.jp/kfbw7feu0000/

この記事の筆者:桑原恵美子(ライター)


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