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ワインはどう選ぶ? 飲み方にルールはあるの? 真のソムリエが教えてくれること

時刻(time):2018-04-18 04:37源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
そもそも「ソムリエ」ってどんな仕事?【ワインナビゲーター・岩瀬大二】 「ソムリエ」という言葉を聞いて、あなたはどのような反応をするだろうか? ワイン選びの心強いパートナーと思われる人もいるだろうし、逆に、難しい相手と感じる人もいるだろう。今回は“ソムリエコンクール”を通して考えるソムリエの仕事について、シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュ
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そもそも「ソムリエ」ってどんな仕事?【ワインナビゲーター・岩瀬大二】

「ソムリエ」という言葉を聞いて、あなたはどのような反応をするだろうか? ワイン選びの心強いパートナーと思われる人もいるだろうし、逆に、難しい相手と感じる人もいるだろう。今回は“ソムリエコンクール”を通して考えるソムリエの仕事について、シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長であり、酒旅ライター兼ワインナビゲーターでもある岩瀬大二氏に話しをうかがった。

ワインというのは勉強しなきゃ飲んじゃいけないものなのか!?

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僕自身の話でいえば、ワインを覚え始めた20代のころ、ソムリエの数自体それほど多くなかったということもあるが、ただただ、緊張する相手だった。ワイン初心者として頼るべき相手というより、正解を伝えなければいけない相手。ワインのオーダーの仕方も、違いもわからない者にとっては何を聞けばよいのかさえ分からず、予測されたことといえば、鼻で笑われて恥をかくという、暗澹(あんたん)たる結果。

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1991年、世の中はまだバブルの熱気が残っていて、高級なワイン、この時代はボルドーが主なものだったが、これが若造の僕にも回ってくるような時代だった。だが、ボルドーの至宝、なんていうワインの良さなんてわからない。ただただ渋くて、ただただ苦くて。舌の経験もない中で初めて飲んだシャトーなんとかは、口に入れたとたんにギブアップしたい気持ちだった。

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その時、同席したワイン愛好家からは、「出直してこい」「味音痴かねえ」。そもそもこのシャトーなんとかってなんですか? という恐る恐るの問いには「そんなことも知らないの?」「ちゃんと勉強して来いよ」という返し。

ちょっとまて!

ワインってのは勉強しなきゃ飲んじゃいけないものなのか! 諸先輩方ではあったが後先考えずにキレて席を立ち、「二度とワインなんか飲むか! 特にこんな連中と。ましてやソムリエなんてもっとひどいんだろう。なにが、なめし皮のようなとか、ビロードとか…そんなの飲んだことねえよ!」。

でも、もう一度ワインを楽しいと思わせてくれたのは、実際にお会いしたソムリエだった。

ソムリエとは、安心して幸せな時間をナビゲートしてくれる人


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フレンチデートというおそらく男性が人生のハードルの一つに数えるであろう場面。ワインがこんなにも高いのかとリストを見て愕然とし、最後のページの最後の最後に書かれていた、なんとか今日の財布で足りるワインに一縷の望みを託し、それがどんなワインなのかもわからず「これをください」。

おそらく声は震えていただろう。選んだのは食後酒のポートワインだった。さっとその場を察したソムリエさんはこう言った。「こういう系統がお好きなんですね。とすれば、こちらの白と赤でしたらグラスでお出しできますし、ちょうど今日の前菜とメインにも合いますよ」。

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ワインについてもわかりやすく丁寧にご説明いただき、ふわふわしながらも納得してお願いした。なによりも救われたと思ったし、その説明によってワインって面白いかもと感じることができた。そしてなんともうまかった。実際にコミュニケーションをとった初めてのソムリエは、僕にとっては大げさに言えば、いや大げさでもないのかもしれないが、救世主だったのだ。ちなみにその時のワインは、ボルドーだった。

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その後、豪州で出逢ったソムリエール(女性のソムリエのこと)の気軽でフレンドリーなサービスや、ニューヨークのパンキッシュだけれど素晴らしいプレゼンテーションをする兄さん、日本でも多彩なソムリエとの時間を経て、僕にとってソムリエは、そこにいてくれれば、安心して幸せな時間をナビゲートしてくれる人、という存在になっている。

ワインの講釈を押し付けるのはソムリエではない!


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そもそも何をもってソムリエという仕事なのか。実は、ソムリエという職業は公的にも認められた呼称だ。職業安定法第15条に基づき、厚生労働省が定める職業分類表には、「ソムリエ:レストランにおいて、ワインの仕入れ、酒庫の管理、ワインの選択についての助言などの仕事に従事するものをいう」と記されている。一般社団法人日本ソムリエ協会においては実際の業務範囲を反映し、以下のように定義づける。少し長めだが引用しよう。

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「“ソムリエ”とはワインを中心とする酒類、飲料、食全般の専門的知識を有し、その仕入保存、在庫・品質管理、サービス方法等に留意し、個々のお客様の求めに応じる。また酒類及び料理選択の際には適切な助言をおこない食事内容を健全で豊かなものにし、且、食事環境を清潔、衛生的で快適な雰囲気にすることを目的として、良質の物的・人的サービスの提供を行うことにより経営の安定化、及び飲食の快適性、安全性、文化性の維持向上を推進するものである。その活動の場は飲食提供を行う場であり、ワインを中心とする飲料のサービスを専門的に携わる者の「職業」を言う」としている。

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つまりは、ワインそのものの知識に長けていることやコルクを開けるテクニックに優れているという表立ったことは基本であって、すべてではない。こうしたスキルをツールにして生産者、そのワインを生み出す土地への愛を、自らクリエイトした快適な環境の中で、求める人と共有する。ただただワインの講釈を押し付けるというのでは、ソムリエではない。客としての僕たちのワインの習熟度なんてものは関係ない。

ワインの新しい息吹を知らしめることもソムリエの役目


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「ボルドー&ボルドー・シュペリュールワイン ソムリエコンクール2017」(2017年12月7日・フランス大使館大使公邸にて開催)というコンクールを取材した。コンクールというと技能とワインの知識を問うもの。ブラインドテイスティングと鮮やかなボトルさばきで颯爽とサービスをする、そんな姿がクローズアップされるが、実際は、前記の定義のとおり、その背景や物語を捉え、なんのために誰のためにそれをするのか? そのために必要な知識や技術は磨けているのか、が審査の分かれ道になる。

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64名の精鋭から決勝に進んだ5名のソムリエに課せられたお題。まずはPCを使っての「ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインを日本でどのようにプロモーションすべきか」というプレゼンからスタート。福岡から参加した『筥崎宮迎賓館』の千々和芳朗ソムリエは、ボルドーと姉妹都市である福岡の魅力を語りながらワインとの親和性を提案。他のソムリエからも、おひとりさまや、居酒屋とのマッチングなどユニークな提案がなされたが、中でも、『銀座 ロオジエ』の井黒卓ソムリエが提案した大学生に向けた、これからのボルドーのファンづくりという内容には共感した。

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▲コンクールでは『銀座 ロオジエ』の井黒卓ソムリエが優勝を果たした

ボルドー=格式、オールドスクール、高級。そういうワインがしっかりとブランドを守っているのはもちろんなのだが、逆にこれが足かせになることもある。しかし、今回の目的の一つに、ボルドーエリアは新しい造り手が新しい時代に向けて努力しているワインがたくさんあり、こうした息吹を知らしめることも、アンバサダーとしてのソムリエの役目、というものがある。井黒ソムリエが『銀座 ロオジエ』という著名なレストランで、おそらく緊張しているであろう若いカップルに、新しい息吹を感じるボルドーエリアのワインをお薦めしている光景を勝手に想像して思わず微笑んでしまった。

ソムリエはワインの世界を広げてくれて、なにより心地よいものだと思わせてくれる存在


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その他、フランス郷土料理への理解という前提に立って、それを知らないゲストへどのように親切に説明するのかという、知識をコミュニケーションとしてアウトプットする力。インバウンドの増加を他人事とせずに研鑽を積んでいるか、幅広い情報にアクセスできているかを問う「ブラインドしたこのワインをビーガンの方にお薦めするとしたらどんな料理をあわせる?」など課題は多岐にわたった。ちなみにビーガン=ベジタリアンという認識で魚、乳製品を提案してしまったソムリエもいたが、ゲストの立場でどんなサービスができるのかと考えたときには、これもまた特殊な事象と片づけるわけにはいかないのだろう。

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技術や知識を持ったうえで、ソムリエとはどんな職業であるのか。また、今回課せられた、新しいボルドーエリアのワインをアンバサダーとして広げるという使命を果たす際に、生産者とゲストをどのように心地よく結んでいくのか。それもまた彼らの仕事。ちなみに今回のコンクールは英語かフランス語で対応できることが前提だった。

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繰り返すけれど、ソムリエは知識を滔々(とうとう)と語り、あなたのワインの知識を試す人ではない。むしろ良いソムリエとの出逢いは、ワインに対する意欲を掻き立て、世界を広げてくれる。そしてなによりワインは難しいものではなく、心地よいものだと思わせてくれる存在だ。ボルドーエリアの新しい息吹を良きソムリエと一緒に味わいたい。コンクールでの彼らの奮闘に素直にそう思った。改めてソムリエという人たちが幸せを提供するためにいかに努力をしているのかを感じられた。ぜひ、あなたも、良きソムリエとの出逢いを!

参考文献:一般社団法人日本ソムリエ協会 https://www.sommelier.jp/
写真提供元:PIXTA(一部)

この記事の筆者:岩瀬大二(ワインナビゲーター/酒旅ライター/MC)


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