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早くも「2018年を代表する店」と話題の鮨屋『はっこく』の魅力を徹底解剖!

時刻(time):2018-04-04 04:24源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
オープン前から予約困難店となった『はっこく』がついに幕を開けた この店を鮨屋だと想像がつくだろうか。“かっこいい”という言葉が似合うこの鮨屋は、2018年2月、このところ注目店のオープンが続く銀座に誕生した。店の名前は『はっこく』。わずか1年で『鮨とかみ』を『ミシュランガイド東京 2014』の一つ星に輝かせた大将、佐藤博之氏の独立店である。佐藤さんの
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オープン前から予約困難店となった『はっこく』がついに幕を開けた


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この店を鮨屋だと想像がつくだろうか。“かっこいい”という言葉が似合うこの鮨屋は、2018年2月、このところ注目店のオープンが続く銀座に誕生した。店の名前は『はっこく』。わずか1年で『鮨とかみ』を『ミシュランガイド東京 2014』の一つ星に輝かせた大将、佐藤博之氏の独立店である。佐藤さんの店ということでプレオープン時からSNSなどで話題の的。グランドオープンはいつなのか、誰もが待ち焦がれていた。

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店は6席ごと3つに分かれていて、佐藤さんの他に若手2名がそれぞれのカウンターを担当する。鮨屋は握らなければ育たない、若手にチャンスを与えたいという気持ちの表れだ。2つでなく3つのカウンターであること、6席であることは最高の鮨を食べてもらうための佐藤さんのこだわりだ。

設えも道具にも佐藤さんのセンスとこだわりを感じる。例えば煮切りやツメの刷毛も自分たちで漆を塗る。トイレにはお手拭きを入れるために壁を削った。

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そのこだわりの最たるものは「握り30貫以上」というスタイルだ。これまでの主流はつまみと握りを合わせた「おまかせ」だが、“鮨はシャリ”と佐藤氏はあえて「握り」だけで勝負する。

圧巻! 人々を虜にする「佐藤のシャリ」で30貫!


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これが佐藤さんならでは、「突先」(写真上)だ。以前勤めていたマグロと肉の和食店で最高級のマグロと出逢った。築地でトップクラスの仲卸『やま幸』のマグロだ。このマグロには普通の酢飯では負けてしまう。試行錯誤の上にやっと“このマグロに合う強いシャリ”に行き着いた。これが佐藤さんの代名詞とも言われる「赤酢の効いた酢飯」の原点である。最高のマグロに合った最高の酢飯と最高の海苔で巻いた「突先」がはじめに出されるのである。その瞬間から佐藤ワールドにハマるのは当然のことだろう。

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海苔は有明産。「焼いている人がこだわっているんです」と佐藤さん。なんとこの海苔だけは焼く人が決まっているのだそう。パリッとしているのになぜか溶ける。しかしまたパリっとしたところを感じる。不思議だ。どうやったらこんな食感を創り出せるのだろうか。

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名物「突先」の後に、少し多めの量を盛り付けた野菜が出される。「ケールとブロッコリーのごまドレッシング」(写真上)「新玉ねぎをポン酢で」「固茹でしたいんげんと塩」「ピーマンと塩昆布」など、日替わりの野菜が用意されており、一品料理というより手元に置いてツマの代わりにいただき、なくなると次の野菜が出される。これが箸休めにちょうど良いのである。量といい、味わいといい、握り30貫という量に合わせて計算されているに違いない。たかが野菜と侮るなかれ。

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素材の水分を保つのは江戸前寿司ならではの“仕事”だ。佐藤さんの得意とする「車海老」(写真上)はとろけるようでプリッとした歯ごたえも感じる食感。

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いちばんおいしいところで火を止める、そこで生まれる“甘み”は佐藤さんの感覚が成せる技。きっちり酢が効いた酢飯との相性たるや、思わず顔がほころぶ。

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なんと美しい「鱚(キス)の昆布締め」(写真上)なのだろうか。皮付きのまま細かくかのこに包丁を入れ、しっとりと酢飯に寄り添う。うっすらと透けた鱚は昆布のうまみを纏いねっとりと極上の風味を醸し出す。

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鮨のタネとしては珍しい「太刀魚(タチウオ)」(写真上)だが、佐藤さんの手にかかれば十分に厚い身がほろほろと解け、酢飯と一体となり、まるで焼き魚とごはんを食べている感覚に陥る。焼いておいしい太刀魚をどうやったら鮨にできるのかを考えた末に「低温調理」がしっくりきたと言う。一度でも食べたらこのビジュアルと食感は永遠に記憶に残るであろう。

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こちらは春の時期に産まれる鯛の稚魚「かすご鯛」(写真上)。桜の時期にしか食べられない小さな鯛は皮を湯引きして、おぼろの甘みを包ませる。小さい故にタネにするのは鮨職人泣かせ。それでもお客さまに喜んでいただきたいと“今おいしいもの”を提供する。

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佐藤さんの鮨で欠かせないのが「玉」(写真上)。クリームブリュレと称されるが、まさにその通り。カリッとした食感の後に広がる卵の味は深みがあるのに軽い。どうしてもこの玉が食べたくて訪れてしまいそうな他にはない味わいなのである。

1年の充電期間を経て見つけた“目指す道”が『はっこく』に在る


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米は、食べた時の酢飯のツブ感を大事にするため粒の大きいものを選定している。「ツブ感」「水分量」「うまみ」でおいしさが決まるという。しかしマグロに合う酢飯が他のタネに合うのだろうか? 「ウチはこのシャリに合わせて魚に仕事をしています。鮨はシャリだと思っていますから」とキッパリ。「あとは大きさですね。無意識ですがタネによってシャリの大きさが変わっています」と話す。

その酢飯を取り1度、タネを上にして1度、180度返して1度、また180度返して1度を2回、最後にぎゅっと握ることを2度、よし!と納得したように頷いてつけ台に置く。美しさにうっとりしつつも頬張ると、ツブをしっかり感じる酢飯がタネとともに喉を通っていく。口福の瞬間だ。後に残る香りがスーッと抜けた頃、覚醒したように「おいしい」という言葉が出る。

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こんなすごい鮨を握る手はどうなのだろう?と興味がわき、「見せてください」と言うと、「すごいシワシワになるんですよ」とはにかみながら広げてくれた。『鮨とかみ』を退職してから約1年間、フランス、スペイン、アメリカ、デンマーク、台湾、タイ、インドネシア…、各国の料理人である友人たちとコラボレーションし、現地の美食家たちをも唸らせていた“手”だ。

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話せば話すほど“かっこいい人生”という文字が浮かぶ。「運が良いだけです。周りに恵まれ、その方たちの仰ることを聞いてきただけですから。本当にありがたいです」と話す。バンドでプロになる夢を追いながら、たまたま時給で決めた飲食のアルバイトから料理業界への道が開けた。それから出逢った人たちに導かれるように鮨の世界に生きることとなる。常に自分に何ができるだろうか、何が求められているのだろうか、自問自答しながら必死に走ってきた。江戸前寿司を徹底的に学んだ上で、自身の感性に従う。セオリー通りに進まない“鮨の異端児”なのかもしれない。それでも人は佐藤さんの鮨に魅了されてしまうのだ。

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白と黒を意味する『はっこく』。店名に自身の名前も鮨も銀座も入れなかったのは『はっこく』と聞いただけで「鮨屋」と認知してもらいたいという気持ちと、みんなで一緒に創り上げていきたいという想いから。これからは若手に江戸前寿司を継承し世界へ発信していきたいと言う。若手を育ててバトンを渡し、自分の世界を創ってほしい、彼らが銀座だけにとどまらず日本全国、そして世界に向かっていくのを見守っていきたいのだと語る。やわらかさの中にピンと一本筋の通ったこの店は、佐藤さんの人生そのものだと感じた。

撮影:八木竜馬

【メニュー】
おまかせ ランチ20,000円~
ディナー30,000円~
※価格はすべて税、サービス料別(サービス料10%)

はっこく

〒104-0061 東京都中央区銀座6-7-6 ラペビル3F
03-6280-6555
11:30~14:00、17:00~23:00
日祝
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この記事の筆者:高橋綾子(フードパブリシスト)


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