歴史とともにある、京都の和菓子。
日本の時代や風土で育まれてきた、美しくて美味しい和菓子。
伝統と文化を代々受け継ぎ、守り抜いてきた老舗の和菓子屋さんが、
京都にはたくさんあります。
日本の歴史を彩ってきた京菓子とその名店を、
創業した時代ごとにピックアップしてご紹介します。
室町時代に創業した和菓子屋
■亀屋陸奥
「亀屋陸奥(かめやむつ)」は、応永28年(1421年)、室町時代の中期に創業。
古くから本願寺に仕え、供物や諸事に携わってきた老舗店です。
現在も本願寺の御用達として、その暖簾を守り続けています。
また、「松風」の元祖でもあり、時代を超えて愛される銘菓となっています。
元亀元年より11年間続いた石山合戦のさなかに、
亀屋陸奥の三代目が作ったこの松風が兵糧の代わりとなったことが、
松風の始まりと言われています。
小麦粉、砂糖、麦芽飴、白味噌というシンプルな素材でつくられた松風は、
噛むたびに優しい甘みが広がる、味わい深い京菓子です。
松風が生まれた当初の味と形を再現した、「西六條寺内松風」もあります。
本来の松風の姿である丸型のままに、小さく焼き上げられたものです。
普通の松風と違い、生地には浜納豆が入っており、また一味違った素朴な味わい。
バースデーケーキの代わりに、この丸型の松風でお祝いするという人もいるんだとか。
所在地:京都府京都市下京区西中筋通七条上る菱屋町153番地
TEL:075-371-1447
亀屋陸奥の代表銘菓は本願寺ゆかりの「松風」です。創業は応永二十八年(西暦1421年)室町時代中期に溯る。
■とらや
室町時代後期に京都で創業した「とらや」は、400年余りの歴史があります。
明治2年の遷都とともに、東京にも進出しました。
後陽成天皇の時代より、御所の御用を勤めてきた由緒ある名店です。
羊羹といえば「とらやの羊羹」といわれるくらい、
日本人には馴染みの深いお店でもあります。
とらやを代表する小倉羊羹「夜の梅」をはじめとして、
黒砂糖入羊羹「おもかげ」、抹茶入羊羹「新緑」、和三盆糖入羊羹「阿波の風」、
他にもはちみつ入羊羹や紅茶入羊羹、白味噌入羊羹など、多種多様の羊羹があります。
季節にちなんだ羊羹もあり、その時々で色とりどりの羊羹を楽しむことができます。
おもに、とらの直営店に併設されている「虎屋菓寮」という甘味処があります。
中でも京都一条店では、季節に彩られた美しい庭を眺めながら甘味を楽しめるほか、
日本文化に関する書物を自由に読むことができます。
【とらや 京都一条店】
所在地:京都府京都市上京区烏丸通一条角広橋殿町415
TEL:075-441-3111
【虎屋菓寮 京都一条店】
所在地:京都府京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400
TEL:075-441-3113
室町時代後期、京都で創業した和菓子屋「とらや」のオンラインショップです。「とらや」を代表する羊羹や季節の生菓子の情報、和菓子にまつわる歴史・文化、店舗の情報、イベントのお知らせなどを随時更新しております。
安土桃山時代に創業した和菓子屋
■鶴屋鶴寿庵
大正年間創業の「鶴屋鶴寿庵(つるやかくじゅあん)」。
新選組発祥の地である壬生屯所旧跡、八木家が代々受け継いできた老舗の和菓子店です。
八木邸跡は、京都市指定有形文化財に指定されており、敷地内を見学することもできます。
新選組屯所に因んだお菓子である「屯所餅」。
餡には丹波大納言小豆が使用されており、
餅には、店の所在地である壬生(みぶ)の京野菜である「壬生菜」が刻まれて入っています。
八木邸を見学した際にも、お抹茶と屯所餅が振る舞われます。
鶴屋鶴寿庵は、京都で唯一、鶏卵素麺をつくっているお店でもあります。
鶏卵素麺とは、ポルトガルから伝来した南蛮菓子です。
産みたての新鮮な卵黄と糖蜜だけでつくられた素朴な味わいで、
お抹茶ともよく合います。
所在地:京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町24
TEL:075-841-0751
江戸時代に創業した和菓子屋
■俵屋吉富
宝暦5年(1755)に創業。
大正13年に現在の屋号である「俵屋吉富(たわらやよしとみ)」と改められました。
宮内庁や数々の寺社の御用達でもある老舗店です。
また、京菓子資料館を創設するなど、
菓子の歴史や文化を広める活動にも尽力しています。
俵屋吉富の代表銘菓「雲龍」は、
京都・相国寺が所蔵する「雲龍図」から着想を得て作られた棹菓子です。
昔から現在まで、一本ずつ職人による手作業でつくられているこだわりの一品。
雲龍の上部にあるくぼみは、巻簾で手巻きする際にできるものであり、
手づくりの証なのです。
こちらは「雲龍」が包まれているパッケージ。
大きな龍が大胆にあしらわれており、
シンプルながらも迫力のある勇ましいデザインです。
インパクトが大きく高級感もあるので、
おみやげや贈り物としても喜ばれそうですね。
所在地:京都市上京区室町通上立売上ル
TEL:075-432-2211(代)
■緑寿庵清水
「緑寿庵清水(りょくじゅあんしみず)」は、弘化4年創業。
日本で唯一の金平糖専門店であり、伝統と独自の製法を守り続けています。
砂糖に天然素材を加えるとうまく固まらないという常識を覆し、
天然素材のみで金平糖をつくることに成功しました。
金平糖専門店というだけあって、とにかく種類が豊富です。
定番商品だけで13種類もあるほか、
季節限定商品では、さくらんぼ、ブルーベリー、ヨーグルト、完熟マンゴー、すいかなど、
ここでしか味わえない珍しいフレーバーが楽しめます。
すべて天然果汁が使用されており、格別の美味しさです。
1年に一度、限られた期間にしか作られない「究極の金平糖」。
チョコレート、キャラメル、ブランデー、梅酒、日本酒、赤ワインなど、
ちょっと大人のお味が楽しめます。
製造にかなりの手間隙がかかり、ごくわずかな量しか作れないため、
購入の際には予約が必要です。
所在地:京都府京都市左京区吉田泉殿町38番地の2
TEL:075-771-0755
明治時代に創業した和菓子屋
■末富
明治26年に創業した「末富」。
創業当初は寺社の御用達を勤めていましたが、
戦後直後に発案された「野菜煎餅」のヒットにより、
一般向けにも販売されるようになりました。
引出物やオリジナル菓子などのオーダーメードも受け付けているので、
ここぞというときにも利用したいお店です。
京野菜を使用してつくられた、その名も「野菜煎餅」。
ごぼう、木の芽、レンコンの3種類の味を楽しむことができます。
玉子煎餅を大人向けに…との思いでつくられたこのお菓子は、繊細でやさしい風味。
見た目にも品のある美しい意匠です。
末富といえば、目にも鮮やかな水色の包装紙。
「末富ブルー」と呼ばれ、人々に親しまれています。
この意匠を手がけたのは、日本画家の池田遥邨(ようそん)。
まだ日本では包装紙にデザイン性を求めなかった時代に、
とことん色目にこだわって誕生したのが、「末富ブルー」なのです。
所在地:京都府京都市下京区松原通室町東入
TEL:075-351-0808/075-361-5308
京菓子司 末富のホームページです。京都の歳時記を表現した主菓子(生菓子)をはじめ、御引出物から普段使いまで様々な和菓子をおつくりしております。
■老松
明治42年創業の「老松」は、団子発祥の地でもある
京都最古の花街、上七軒に店を構えています。
古くから有職菓子御調進所として、
儀式典礼のための菓子を生み出してきた、由緒ある和菓子店です。
近年では京都の伝統文化保存にも力を入れています。
夏の人気商品といえば、「夏柑糖」。
純粋種の夏みかん果汁と寒天を合わせ、再び皮に注いで固めた涼菓です。
夏みかんのすっきりとしていて爽やかな風味が絶品。
夏みかんが終了すると、グレープフルーツ果を使った「晩夏」に切り替わります。
繊細で美しい意匠が魅力の老松の和菓子。
こちらは、御所車を模したその名も「御所車」という押紋菓子です。
丹波大納言小豆を使用した餡を白雪糕で包んだ、老松の代表銘菓です。
また、包装紙には明治初期の京都の古地図が使用されており、
京都を余すことなく感じることができます。
【北野店】
所在地:京都市上京区北野上七軒
TEL:075-463-3050
有職菓子御調進所 老松は有職儀式典礼にもとづく婚礼菓子、茶席菓子を中心に、たえず新しい菓子を生みだしています。
大正時代に創業した和菓子屋
■百万遍かぎや政秋
「百万遍かぎや政秋(ひゃくまんべんかぎやまさあき)」は、大正9年に創立。
本家の鎰屋延秋は元禄9年に創業しました。
昭和初期に百万遍の京都大学前に移転し、
文教の地にちなんだ「学び餅」というお菓子もつくられています。
代表銘菓の「ときわ木」は、つぶ餡を薄くのばして焼いたお菓子。
甘さひかえめの上品な味わいで、しっとりとした食感です。
1袋に3枚ずつ入っており、バラ売りもされているため、
気軽に味わうことができるのも嬉しいですね。
アーモンドの落雁、「野菊」。
口に入れるとほろっとくずれ、アーモンドの上品で香ばしい風味が広がります。
日本茶はもちろん、コーヒーや紅茶にも合う、モダンなお菓子です。
見た目も可愛らしく、お茶請けやお土産にも喜ばれること間違いなし。
所在地:京都府京都市左京区百万遍角
TEL:075-761-5311
京都は百万遍に位置する和菓子販売店「かぎや政秋」です。代表銘菓「ときわ木」「黄檗」をはじめ、京都ならではの様々な和菓子を用意しております。
伝統の味を、いただきます。
室町時代から大正時代まで、
京都の老舗和菓子店をめぐる時間旅行はいかがでしたか?
京都の和菓子が持つ歴史を知れば、
京菓子の味わいはより格別なものになるはず。
老舗の和菓子店が守ってきた伝統を、ぜひ味わってみてくださいね。