2023年1~11月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとにtop5まで紹介します。こちらは、「婚活」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2月11日 記事は取材時の状況です)
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こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。個別婚活相談や結婚相談所のセミナー講師をしながら、これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきました。

写真はイメージです(以下同じ)
彼氏がいないまま30代を迎えるとは思わなかった
ご相談にいらっしゃった舞さん(仮名)は、今までにほぼ恋愛経験がないという30歳の女性でした。
学生時代に彼氏ができたことがあったものの、元カレも舞さんも「恋人がいる」という状態に憧れがあった程度。相手のことを好きというわけでもありませんでした。付き合ったものの、1カ月ぐらいで破局。とはいえ初めての彼氏は、多かれ少なかれ皆さんそんなものかもしれませんよね。
深く考えず、次にまた彼氏はできるだろうと思っていた舞さん。まさか、次の彼氏がいないまま30代を迎えるとは思ってもいなかったとか。
“好きな人”がいたから、合コンの誘いも断っていた
彼女は新卒で建材メーカーに事務職として就職しました。そこで、好きになった男性がいたそうです。部署も異なりさほど接点がない男性でした。それでも同じ会社にいるのだから、忘年会などで何かチャンスがあるはずと思っていたのです。

その「好きな人」がいたため、合コンの誘いも、友達から「会ってみない?」と言われた男性の紹介も断っていたといいます。そしてそんな誘いもぐっと減りアラサーになったころ、その男性は転職することに。「同じ業界だからまた会うこともあると思いますが」という言葉を残して去っていきました。
連絡先交換をする勇気もなく、いざとなれば共通の知り合いがいるからその人に聞こうと思っていた舞さん。しかし、その「いざ」はきませんでした。彼女自身も転職することにしたのです。
新しい環境に慣れることで精いっぱいで、気が付いたら30歳の誕生日を迎えていました。
彼氏でもない男に操(みさお)をたてる必要は?
「こじらせてますよね、私。その時は、好きな人がいるし、出会いを期待して行っても、参加している人に悪いような気がしていたんです。5年も片思いしていながら何も行動をおこさないで、20代を無駄にしたのはバカだったと思います」

好きな人といっても連絡先も知らず、二人で会ったことはなく、彼女がいるのかもわからない男性です。アプローチさえしていません。それに合コンに仮に参加したとして、参加者男性から誘われるかどうかもわからないのです。
誰からも誘われてもいないし、始まってもいない恋だったのに。
今の舞さんは結婚したいというより、この同じ生活の繰り返しを変えたいということでした。本気の婚活というより、まずは恋人が欲しいそうです。大勢の人がいる場は苦手だそうなので、マッチングアプリに登録してみることにしました。
「好みの人」「それ以外の男」を分けてしまう白黒思考
ゲームが好きだということで、趣味はゲーム好きを全開にしたプロフィール文を作りました。笑顔の写真を撮ってもらいアプリ登録の準備をしました。
マッチングアプリは、新規登録してすぐの期間は注目されやすく、「いいね」がたくさんつきます。メジャーなマッチングアプリの“新規登録期間”はほとんど3日間なので、金曜日にアプリを登録しました。
私からは、「マッチングアプリで『いいね』を送ってくれた男性はどの女性に『いいね』をしたのかなんてあまり覚えていないし、マッチングしてもメッセージが途絶えることもあるから。
10人とマッチングしたってデートまでたどり着くのは1人ぐらいだと思ってね。相手の男性も、複数の人と会っているからね」と口酸っぱく伝えておきました。
「好みの人」「それ以外の男」と分けてしまう白黒思考の舞さんのような女性は特に、徐々に距離を縮めて親しくなっていくということが苦手な場合が多いからです。
いよいよマッチングした男性と会うことに
幅広くいろんな男性とマッチングして、いよいよ男性とデートをすることになりました。
最初にデートすることになったのはショウという男性(仮名)。アイスクリームとディズニーランドが好きという共通点があり、会話も自然と続いたそうです。
プロフィールとメッセージを見せてもらいました。
正直に「ショウさんはすごく女性に慣れていると思いますよ」と伝えたのですが、舞さんの気持ちは傾いていきます。初デートで盛り上がり、その場でLINE交換をして次に会う約束もしたそうです。
2人の男性と同時にデートをするなんて…
「他にもマッチングしている人いますけど、会った方がいいんでしょうか。ショウさんと次もデートする約束をしているのに」と舞さんから相談されました。
「ショウさんから告白されたわけじゃないですよね。次のデートが2週間後ってことは他の女性ともデートしている可能性が高いし、まだ一人に絞るのはやめましょうよ。
彼はディズニーランドが好きということですが、大人の男性同士ではたぶん行かないでしょう。他の女性と行っていたとしたら、やっぱり結構女性に慣れている男性だって思いませんか?ショウさん一人に絞るのは危険です」
「でも~~出会いがないって言ってましたよ。仕事が忙しいみたいだし」
婚活で、複数の人と交際するのはアリかナシか
舞さんのように同時進行でデートや交際をすることに抵抗がある、という方は少なくありません。ゼクシィ縁結びエージェントが男女220名を対象に行ったインターネット調査(2022年)では、こんな結果が出ています。

婚活で複数の人と同時交際することについて、「抵抗がない」と答えた人は11.8%のみ。「抵抗がある」は35%、あとは「どちらとも言えない」が約半数でした。
また同時交際の経験の有無について、「していた」と答えた人は、14.1%しかいませんでした。
経験値がないまま30代になったことが危険
デートから数日経つと、ショウという男性から頻繁に来ていたメッセージが、あまり来なくなりました。
次のデートの約束というのも「今度はご飯に行こう」という口約束だけで、集合場所も集合時間も決まっていませんでした。
連絡がないまま、1週間が経過しました。
「しばらく、恋活はお休みしたいです。ショウさんのことがあってもうメンタルが落ちてしまって、仕事をこなすので精一杯なんです。期待しすぎた私が悪いんですけど……不器用なのにもう30歳になっちゃって」
「大丈夫?お休みしても大丈夫ですよ」と答えた後で、私はこうも伝えました。
「できたら30歳のうちに再開してね」
「分かりました。必ず30歳のうちに再開します。こういうことを普通の女性は20代のうちに経験しているんですもんね」
「そうですね」
舞さんは、固く約束してくれました。行動し続ければ失敗じゃなく、経験値にできます。今回のことはショックだったと思いますが、めげずに立ち直ってくれると信じています。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
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<文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
(エディタ(Editor):dutyadmin)