こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
熟年離婚はお金や養育費などの現実的な問題と心の問題が絡み合うため、決断するのが難しく、また決断した後も、なかなか決着がつきにくい側面があります。
自身も47歳で子連れ熟年離婚を経験し、親子・家族関係を踏まえたパートナーとの関係修復や離婚相談を数多く受けている心理カウンセラーの緒方リサコさんに、今回は熟年離婚を決め、具体的にすすめていくための「心の問題」との向き合い方について聞きました。
離婚を決意した後に待っているのは、現実問題だけではありません。離婚とは、言わずもがな精神的にも大きな負担を強いられる行為なのです。
心の問題にどういう順番で向き合い、取り組んでいけばいいのか。緒方さんに質問すると、5つの明確なステップを示してくれました。
【熟年離婚を叶えるための5ステップ】
1.「自分の人生を生きていく」覚悟を持つ
2.離婚という通過点を通ったあと、どこを目指すのかを明確にする
3.生きていくための経済的な基盤を確保する
4.自分自身で感情をコントロールする力を身につける
5.離婚後に満足した生活になるよう、自分がどうしていきたいかを考え続ける
1と2については、2本目の記事で説明してもらいました。離婚をゴールにするのではなく通過点とし、自分らしくあるためにどういう人生を歩みたいかを考え、計画を立てるということです。
3は、今ある財産を確認し、これからの人生をやっていけるかを具体的に試算していくということです。
緒方さんいわく、意外と忘れがちなのが、4の感情をコントロールする力を身につけることだといいます。
「離婚後は、『嫌だった』という原因(夫婦関係)から解放されますが、生きている以上、嫌なできごとはまた起こります。一人で生きていくことは、家に誰もいなくて寂しいとか、文句を言う相手がいないとか、困り事にも自分で対応するとか、そういう現実を受け入れることです。
熟年離婚をする前は、なんだかんだ文句を言う相手がいたわけですが、今後の人生は一人で解決していかねばなりません。そういう意味で、他責思考にならないよう、感情のコントロール力を身につけるのは、とても大切なんです」

※イメージです(以下、同じ)
自身も47歳で子連れ熟年離婚を経験し、親子・家族関係を踏まえたパートナーとの関係修復や離婚相談を数多く受けている心理カウンセラーの緒方リサコさんに、今回は熟年離婚を決め、具体的にすすめていくための「心の問題」との向き合い方について聞きました。
離婚をする!決意を叶えるために大事な5ステップ

カウンセラーの緒方リサコさん
心の問題にどういう順番で向き合い、取り組んでいけばいいのか。緒方さんに質問すると、5つの明確なステップを示してくれました。
【熟年離婚を叶えるための5ステップ】
1.「自分の人生を生きていく」覚悟を持つ
2.離婚という通過点を通ったあと、どこを目指すのかを明確にする
3.生きていくための経済的な基盤を確保する
4.自分自身で感情をコントロールする力を身につける
5.離婚後に満足した生活になるよう、自分がどうしていきたいかを考え続ける
感情のコントロールが大切なワケ
1と2については、2本目の記事で説明してもらいました。離婚をゴールにするのではなく通過点とし、自分らしくあるためにどういう人生を歩みたいかを考え、計画を立てるということです。
3は、今ある財産を確認し、これからの人生をやっていけるかを具体的に試算していくということです。
緒方さんいわく、意外と忘れがちなのが、4の感情をコントロールする力を身につけることだといいます。
「離婚後は、『嫌だった』という原因(夫婦関係)から解放されますが、生きている以上、嫌なできごとはまた起こります。一人で生きていくことは、家に誰もいなくて寂しいとか、文句を言う相手がいないとか、困り事にも自分で対応するとか、そういう現実を受け入れることです。
熟年離婚をする前は、なんだかんだ文句を言う相手がいたわけですが、今後の人生は一人で解決していかねばなりません。そういう意味で、他責思考にならないよう、感情のコントロール力を身につけるのは、とても大切なんです」
離婚しても失敗する人の特徴とは
「離婚はしたけど幸せじゃない」そんな人も、緒方さんの元には多く集まるといいます。離婚後に“不幸になった人”とは、どんな人なのでしょう。
「離婚貧乏(離婚を機に経済的に困窮すること)になりたくないから、アプリを使って次の相手を探そうとしている女性とか、結局次の相手が見つかったけど、相手を資産や年収などの条件ばかりを見て一緒になったから、再婚して嫌な部分が見えてきて後悔したというケースがまずあります。
熟年女性の中には、仕事をしておらず出会いがほとんどない方も多いので、出会いから再婚まで、トントン拍子に進むことがあります。したたかさがあるなと感じる一方で、結局『結婚』をゴールにしているので、結婚生活が始まるとまた上手くいかなくなるといったケースは後を絶ちません」
他にも、熟年離婚の失敗例を聞くと、離婚の精神的ダメージでその後の人生が良くない方向に行ってしまうケースがあることを教えてくれました。
「他者への依存傾向が強い女性は、『離婚できたけど寂しい』となり、意識が新しい依存先を探してしまうようです。新たなパートナーに向く場合以外に、ホストクラブ通いや買い物、エステや美容整形など、高額な自分磨きに走るケースもあります。
ホストクラブや買い物は、その瞬間は相手がちやほやしてくれますから、寂しさを忘れられるんです。そうして何かにハマった結果、子どもに発覚して見捨てられそうになって相談にいらっしゃる方がいます」
熟年ともなると、人によっては本音で話せる友人が少ないといった事情から、離婚後に孤独を募らせてしまう人がいるそうです。だからこそ、ステップ4の感情のコントロール力、すなわち心の自立をきちんと行い、自分で自分を幸せにする力を身につける必要があるのです。
熟年離婚後に夢だった留学へ
熟年離婚の失敗例を聞くと、孤独や依存症への転落を想像し恐ろしくなりますが、逆に熟年離婚をし、ハッピーになった成功例について教えていただきました。
「63歳の夫と60歳の妻が離婚されたケースは、まさに“円満”と言えると思います。離婚までには1年半かけてお二人のカウンセリングも行いながら話し合い、婚姻生活30年を振り返り、もう1回関係を再構築するのは無理なのかも含め、いろいろトライされていました。
お子さんへ報告されたときも『2人ともやりきったの?』と聞かれたそうですが、カウンセリングに二人で通っていることを伝えたところ、子どもも納得してくれたと言います。お互い心から感謝を伝え離婚し、奥様は離婚後に、夢だった海外留学を叶えたそうです。まさに熟年離婚でご自分の人生を見つけたケースです」
熟年夫婦における心の問題は、数十年積もった不満に夫婦で向き合うことだけでなく、自分とも向き合い、精神的に強くなる必要があります。
また子どもがいくつであろうと、夫婦の問題に子どもを巻き込んで、味方につけようとしたり、分かってもらおうとしたりしてはいけないのだなと、改めて理解することができました。
熟年離婚を推奨したいわけではありませんが、「いつだって人は変われる」という忘れがちな事実に気づき、より良い人生を歩むキッカケになったら嬉しいです。
<取材・文/おおしまりえ>
おおしまりえ
水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518
(エディタ(Editor):dutyadmin)