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なぜ今年「日高屋」が突然ブームに?ラーメン390円のコスパだけじゃない“納得の理由4つ”

時刻(time):2023-11-26 09:12源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
外食産業の再始動が本格的となった今年、最もアツかった飲食店のひとつが、日高屋だろう。「熱烈中華食堂日高屋」(以下、日高屋)などを展開するハイデイ日高は今年10月上旬、2023年3~8月期単体の営業損益が24億200万円の黒字だったと発表した。 1億9500万円の赤字だった前年同期とは打って変わって大幅な回復に成功 。加えて、売上高は前年同期比35.2%増の237億9600万

 外食産業の再始動が本格的となった今年、最もアツかった飲食店のひとつが、日高屋だろう。「熱烈中華食堂日高屋」(以下、日高屋)などを展開するハイデイ日高は今年10月上旬、2023年3~8月期単体の営業損益が24億200万円の黒字だったと発表した。1億9500万円の赤字だった前年同期とは打って変わって大幅な回復に成功。加えて、売上高は前年同期比35.2%増の237億9600万円。各月の月間売上高、累計売上高ともに過去最高額を記録したという。

日高屋の店舗

日高屋の店舗

 同社の大躍進の背景にはメイン事業の日高屋の存在は大きい。日高屋は以前から街中でよく見かけるラーメンチェーンの一つでしかなかった。にもかかわらず、なぜ急に日高屋ブームが巻き起こっているのか。それには様々な納得の要因がある。






1:人目を気にせず食べられる、女性にも優しい店舗設計


 まず、女性でも気軽に入りやすいことが大きい。全店舗ではないが日高屋では基本的に、テーブルに設置されたタッチパネルで注文する。ラーメン屋や中華料理店などでは直接オーダーをするケースがあり、他の人に注文を聞かれることは正直ダルい。食券制の店舗も珍しくないが、それでも食券を渡した際に注文したメニューを声高に叫ばれる。

日高屋の店内2

1人でも一切の気兼ねなく食事ができる店内

 「『こいつ、めっちゃ食うじゃん』と思われたらどうしよう」ということが少しでも頭をよぎると、どれだけ“ラーメンの口”になっていても店からは足が遠ざかってしまう。しかし、タッチパネル注文ならそのリスクはなく、思う存分注文できる。






2:いい意味で淡々とした実家のような安心感


 タッチパネルがあることの効用は他にもある。注文する必要がなく、タッチパネルで「会計」のボタンを押して、伝票をレジに持って行けば会計ができるため、日高屋に入って店を出るまで店員とのコミュニケーションは最小限で良い。一言も発することなく、お腹を満たすことができるのだ

 日高屋にいると人と人との触れ合いを気にしなくて良い。利用客はただ黙々と飲み食いをしており、周囲を気にすることなく自分だけの世界に浸れる。

日高屋のメニュー

ファミレスや居酒屋でもよく見かけるようになったタッチパネル

 もちろん団体客もいる。しかし、ただただ無言で食べ進める人が多いからなのか、大きい声で話す人は少ない印象。カフェで制服を着た学生が勉強している姿を見ると、人はどうしても話し声を小さくしたくなるものだ。それと同様に「あまり騒がしくするのも何か悪い」という心理が働くのかもしれない。加えて、店内が明るく、学生や子連れなど幅広い利用客がいるため、下世話な話を大声で話せる雰囲気でもない。

 そういったいい意味で淡々とした雰囲気なので、ナンパのように誰かから話しかけられる心配もあまりない。女性に限らないが、店内の居心地が良いからこそ、多くの利用客やリピーターを生んでいるのではないか。













3:ラーメン390円ほか、最強のコスパ


 なんと言っても日高屋ブームの最大の要因はコスパの良さである。「中華そば」(390円※税込、以下同)は破格であり、ラーメンで一番高い「とんこつチャーシューメン」(780円)ですらかなり安い。値段だけではなく、「半ラーメン」(220円)は量をあまり食べられない人、小さい子どもを持つ世帯にはありがたいメニュー。

日高屋ラーメン1

温玉旨辛ラーメン(690 円)、プラス70 円で麺大盛にしても760円

 また、「野菜たっぷりタンメン」(570円)もあり、「ガッツリ食べたいけど健康面も気になる」という人に寄り添ったメニューもある。「中華丼」(640円)「天津飯」(560円)などラーメン以外のメニューも多く、痒いところにすべて手が届くラインナップである。






4:おつまみメニューも豊富でチョイ飲みに最適


 日高屋は“ただのコスパが良いラーメン屋”というわけではない。日高屋はとにかく1人飲みに最適な空間である。「キリン一番搾り(生)ジョッキ」(330 円)や「ハイボール」(320 円)などお酒もかなり安い。おつまみも盛りだくさんで、定番の「そら豆」(220円)から、「キムチ奴」(310円)など幅広い。

日高屋ビール

キリン一番搾りの生ジョッキ、330 円

 選択肢が豊富だからこそ、「半ラーメン」を頼んでおつまみを多く注文して飲む、という楽しみ方もできる。1500円~2000円で適度に酔ってお腹を満たすことができ、仕事帰りのチョイ飲みなどに最高だ。














混雑していないのは、観光客に“バレていない”から?


 日曜日の午後3時ごろに西武新宿前北店を訪れてみた。ご飯時を外したものの6~7割くらいの客入り。男女比は8:2と男性も多いが、女性客の中には1人でいる人も。店内には1人飲みしている客もいるが、特に珍しくないので仲間意識が芽生えないのも日高屋の良いところだ

日高屋の店内2

筆者の訪れた時間帯は6~7割くらいの客入りだった

 新宿という場所柄、店の外は観光客でごった返しているにもかかわらず、店内に外国人観光客的な人の姿が見られなかったことは驚いた。ここ最近、新宿に限らず歓楽街にあるラーメン屋の前を通ると、時間帯を問わず外国人観光客が並んでいるのをよく見かける。まだ外国人観光客に日高屋が“バレていない”からこそ、店内が利用客でごった返していなかったのではないか。





たっぷり食べて飲んで1800円、圧倒的勝利の週末


 この日は「温玉旨辛ラーメン 麺大盛」(760円)、「やきとり(ネギ和え)」(210円)、「餃子(3個)」(150円)、ビール2杯を注文した。やきとりとビールがすぐに出てくるのはありがたく、ラーメンが届くまでの時間も退屈しない。温玉旨辛ラーメンはピリ辛で、徐々に寒さを感じる今の時期に丁度良い。

日高屋ラーメン1

ピリ辛の温玉旨辛ラーメンに、心身ともに満たされる

 これだけお腹を満たせて、ほろ酔い気分を味わえて1800円。たまに日高屋を“居酒屋”として利用して大声で話す団体客がいるが、この日はそういった客とのエンカウントはなし。1人飲みを満喫でき、圧倒的勝利の週末となった。




<写真・文/望月悠木>
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki











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