恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験“を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、「大人の恋愛で本当に必要なこと」をお伝えします。
恋愛や性的関係なしで夫婦になる「友情結婚」とは
結婚と一口に言っても、国際結婚や週末婚など、さまざまな形の結婚があります。その中でも近年注目されているのが「友情結婚」です。友情結婚とは、恋愛関係ではないカップルが、性的な関係はなしで、利害や考え方の一致を目的とする結婚のことを指します。
今年の6月、性的マイノリティーに対する理解を広めるための「LGBT理解増進法」が国会で成立し、施行されました。パートナーシップ制度においては338を超える自治体(2023年7月時点)で導入が進んでおり、同性婚についての議論が盛り上がっています。
そのため「同性婚」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、「友情結婚」となると、まだ知名度は高くないようです。
39歳の会社員・たくさんは、男性で同性愛者です。しかし同性婚は望んでおらず、結婚するなら女性と友情結婚をしたいと思って婚活をしています。今回はたくさんのお話を聞きながら、友情結婚について紹介します。
一緒に支え合えるパートナーがほしいから
たくさんはなぜ、同性婚ではなく友情結婚を希望しているのでしょうか。
「性的な繋がりはないけれど、人間として好きになれる人と一緒になりたいと思っています。結婚する人とは、人間愛で支え合える関係でありたいんです。LGBTの人全員が同性婚を望んでいるわけではく、異性と結婚したいと思っている人は一定数います。
私が友情結婚をしたいと思う一番の理由は、一緒に支え合えるパートナーがほしいからです。それ以外にも、世間体や、親を安心させたいという思い、今後一生独りで生きていくことへの不安があると思います」と語るたくさん。
これらの話はいわゆる普通の婚活をしている人も、共感できるのではないでしょうか。友情結婚と一般的な結婚で大きく異なるのは、性的な関係を含まないという点だけだと言えるのかもしれません。
子どもについてはどう考える人が多い?
しかし友情結婚をしたいと思っても、同じく友情結婚を考えている人に出会わなければ話は進みません。たくさんはかつて、友情結婚専門の結婚相談所を利用していたそうです。そこでは、どのような流れで婚活をしていくのでしょうか?

「年齢や収入、学歴などお互いのプロフィールを見てマッチングした上でお会いします。どのようなセクシャリティに属しているかなどもあらかじめわかるようになっています。
また、カップルとして成立したのち、同居するのかしないのか、子どもはどうするのかといったことを決めるため、話し合いを重ねる期間があります」
性的な関係を持たない友情結婚を希望する方の中には、子どもを持ちたいという方も多いのでしょうか。
「私が登録した友情結婚に特化した結婚相談所では、子どもがほしい方が多かったですね。子どもを作るとなった場合、多くの方は体外受精を選択されます」
恋愛感情がない中で、新たに関係を深める難しさ
現在、たくさんは結婚相談所を退会されているということですが、その理由は。
「私自身、この友情結婚と呼ばれる形態での婚活をしてきましたが、疲れてしまいました……。お会いした方の中には、この人なら一緒にいたいと思う方もいて、過去には告白したこともあります。友情結婚をしたい人同士が集まっており利害が一致しているため、すぐにうまくいきそうに思えますが、それだけではうまくいかないのが現実でした」
異性愛を前提とした婚活でも、友情結婚の婚活でも、どんな婚活でも悩みはつきものだということかもしれません。

「友情結婚をしたい人の多くは、暖かい家庭がほしい、同じ感覚の者同士協力して人間愛で支え合いたいといった考えがあるかと思います。性的な関係がないこと以外は普通の結婚と変わらない。だから、この形態なら諦めていた結婚に希望が持てると活動を始めたと思います。
ですがLGBTの私たち特有なのか、恋愛感情がない中で相手に興味を持つのはとても難しいことを痛感しました。この活動では、恋愛感情での繋がりではないためにとにかく話し合いが重要です。話し合いの場ではそれなりに話しはしますが、終わればそれっきり。日常のLINEのやりとりがあるわけではなく、どちらかが無理にでも会おうとしなければ会話が進まない。それがだんだん負担になってくるんです」
まだ恋愛感情を持っていない段階で、相手の話に興味が持てない。これは通常の婚活でよく聞くお悩みの一つでもあります。
会話のない、形だけの夫婦になりたいわけではない
「自分が相手に興味を持つ努力をしたのかと言われれば、できていなかったと思います。だからお互い様ではあるのですが、私の会った方はこのパターンが多かったですね。友情結婚で定義されていたイメージとはギャップを感じ、仮に成婚したとしてもお互い会話もなく部屋に直行するイメージしかできず、退会しました。
ストレートの方からすれば、ただの契約結婚なのに期待を持ちすぎだと思われるかもしれません。最初から契約結婚という名目なら割り切れるのかもしれません。
ただ、この形態でうまくいっているのは、相手のことを考えられて、とにかく話し合いを多くできる方たちなんだと思います」

恋愛感情がないとはいえ、結婚となると一緒に暮らして人生を共にしていくので、お互いに「この人となら」と思える相手でないと成立しません。
友情結婚を希望する同士ならうまくいく?
たくさんは私が執筆した過去記事も読んでくださっていて、ある記事に共感したと話してくれました。
それは、両親のプレッシャーや周囲の結婚に気持ちを急かされて「お金持ちでもイケメンでもない普通の人でいいから結婚したい」と言いながら婚活する女性が、今のままでは誰とも結婚できないと気づく、という内容のものでした。
どういったところに共感したのでしょうか。
「世間体や両親からのプレッシャーに対する気持ちは、あの記事に出てきた方と全く同じです。自由気ままな生活を手放すのが怖いという気持ちにも共感しました。記事の方はストレートの女性で、普通の結婚を目指して婚活していると思いますが、私のように性的マイノリティと呼ばれる人たちでも、同じような悩みを持つ方は相当数いると思います」
異性愛を前提とする一般的な結婚も、結婚という目的は同じ者同士が集まっていますが、なかなかうまくいかずに悩んでいる人が山ほどいます。友情結婚を目的とした結婚相談所も、登録する人たちのゴールは共通だとしても、やはり同じように悩みが出てくるものなのですね。
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友情や相手への尊敬といった気持ちのつながりに重きを置く友情結婚は、合理的な結婚の形であるのかもしれません。従来の結婚に対して違和感があるという方も、固定概念にとらわれずに自分らしく結婚を選ぶための一つの手段として、今後もっとこの概念が広まっていけばいいなと思います。
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<取材・文/田中亜依>
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田中亜依
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019
(エディタ(Editor):dutyadmin)
